犬にアボカドを与えても良い?アボカドに含まれる危険成分について詳しく解説!

犬にアボカドを与えても良い?アボカドに含まれる危険成分について詳しく解説!

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「森のバター」と呼ばれるほど栄養価が高いことで知られるアボカドですが、犬が食べても健康に影響はないのでしょうか。アボカドに含まれる成分が犬に与える影響や、犬がアボカドを食べた場合の対処法についてまとめてみました!

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ペルシンとは?

では、アボカドに含まれるこのペルシンとは一体何なのでしょうか?ペルシンはアボカドにのみ含まれている毒素で、一部の動物にとっては猛毒として作用するほど強力です。

殺菌作用があり、人間の体には実に健康的な効果を及ぼします。人間に対しては無害であるものの、アレルギーを引き起こす原因物質であるとも考えられています。

近年発見された成分であるため、その効果や毒性は完全には解明されていません。脂肪内に介在しており、体内には脂肪によって運ばれるとされています。

ほとんどは皮や種に多く含まれていますが、脂肪内に溶けているため果肉にも含まれています。

人間以外の動物には猛毒になる場合が多い

そのペルシンは人間以外の動物には猛毒であるとされています。特に鳥類には非常に危険で、主に心臓へのダメージを生じさせてしまいます。

心筋組織の損傷など直接害を生じさせるものから、肺の筋肉の動きを阻害することで呼吸困難や呼吸停止に陥らせたり、無気力や虚弱などの症状を発生させたりするものまで、危険はさまざまあります。

鳥類は他の動物に比べてより敏感で、アボカドを食べてから12~24時間で死に至るとされています。

加えて、ペルシンを安全に解毒する対症療法や治療法がないため、鳥がアボカドを食べると必ず死ぬといっても過言ではありません。もし鳥類を飼っておられる場合は、兎にも角にもアボカドやアボカドを含む食品を絶対に食べさせないように注意してください。

反すう動物にも致命的で、体が小さい動物には特に致死率が高い成分です。ウシや馬などもそうですが、特にウサギは葉や皮を食べることで心臓に影響を受け、不整脈や異常なむくみによって死に至ります。

アボカドを安全に食べられる量というものがなく(厳密には、動物ごとに致死量が異なるうえ不明な点が多いため、まだ解明できていない)、人間以外の動物には一切与えないのが最善とされています。

アボカドを使用したメキシコ料理のソースの一つワカモーレも、同じく与えるべきではありません。ワカモーレはアボカドを生食で食す上、玉ねぎやニンニクなど犬にとって危険な食材を含むため、やはり危険性は高くなります。

ペルシンは人間にとっては有効成分

そんなペルシンは、乳がんの治療に効果的である可能性があり研究が続けられています。すべてのがん細胞に効果を発揮するわけではなく、乳がんの細胞に特別効果を発揮するようです。

加えて、乳がんの治療薬の効果や、治療そのものを効果的に進めるうえで役立つことも分かってきています。水に溶けないため、治療薬としてどのように活用するかが今後の課題とされています。

それ以外には未だ詳しいことは分かっておらず、今後の研究や有効利用が期待されています。

アボカドって何?

アボカド

Kyselova Inna/shutterstock.com

アボカドはそれだけ危険な成分も含まれているのに、どうしてこれまで食材として普及してきたのでしょうか?アボカドの歴史や種類を概観してみましょう。

アボカドの歴史

アボカドは、古くは紀元前1万年前のメキシコの洞窟で痕跡が発見されています。中世ヨーロッパでは、既に3種類ほどのアボカドが認知されており、それぞれ食用として利用されていました。

当時の植物学者は、アボカドの食欲を刺激したり精力増強したりする効果や、種からは発疹を和らげるオイルが抽出できることを知っていました。

メキシコが発祥とはいえ、植民地時代を通じてヨーロッパやアメリカに普及していくのに時間はかかりませんでした。多くの品種を栽培するようになったのはここ50年ほどの話ですが、栽培や耐久性、保存がきくハス・アボカドの栽培が大成功を収め、それにより世界中で食される食材の一つになりました。

