ペットとのキスでうつる感染症がある?!ペットとのスキンシップで注意したい事を解説

ペットとのキスでうつる感染症がある?!ペットとのスキンシップで注意したい事を解説

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ペットと一緒に暮らすことには沢山の魅力がありますが、それと同時に健康上の危険をもたらすリスクもあります。ペットとのスキンシップによってどのような感染症を引き起こすことがあるのでしょうか。この記事では、ペットからうつる感染症を取り上げると共に、ペットとスキンシップをする際に注意したい点を紹介します。

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ペットからうつる感染症

病院で点滴をしてもらう患者

06photo/shutterstock.com

ペットからうつる感染症には様々なものがあります。

「カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症」

カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症は、主に犬や猫の口腔内に常在している3種類の菌、カプノサイトファーガ・カニモルサス、カプノサイトファーガ・カニス、そしてカプノサイトファーガ・サイノデグミを原因した感染症です。

犬や猫に噛まれたり、引っかかれたり、傷口を舐められたりすることで感染します。潜伏期間は1~14日程度で、発熱や腹痛、頭痛、倦怠感などの症状があらわれます。症状が重症化すると、肝不全や髄膜炎なども引き起こし、最悪の場合は多機能不全で命を落とす危険性もあります。

実際、発症した人の3割が亡くなっている恐ろしい感染症です。国内の犬の74~82%猫は57~64%の確率で保菌していると言われているので、ほとんどの犬猫が保菌していると言えます。

発症は稀ですが、口腔内に常在している菌ですので、キスや舐められることにも十分な注意が必要です。

「Q熱」

原因が特に思い当たらず、慢性的な疲労を感じ続けている場合は、猫が原因のQ熱に感染している可能性もあります。

Q熱は猫などの哺乳動物が保有しているコクシエラ菌の病原体が原因となる感染症です。

全身が倦怠感を感じたり、集中力の低下、腹痛などさまざま症状があらわれます。急性の場合は、インフルエンザに似たような症状が発症し、肺炎や髄膜炎などの炎症を引き起こすこともあります。

特に高齢者がかかりやすい感染症として知られています。

「パスツレラ症」

パスツレラ症は、日本の厚生労働省が犬や猫のペット動物由来人畜共通伝染病として警告を呼びかけている、人間と動物の共通感染症のひとつです。

牛や豚、鳥などの家畜類からも感染しますが、犬や猫、うさぎなどの身近なペットもパスツレラ菌を保有しています。特に猫の保有率は100%犬は約75%が口腔内に常在菌として保有しています。

また、猫の場合は爪にも約20%の割合で保有しているので、引っかかれても感染する可能性があります。

猫を飼っていて発熱があったり、足先にズキズキした痛みなどがあるようならパスツレラ症である可能性があります。キスなど舐められることよりも、噛まれたり、引っかかれたりすることの方が感染しやすいようです。

噛まれたり引っかかれた後、早い人は30分後通常は2~3時間後から患部が腫れ始めてきます。放置したままにすると、髄膜炎や気管支炎、肺炎などに症状が悪化する危険性もあるので注意しましょう。

「レプトスピラ症」

レプトスピラ症は、レプトスピラ症にかかっている動物のフンや尿などで汚染された土壌や水が体の傷や粘膜に接触することで発症する感染症です。

特にネズミが多い場所では、レプトスピラ症にかかったネズミのフンや尿などからうつる可能性があります。

犬や猫などのペットが感染してしまうと、それが人間に感染し、頭痛や発熱、筋肉痛、吐き気、下痢などの症状があらわれます。重症になると臓器の機能にも影響がでてきます。

「エキノコックス症」

エキノコックス症が主に北海道のキタキツネが感染源となっていますが、フンの中にエキノコックスの虫卵が排出されることで、放し飼いの犬に感染することがあります。

犬はグルーミングで自分のお尻を舐め、その舌で人間を舐めることで感染する可能性もあります。人間が感染した場合、5~10年かけて肝臓の機能が侵されていき、放置すると死亡すると言われています。

