【ドッグトレーナー監修】犬が砂や石を食べる理由とは?対策法や食べた場合の対処法を解説【2023年版】

【ドッグトレーナー監修】犬が砂や石を食べる理由とは?対策法や食べた場合の対処法を解説【2023年版】

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この記事の監修者(48件監修)

Moe Yoshida

ドッグトレーナー

Moe Yoshida

国際動物専門学校 しつけ・トレーニング学科卒。 噛み・吠え癖の酷い元保護犬のビーグルを引き取った事をきっかけに『褒めてしつける』を念頭に活動。 自身の経験を活かし、しつけイベントにて飼い主に寄り添ったトレーニング方法を指導。 ナチュラルペットフード・栄養学の知識にも精通。 保有資格:NPO法人ドッグトレーナー2級、しつけアドバイザー2級、愛玩動物飼養管理士、ドッググルーマー2級

犬を飼っている方の中には、「愛犬が砂を食べて困る…」とか、「うちの子は石を食べる」などの悩みを抱えている方がいます。なぜ犬は砂や石を食べるのでしょうか?この記事では、犬が砂や石を食べる理由や対策について解説していきます。

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犬が砂や石を食べる理由とは?

うつ伏せになる犬

tinyowl7/shutterstock.com

犬を飼っている方の中には、”愛犬が砂を食べて困る・・”とか、”うちの子は石を食べる”などの悩みを抱えている方がいます。

なぜ犬は砂や石を食べるのでしょうか?犬が砂や石を食べることには、次のような理由が考えられています。

理由①犬としても自然な行動のひとつ

子犬の場合生まれてしばらくすると、とても好奇心旺盛な時期を迎え、さまざまなものに触れながら成長していきます。

それは人間の赤ちゃんにも当てはまるのではないでしょうか?赤ちゃんは生まれたばかりの頃は手を上手く使えないため、色々なものを口にいれて確認していきます。

それと同様、犬の赤ちゃんである子犬も、手を使うことはできないので口で確認をしています。”これは何かな?”と口に入れたものが、砂や石であることは珍しくありません。

飼い主さんとしては、食べ物ではない砂や石を愛犬が食べてしまうと、”お腹は大丈夫かしら・・”と不安になるかもしれませんが、犬は多少の砂や石を食べたとしても便と一緒に体外へ排泄されますので、あまり気にしないようにしましょう。

なぜなら、神経質になるほど気にしすぎてしまうと、別の問題が発生する可能性があるからです。また老犬の場合は、認知症が発症して砂や石を食べるようになるケースもあります。

理由②歯がムズムズしてかゆい

子犬が砂や石を食べる場合、歯の生えかわりの時期を迎え、歯茎がムズムズとかゆいことが考えられます。

人間の赤ちゃんも、歯が生えそろうまでは歯茎がムズムズするため、固いものを噛みたがる傾向があります。それと同じように、犬は生後4~5ヵ月から7ヵ月頃にかけて乳歯がへと生え変わるため、お散歩中でも砂や石などをかじる行動を見せることがあります。

理由③美味しそうなにおいがする

みなさんもご存知のとおり、犬は人間よりずっと優れた嗅覚を備えています。散歩中などに通る際の道端の砂や小石には、犬の嗅覚を喜ばせるものがひそんでいる可能性があります。

たとえば公園の砂や砂利、石などには、子どもが落としたお菓子のかけらや、こぼしてしまった甘い飲料などのにおいがするのかもしれません。また、ミミズや昆虫、他の犬のフンなども砂や石に混じっていることでしょう。

つまり砂や石、砂利などには、犬にとって魅力的で興味を惹くものがたくさんついているのです。砂や石そのもの自体をパクパク食べるのではなく、それらから匂っている砂や石をなめたり、鼻を突っ込んで掘って探し、多少口に入れたりする程度の行動であれば、犬としての自然な行動のひとつなので特に心配する必要はありません。

理由④異食症の疑い

犬が砂や小石や土だけでなく、金属やプラスティック、ビニールなど危険性が高いものまで食べてしまったり、それらを突然食べるようになったりした場合は注意が必要です。特にそれらを食べては嘔吐しているなら、健康上の問題からくる異食症という異常行動の疑いがあります。

異食とは、食べ物以外のものを食べることです。その原因のひとつに、お腹に寄生虫がいる可能性が考えられます。お腹に寄生中がいると消化不良をおこし、それが原因で異食行動が続くことがあると言われています。また、ホルモンバランスや甲状腺機能亢進症、糖尿病なども異食の原因となることがあります。

これらの病気は、多食になって食べ物以外のものを食べるようになる、不安から噛み行動が増えて食べ物以外のものを食べるようになる、飼い主さんの注意を引こうとしての行動、常同障害という精神的な原因による行動のひとつが原因となっています。愛犬の様子を良く観察し、獣医さんに相談されることをおすすめします。

