犬や猫の目が光るのはなぜ？犬猫の目の仕組みを大解剖！

犬や猫の目は優れている！

Wan bo/shutterstock.com

では、もう少しワンちゃん、ネコちゃんの目について考えていきたいと思います。まずは、ワンちゃんの目について見ていきましょう。

ワンちゃんの目について

ワンちゃんの視力はどのくらいあるのでしょうか？人間で例えると約0.2から0.3ほどしかないと言われています。このような程度の視力しかないため、遠いところまでは見えません。遠いところにある物や人はぼやけて見えていて、実際に人の顔もあまり認識できていないという事になります。そのため、飼い主さんの顔も認識していないように感じますが、顔ではなく声や匂いから飼い主さんのことを認識していますから心配はいりません。

ワンちゃんは元々狩りをして生活していた動物ですので広い視野を持っています。私たちは180度ほどの視野しかありませんが、ワンちゃんの視野は250度から270度と広範囲の視野を持っています。動体視力も持ち合わせており、静止しているものよりも動きのあるものをとらえることを得意とします。例えばシェパードは静止したものは500メートルほどですが、動きのあるものなら800メートルほどまで認識することができるという意見もあります。また、牧羊犬だと1500メートル先ににいる人の合図まで認識できることもあるようです。

こうしたことから、ワンちゃんは遠視なのか？と思われますが、近視なのか遠視なのかどちらなのでしょうか？

ある研究では、ほとんどのワンちゃんが近視でも遠視でもない正視であるということが分かっています。しかし、ジャーマンシェパード、ロットワイラーなどの犬種には近視の傾向があり、グレーハウンドは遠視の傾向があったようです。最近では、さまざまな犬種と繁殖させて新しい犬種が誕生していますので、遺伝子の変化により近視や遠視などの傾向の割合も変わってくるのかもしれません。

ワンちゃんにとって、色はどのように見えているのでしょうか？先ほども網膜について考えましたが、人間の網膜とワンちゃんが持つ網膜では構造が異なっています。ワンちゃんの網膜には色を識別する力がほとんどなく、青や黄色とその中間色にしか反応しないようにできています。ある実験では、私たちに見えている赤は暗いグレー、緑やオレンジは黄色っぽい色、紫は青っぽい色に見えているようです。赤と緑を識別するということが苦手なようで、芝生の上で赤いボールで遊ぶと、区別がつかず難しくなってしまうので、何色のボールを買ってあげればいいのか買う際には注意しましょう。

次にネコちゃんの目についても見ていきましょう。

ネコちゃんの目について

ネコちゃんの視力もあまり良くありません。人間の視力の10分の1程度の視力です。人間で例えると約0.1から0.3ほどで、見える範囲は近いところで15cm、遠いところであれば20m程度です。2mから7.5mがもっとも良く見える範囲です。しかし、解像度があまり良くないのでぼやけて見えているのではないかと言われています。ネコちゃんは素早く、いろいろな物を仕留める能力に長けているので、あまり視力が良くないというのは驚きですね。

このように、ネコちゃんの視力は良くはありませんが、ネコちゃんの動体視力は人間の4倍と言われています。動いている物であれば、たとえ小さな虫でも30m先も見えるそうです。1秒間に4mmという少しの動きでも感知することができます。動体視力が良いので、視力が悪くても獲物やオモチャが少し動いただけでも気付けるので、どんなに素早く動くオモチャでも目で追い続けることができるわけです。

しかしその反面、動きが遅い物に関しては止まっていると勘違いしてしまい獲物などを取り逃がすということもあるようです。動体視力が優れている為にゆっくり動くものは苦手とします。オモチャで遊ぶ時には、素早い動きで誘って遊んであげる必要があります。

ネコちゃんが見ている色はどうでしょうか？ネコちゃんの場合には緑と青を認識できるようです。色を認識する為には目の中にある網膜の錐状体細胞が必要となります。しかしネコちゃんの場合には赤を認識する錐状体細胞がないので、赤系統の色は見えていないのではないかと言われています。ぼんやりとした灰色や黒、またはピンクや茶色、もしくは緑に景色が見えているのではないかと言われています。

ネコちゃんの目の色のバリエーションについても見ていきましょう。大きく分けると4種類に分けることができます。

・「グリーン」 メラニン色素が薄いので光の反射によりグリーンに見えるようです。洋猫に多く見られ、和猫にはほとんど見られません。

・「ヘーゼル」 この色は茶色系の色とグリーンが混ざり合ってできるグラデーションの色です。グリーンに比べるとメラニン色素は多めです。洋猫、和猫どちらにも多く見ることができます。

・「アンバー（琥珀色）」 この色はヘーゼルと混同しがちですが、アンバーは強い黄色です。

・「カッパー」 この色は、銅色という意味で、茶系の色をしています。赤寄りに見えることもあるようです。メラニン色素も他の色の目の子より一番多いと言われています。和猫に多く見られます。

・「キトンブルー」 生後2ヶ月くらいはメラニンが不足しているため、ブルーに見えます。2ヶ月を過ぎる頃にはだんだんとネコちゃん自身の本来の目の色となってきます。

この目の色以外に、両目の色が違うオッドアイという子もいます。

まとめ

今回は、ワンちゃんやネコちゃんの目が光る理由について学んでいくことができましたね。また、注意すべき点や、目の不思議についても知ることができましたので、ワンちゃんやネコちゃんの目を観察してさらに愛情を深めていってあげてください！