犬がイカやタコを食べても腰は抜かさない?含まれる成分や注意点を紹介していきます!

犬がイカやタコを食べても腰は抜かさない?含まれる成分や注意点を紹介していきます!

update

「猫はイカやタコを食べると腰を抜かす」と言われてきました。では犬はどうなんでしょうか?犬もイカやタコを食べると何らかの影響があるのでしょうか。飼い主としては正確に知っておきたい情報でしょう。イカやタコには毒性や有害物質が含まれているのか調べてみました!

update

アニサキスの危険性もある

病気になる犬

WilleeCole Photography/shutterstock.com

イカやタコを食べるなら、アニサキスの危険性も気になります。日本では魚介類の生食が文化に根付いているため、品質管理されているとはいえ、常にアニサキス症のリスクが付きまといます。そもそも、アニサキスとは何でしょうか?

アニサキスとは?

アニサキスとは線虫の総称で、主に魚介類に寄生しています。イルカやクジラなどの海生哺乳類を最終宿主としているものの、甲殻類や軟体動物、魚類にも寄生する感染範囲の広い寄生虫です。

最終宿主の排泄物から卵が放出され、海中で孵化してまずはオキアミなどに寄生します。さらに魚類やイカを中間宿主として成長した後、再びイルカやクジラなどの最終宿主に捕食された際に成虫へと成長します。

人間の体内ではそこまで成長できず、死ぬか排せつされるのが一般的です。

日本では、アニサキス症を引き起こすとして品質管理や衛生管理が徹底されているものの、検査や品質管理を逃れた個体や趣味で釣り上げた魚などに寄生している場合があり、発祥するリスクが常にあります。実際、日本では他国に比べて圧倒的な数のアニサキス症が発生しています。

アニサキス症とは?

このアニサキス症とは、アニサキス(主に幼虫)が魚介類の生食を通して体内に侵入し、激しい腹痛や嘔吐、時には肉芽腫や腸閉塞を引き起こす症状のことです。食中毒の一種として扱われており、診察した医師は保健所に届け出ることが義務化されています。

近年では、ノロウイルス等に次いで第3位の食中毒発生原因となっており、最近でも、群馬県の寿司屋で鯖寿司を食べた女性が腹痛と吐き気を訴え、医療機関を受診したところアニサキス症と診断された事例があります。

魚介類の生食を文化とする日本では、流通経路の複雑化により完全に防ぐことは出来ないのが現状です。不思議なことに、太平洋側で獲れた魚はアニサキス症発症リスクの高い寄生虫を有していますが、日本海側で獲れた魚はリスクの低い寄生虫を有しています。

症状を発症せずに体外に排出されることも多々あり、実際アニサキスが体内に侵入する例はもっと多いのではないかと言われています。

アニサキス症の症状

「胃アニサキス症」の場合、生食後数時間で上部腹痛や悪心、嘔吐を発生させます。胃内視鏡検査で虫体を検索し、多くは診断と治療を兼ねてそのまま摘出します。

人体症例では最も多いのがこの胃アニサキス症です。後述する腸や消化管外にまで達していないので、最も早期発見できるリスクの少ないアニサキス症だと言えます。

次に「腸アニサキス症」とは、文字通りアニサキスの幼虫が腸に達し、やはり腹痛や吐き気などを発生させる症状です。腸閉塞や腸穿孔を併発することがあり、手術を受けなければならないケースが多く見られます。

そして「消化管外アニサキス症」では、消化管を穿通したアニサキスが腸間膜や腹壁皮下などに移動し、肉芽腫を形成する症状を発します。アニサキスがどこに移動するかによって症状は変わりますが、ほとんどの場合外科的処置が必要になります。

最後に、「アニサキスアレルギー」ではじんましんなどの軽度な症状から、呼吸不全や意識小説などのアナフィラキシー症状を発生させる危険性があり、アレルギー症状全般を引き起こすことがあります。

アニサキスのアレルギーに関する原因は研究されている段階ですが、劇症型と緩和型に分けられ、以前にアニサキスに感染した経験のある人が発症することが多いようです。 1度目は特にアレルギー反応がなかった人でも、2度目はアナフィラキシーショックによる劇症型の反応を引き起こす可能性もあります。