理由⑤ストレス

犬はストレスが原因で、砂や石を食べるようになることもあります。情緒不安定によるストレスには、引っ越し、子どもが生まれた、運動不足、長時間の留守番、花火や雷などの大きな音などが挙げられます。

一般的に犬は落ち着いた穏やかな日常を好みますので、飼い主さんにとっては何でもないことでも犬にとっては過度な刺激となり、それがストレスにつながることがあります。

また別のストレスの理由として、噛み癖や拾い食いなどのトレーニングに対してのストレスも考えられます。

子犬の頃、噛み癖や散歩中の拾い食いなどのトレーニングのために、リードを短く持ってテンションをかけて阻止したり、クレートやケージに入れて無視したりなど、犬に苦しい思いや寂しい思いをさせたことがストレスとなり、砂や石を食べるなどの異食につながることもあります。

理由⑥ミネラル不足

犬が砂や石を食べることは、ミネラルが不足しているのではないか?とも考えられています。なぜなら砂や石、土などになミネラル分が多く含まれているからです。しかし総合栄養食のドックフードを規定量与えていれば、ミネラルが不足することがありません。

ですから何かしらの健康上の問題や体質の影響で、ドックフードに含まれているミネラルを十分に吸収することができていないのかもしれません。手作りフードを与えている場合は、ビタミンやミネラルなどが不足がちになる傾向にあるので、サプリメントなどで不足している栄養素を補うことができるでしょう。

理由⑦飼い主さんの関心を求める「注目獲得」

特に子犬の場合、石や砂を口にした時に飼い主さんが大げさに騒ぐと、それが面白くて遊びの一環と勘違いしてしまい、その行動を繰り返して行うようになることがあります。

このようなケースを「注目獲得」と言います。愛犬にそのような傾向がある場合は、冷静になって対応することが改善につながります。

犬に砂や石を食べさせないための対策法とは?

噛み応えのあるおもちゃ

Dagmar Hijmans/shutterstock.com

では、愛犬が砂や石を食べてしまうなら、どのように対処すればよいのでしょうか?いくつかの対策法をご紹介しましょう。

対策①愛犬の健康状態をチェックする

犬が砂や石を食べるという行動は、問題行動のひとつです。なぜ愛犬が砂や石を食べるのか、その理由を探ることはとても重要です。

そのためにもまずは動物病院を受診して、獣医師さんに愛犬の健康状態を確認してもらいましょう。健康であれば砂や石を食べる行動の原因を考え、それに合った対処を行うことができるでしょう。

また、成犬になってから砂や石を食べるようになったのであれば、健康上に何か問題があると思われます。動物病院で健康状態を確認してもらうことに加え、愛犬が大型犬であれば7才、小型犬であれば10才になったら、1年に1度は血液検査を含めた健康診断を受けるようにしましょう。

その際レントゲンやエコーの写真を撮影してもらうと、元気なときの内臓の様子を記録できるため、将来万が一石などを飲み込んだり、病気になったりしたときに有効です。かかりつけの動物病院でレントゲンやエコーの写真を撮っておくことも、愛犬の健康維持につながるでしょう。

対策②噛み応えのあるおもちゃやおやつを与える

子犬が歯の生えかわりによるかゆさや好奇心で、何でも口に入れて確かめる子である場合、噛み応えのあるおもちゃやロープ、タオル、おやつなどを与えることが効果的です。

それらを噛んで噛むことに対する欲求を満たしてあげれば、歯がかゆいゆえに砂や石を食べることをしなくなるでしょう。

また大型犬の場合、大きめの石を噛んでいると誤飲してしまうこともよくあるので、子犬の時期だけでなく、成犬へ成長してからも噛み応えのあるおもちゃやおやつを与えるようにしましょう。

対策③環境をコントロールする

砂や石は散歩中はもちろん、どこにでも普通にあるものなので、コントロールすることは難しいのが現状です。

愛犬が散歩中に地面のにおいをクンクンと嗅ぎはじめ、舐めている程度であれば犬の自然な行動のひとつなので、あえて大騒ぎをしないでそのまま見守ってあげましょう。

しかし、石をくわえて口の中で噛もうとしている場合は怒るのではなく、冷静な態度で石を愛犬の口から取り上げるようにしましょう。

対策④ストレスを取り除いてあげる

ストレスから砂や石を食べるのであれば、その原因を取り除くことで行動が改善されます。そのためには、何がストレスになっているのかを知る必要があります。

引っ越しや子どもが生まれたことなど日常的な環境の変化がストレスになっているなら、犬の立場になって気持ちをよく考え、時間をかけてストレスを取り除いてあげることができるでしょう。

また、長時間の留守番が続き、寂しさからストレスを感じているなら、愛犬のために時間をとって一緒に過ごし、愛情をたっぷり注いであげましょう。

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