「トキソプラズマ」

トキソプラズマとは、トキソプラズマという原虫の病原体によって引き起こされる感染症です。

成人には感染の症状はあまりあらわれませんが、妊娠中にはじめて感染すると、トキソプラズマが胎盤を通り抜けて胎児に感染し、流産や先天性の病気を引き起こすことがあります。

日本では犬の10~30%猫の20~50%がトキソプラズマに感染していると言われています。

生の豚肉や猫のフンなどに含まれている可能性が高いので、排泄物を片付けるときは手袋をしたり、掃除後は手洗いうがいをしっかりして衛生管理をしっかり維持しましょう。

「ヘイルマンニイ」

ヘイルマンニイは、ピロリ菌の仲間の菌です。

胃炎や胃がんを発症させるピロリ菌は、胃炎患者の80%以上から検出される名の知れている菌ですが、ヘイルマンニイは1%未満という稀な菌です。しかし、犬や猫にはヘイルマンニイはよく見られる菌です。

キスや口移しでごはんを与えることなどから感染します。

「コリネバクテリウム・ウルセランス症」

コリネバクテリウム・ウルセランス症は、ジフテリアとよく似た症状が見られる感染症です。ジフテリア症は、ジフテリア菌によって引き起こされる病気です。

主な症状として毒素が心臓の筋肉や神経を侵すので、呼吸に必要な筋肉の麻痺による呼吸困難や心不全などがあらわれます。

コリネバクテリウム・ウルセランスは、このジフテリア菌の仲間の細菌なので、同じような症状があらわれるようです。

通常は牛や羊などの家畜に存在している菌ですが、稀に犬や猫などのペットに感染していることがあります。

もしペットの犬や猫が、皮膚炎や目や鼻、口などの粘膜の炎症を起こしているならコリネバクテリウム・ウルセランスに感染している可能性がありますので、早目に動物病院へ連れていきましょう。

ペットとスキンシップをするときに注意したいこと!

石けんで手を洗う人

Alexander Raths/shutterstock.com

大好きなペットにキスをしたり、添い寝することは、飼い主さんにとって精神的な癒しを与えますが、その反面、上記で見たような感染症のリスクも伴うので十分に注意する必要があります。

ペットから人間に感染する病気のほとんどは、動物病院で定期的な検診を行うことで早期発見、除去により感染リスクを予防することができます。

ペットの定期的な検診はペットの健康維持になることはもちろん、飼い主さんの健康を守ることにもつながります。ですから、定期的にペットの健康診断を受けるようにすると良いでしょう。

それに加え、ペットとスキンシップをする際には、以下の点にも注意しましょう。

・飼い主さん、特に小さなお子さんは、ペットとキスをしたり、一緒に寝ることなどを習慣にすることは控えること。

・ペットにキスされたり、舐められたりした部位は、石鹸を使ってよく洗うこと。特に傷口を舐められた場合は、すぐに洗うこと。

・ペットに引っかかれたり噛まれたりすると、その傷口から病原体が入り込み感染を引き起こす可能性があるので、流水を使って石鹸でよく洗うこと。その後、消毒液で患部を清潔にし、必要ならば医師の診察を受けること。

・ペットの排泄物に触った後や片付け後は、手洗いうがいをすること。出来れば、排泄物を処理するときは手袋を着用すること。

・ペットを動物病院へ連れていき、定期的に獣医師による検診を受けること。必要であれば寄生虫などを駆虫すること。また、ノミの駆除もすること。

まとめ

ペットからうつる可能性のある感染症についてみてきましたが、いかがでしたか?

犬や猫とのスキンシップから必ず感染するというものではなく、スキンシップが危険ということでもありません。しかし、どのような病気があり、どのような過剰スキンシップをすると感染するのかという知識を持っているなら、ペットとの楽しい生活を送ることができます。

それはペットの健康維持だけでなく、飼い主さんの健康維持にもつながります。是非、ペットとの適度な距離を保ちつつ、正しい方法でペットと接していくようにしましょう。

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