犬が食べても良い果物とダメな果物のまとめ、注意点や危険すべて取り上げます!

犬が食べても良い果物とダメな果物のまとめ、注意点や危険すべて取り上げます!

update

季節の旬な食材として欠かせないものに果物があります。甘くてジューシーな旬の果物を、愛犬にも与えたい飼い主さんもいることでしょう。実は犬も果物を楽しめると思いきや、食べてはいけないものも存在します。愛犬の健康のためにも、食べられる果物と食べられない果物を知っておきましょう。

update

その2.アボカド

アボカド

Maks Narodenko/shutterstock.com

アボカドも犬には有害な果物とされています。一般的には果物としてではなく、料理の具材として利用されるアボカドですが、木に生るため野菜ではなく果物に分類されます。

アボカドが有害とされるのは、ペルシンという毒素が理由です。人間には殺菌作用や乳がんの治療効果などが期待される、むしろ有益な物質であるのがペルシンですが、犬には毒性を明確に示します。特に、鳥類やウサギには猛毒として作用するのが特徴です。

ペルシンそのものの機能や役割は定かではなく、特定の動物に毒性を示すのに人間には一定の健康効果をもたらす、ということしか分かっていません。近年発見された物質で、アボカドにのみ含まれるというのも特徴の一つです。

アレルギーを引き起こす可能性が指摘されており、主に脂肪分に溶けることで介在しています。ペルシンは心臓へダメージを与える性質があり、鳥類には心筋組織を攻撃することで心肺停止に陥らせます。

肺の機能も損なうことが確認されており、呼吸困難を引き起こします。人間以外の動物がペルシン摂取した際、安全に解毒したり緩和したりする有効な手段がないため、毒性はずっと残ってしまうようです。

特に鳥類に対しては毒性が強いため、治療する時間もないまま死んでしまうケースが見られます。致死量も明確にされておらず、食べても大丈夫だったというケースや、少し食べただけで昏睡状態に陥ったというケースも報告されており、一切与えないのが最善です。

一般的な基準からすると、体の大きい犬ほど耐性がある可能性があります。小型犬は少量のアボカドで危険な状態に陥ることが想定されますが、やはり体格に関わらずアボカドは避けるようにしましょう。

不思議なことに、アボカドの成分や健康効果を謳ったドッグフードが実際に市販されています。これは、アボカドの品種によってペルシンの含有率が異なるためで、ドッグフードに使用されるアボカドは基本的にペルシンの少ない物ばかりです。

メーカーはペルシンの量をモニタリングするなどして品質管理していることを宣伝しています。しかし、アボカドで以前に中毒症状を起こした経験がある場合やアレルギーを持っている場合、胃腸の調子が悪い場合などは、わざわざリスクを冒してアボカド入りのフードを食べるメリットはないでしょう。

アボカド自体が天然ゴムと似たような分子構造を持っているため、ゴムアレルギーを持つ犬の場合も特別な注意が必要です。

その3.イチジク

イチジク

Tim UR/shutterstock.com

イチジクを避けた方が良いとされる理由は、「ソラレン」と「フィシン」という成分によります。

ソラレンは有機化合物の一種で、毒性があり光や紫外線を吸収するのが特徴です。最近ではシミやそばかすを作る成分として知られており、ソラレンを避けることで肌の美しさを保てるとされています。

皮膚が吸収した紫外線を光毒化し、メラニンの生成を活性化させる作用があります。肌の健康に必要なビタミンCを多く含む果物に共存しているため、避けるのが難しい成分でもあります。日光を浴びなければ光毒性を発揮することはないため、無害化する方法はあります。

話を犬とイチジクの関連に戻すと、ソラレンが中毒症状を起こすとされていますが、実際の臨床例や研究例はないようです。あまりに大量のイチジクを短時間で食べると中毒症状を起こす危険性が高まるかもしれませんが、その場合はソラレンだけが原因とは限りません。

ソラレンの明確な毒性に関しては、今後の研究を待つ必要があります。ではフィシンについてはどうでしょうか?