世界最大の生産国かつ消費国はメキシコで、意外なことに日本はメキシコからの輸入量では第2位となっています。

アボカドの種類

アボカドには1,000種類以上あるとされています。現在の日本で販売されているのはハス種で、前述の特徴に加えて熟すと黒くなるというのが特徴です。

そのため食べごろが分かりやすく、輸送の際の耐久性も合わさって日本へ膨大な量のハス種のアボカドが輸入されています。

アボカド全体が寒さに弱く、その中でもハス種はさらに弱いため、日本では栽培されていません。沖縄や南九州、高知などで栽培されるのはベーコン種やフェルテ種で、滑らかで旨みの多い味わいが特徴とされています。

実が黄色くオイリーなものに対し、日本で栽培されるアボカドはみずみずしさが特徴で、品質が優れたものは甘みもうっすら感じられるほどジューシーです。

栄養素

果肉には脂肪分が最大25パーセント含まれており、よく言われる「森のバター」という俗称はここから来ています。アボカドは野菜ではなく果物で、果実の中では一番カロリーがあります。

脂質が多いため健康に良いのか気になるところですが、基本的に不飽和脂肪酸であるため、コレステロール値を抑えるのに有効です。

アボカドは人間にだけ栄養のある植物

ここまで、アボカドに関するいくつかの情報をご紹介してきました。しかし、冒頭で述べたように分かっていることが少なく、幾つかの症例や実際の死亡事故を基に動物への危険性や毒性が分かってきたに過ぎません。

鳥類やウサギなどの反すう動物には致死性が高いのですが、一部の犬や猫は耐性を持っているものもおり、犬を飼っておられる方の中にも「食べさせても何ともなかった」という方も実際におられます。

そのため、チョコレートや玉ねぎほど危険な食材ではないとも言えますが、未知の危険を避けるためにも出来るだけ食べさせないのが賢明です。栄養素の豊富さで言えば、なんとギネス記録にも載るほどの栄養価の王様であるアボカドも、多くの動物にとっては毒でしかありません。

人間の耐久力や特殊性を改めて実感するものの、ペットを飼っていらっしゃる方は十分に注意し、アボカドの果実や皮、種子だけでなく、オイルやその他アボカドの成分を含んだものはすべて食べさせず、触らせないように注意していきたいものです。

特に、体の小さく幼い犬や猫には毒性が強くなることがあると想定されます。日本で栽培されるアボカドは、その多くがペルシンの含有量が少ない品種ですが、販売されているものはそうではありません。

そのため、国産のアボカドをよく購入されるという家庭ではリスクは少ないと言えますが、そもそも国産のアボカドを見かけることはあまりないため、これもリスク回避に役立つとは言い難い状況です。やはりペットには近寄らせないことが重要です。

アボカドは人間だけ

Paopano/shutterstock.com

もし犬がアボカドを食べてしまったら?

犬がアボカドを食べてしまったら、出来るだけ早く動物病院に行くしかありません。犬に対するアボカドの毒性やその毒害の過程、致死量などが分かっていないため、適切な応急処置というものがまだ確立されていないからです。

水を飲ませたり吐かせたりするのも有効かもしれませんが、やはりペルシンの作用が分かっていないために、自己流の応急処置は症状を悪化させる危険性もあります。

まとめ

アボカドを誤って口にした後に、犬が腹痛やむかつきなど、普段と違う様子を見せているなら注意が必要です。

例えば、前足は「ふせ」の状態でおしりを高い位置に上げているのは、腹痛に耐えている場合があります。お腹を伸ばすことで紛らわせる効果があるようで、朝の寝起きに体を伸ばしている訳でもないのにこのようなポーズを取っている場合、腹痛を疑ってみましょう。

また、腹痛が酷いと低い声で唸ることもあります。普段は大人しく、来客があるわけでもないのに唸っている場合は、やはり腹痛や下痢に苦しんでいるのかもしれません。

あるいは震えている様子が見られることもあります。このような場合、人間のように何かをとりあえず服用したり対処したりすることが難しいため、とにかく安静にしてやるのが最善です。

極端な暑さや寒さに対処できるようにしてやりましょう。なるべく体にとって刺激となる環境や要素を取り除いてやるのが目的です。無理に何かを食べさせるよりも、体を休めさせてやる方が適切です。

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