フィシンはタンパク質を分解する酵素で、肉を調理する際に柔らかくする効果を持っています。血液型の識別に使用されるのも特徴的です。人間の場合は整腸作用があり、毒性を示すことはありません。しかし、イチジクのいわゆる白身の部分を食べると痛みを感じることがあり、その原因物質がフィシンだとされています。

犬には腸に働きかける作用が強すぎるとされていますが、やはり現時点では解明されていない部分の方が多い成分です。白い部分に含まれているため、犬が皮や茎を口にしないように注意してください。腸内の粘膜がダメージを受ける危険性があります。

当然ですが、ドライフルーツのイチジクを食べさせることも危険です。

まとめ

スイカを食べる犬

rangsan lerkngam/shutterstock.com

以上が犬には危険な果物の代表です。これ以外の果物に関しては、特別にアレルギー反応などがない場合は食べても大丈夫だと言えます。冷静に見ると、食べられる果物の方が圧倒的に多いことが分かります。

リンゴやみかん、イチゴやスイカなど、季節ごとの果物は大抵食べても問題ないでしょう。果物には果糖が含まれているため、甘味を感じる犬には好物にもなります。猫と違い、犬は糖分を認識する味蕾が備わっています。

一度甘くて美味しい旬の果物を与えると、旬以外の時期に獲れたハウスものの果物は食べなくなることもあるほどです。美味しそうに食べる様子を見るのは飼い主冥利とも言えますが、健康のためにも過度に与えるのは避けましょう。

過剰摂取はあらゆる病気や疾患の原因になり得ます。毒性のあるブドウやアボカドに限らず、ほとんどの食品は過剰摂取によって中毒症状を引き起こします。人間にとっても犬にとっても、水さえ中毒症状を引き起こして死に至らせることもあります(水中毒)。

しかし現実的に言うならば、健康を保つためにはバランスが重要です。塩でも砂糖でも中毒になり得ますが、どちらも一定量は摂取した方が望ましい、あるいは不可欠な物質です。

例えば、塩気を控えすぎることは低ナトリウム血症を引き起こす原因になります。現代社会で飼われる犬は、自分でナトリウムを摂取することがほとんど不可能に近い状態にあります。

野生であれば、自分が捕食した動物の血を取り入れたり、土をなめたり食べたりすることでナトリウムを補給できます。しかし、粗悪なフードや偏った知識に基づいた手作りフードなどは、犬のナトリウム不足を引き起こす恐れがあります。

そうなると、犬は散歩中に土を食べたり、自分の肉球を舐めたりすることで何とかナトリウムを補給しようとするようです。低ナトリウム血症が続くと、最悪の場合死に至る恐れもあります。しかし、人間と同じ食事を与えると過剰摂取になりがちです。

それでいちばん良いのは、欠乏症も過剰摂取も避けるバランスで、一定以上の品質のドッグフードを与えることです。ドッグフードはまんべんなく栄養補給できるように設計されています。

近年は手作りフードにこだわる風潮が見られますが、大抵のメニューではエネルギー不足であり、カルシウムとリンの過剰摂取が懸念されます。

犬が必要とする栄養素と、人間が必要とするそれは異なります。人間は完全な雑食であり、かつ多少偏食したとしても抵抗力や耐性があります。しかし、犬は動物性タンパク質をより多く必要とする生き物であり、人間のような食事を続けると栄養失調に陥る危険性が高くなります。

犬の場合、タンパク質と脂質をメインに、足りないエネルギー量は炭水化物で補うのが理想的です。エネルギー量が少ないと体が弱くなりますが、多いと人間よりも肥満になり易いのも特徴です。また、犬の個体差や運動量、年齢に応じた代謝の変化なども考慮してやる必要があり、それを自分で計算して毎日手作りしてあげるのは簡単ではありません。

果物もそうですが、不十分な知識だと愛犬の寿命を縮めてしまうこともあります。まずは市販のドッグフードで、基礎的な栄養を安定して摂取するのが理想的です。その後、獣医師の指導に基づいてフードにトッピングする等の方法を試してください。

ご意見、ご感想ありましたらコチラ! この記事のコメントへ (0件)
桜 フォトコンテスト 全国のドッグラン一覧
編集部PICKUP
関連する記事

mofmo掲示板