今まで鯖アレルギーと呼ばれていたものは、実はアニサキスアレルギーだったのではないかと指摘されています。

アニサキス症の治療法

犬でも猫でも人間でも、アニサキス症を発症すると内視鏡でも検査や摘出、あるいは外科的な処置が必要になります。胃アニサキス症の場合、胃内視鏡でアニサキスの幼虫を確認しつつ、カメラの先端に付いた器具でつかみ取り摘出するのが一般的です。

大抵の場合、アニサキスの幼虫は胃壁に突き刺さったり噛み付いたりしており、胃の粘膜や胃壁が赤く変色し腫れています。腹痛や吐き気などの症状を引き起こすものの、すぐに医療機関を受診する人が多いため、無症状か軽傷で済む場合がほとんどです。

胃アニサキス症ではなく腸アニサキス症であった場合、腸閉塞などを起こせば開腹手術が必要になります。腸閉塞などの外科手術を必要とする症状を発しなかった場合、対症療法によってアニサキスが死亡・吸収されるのを待つしかありません。

アニサキスは人間の体内では成虫まで成長できないため、ほとんどすべてのケースで摘出か排出されるのを待つことで治療が完了します。アニサキス症に効果的な特効薬や治療薬は今のところありません。

犬や猫の場合も同じで、内視鏡か開腹手術でアニサキスを摘出するしかありません。

予防策としては、生食を避けるかしっかりと調理することが挙げられます。イカやタコはアニサキスの中間宿主であるため、潜伏してる可能性が高いです。

特に内臓に潜伏しているため、イカやタコの生の内臓は決して与えないようにしましょう。サケや鯖もリスクが高いようです。

いずれにしても、加熱調理か冷凍することで死滅、または感染力を失わせることができます。加熱する場合、60℃で1分以上、70℃以上であれば即死滅します。

冷凍の場合、マイナス20℃以下で24時間以上で死滅します。家庭用の冷凍庫はそこまで低温にできないため、少なくとも生魚を24時間以上冷凍庫に入れて感染力を無くし、内臓をすべて捨て魚肉も目視でしっかり確認することで、アニサキス症発症を可能な限り回避できます。

養殖の魚の場合アニサキスが感染することは基本的に無いため、リスクはほとんどありません。

醤油や酢などで処理してもアニサキスは死滅しないため、調理中に目視でしっかりと取り除かなければなりません。「よく噛めばアニサキスを死滅させられる」という意見もありますが、アニサキスを狙って十分に咀嚼する必要があるため、犬や猫にそれをさせるのは不可能です。

内臓を避け、加熱調理または十分な時間の冷凍処理によって、アニサキス症をほとんど防げるはずです。

犬にはダメ

rnl/shutterstock.com

イカやタコは有害になり得る

以上のような理由から、イカやタコを与えると病気になり得る危険性が指摘できます。イカやタコに毒があるわけではありませんが、ビタミンB1欠乏症やアニサキス症のリスクを考えると、その危険度もやはりはるかに高くなってしまうということです。

特に、人間より体格の小さい犬が過剰摂取すると、ビタミンB1欠乏症になるリスクは飛躍的に高まってしまいます。猫よりまだ耐久力があるとはいえ、無用な健康リスクは避けたいものです。

理想的なフードとは?

もっと食べたい犬

Javier Brosch/shutterstock.com

そもそも理想的なドッグフードとはどのようなものでしょうか?イカやタコに限らず、美味しい食材は無数に存在しており、無害でなければ愛犬にも食を楽しんでもらいたいと思う飼い主の方も少なくないでしょう。

当然、健康を維持しながら愛犬が食事を楽しむのが理想的です。それを叶えてくれるドッグフードはあるのでしょうか?

無添加であれば安全?

犬が生きていくのに必要な栄養素をすべて含んでいれば、それは理想的なフードになるはずです。しかし、現代の生産方法や流通経路では保存料や添加物を加えざるを得ず、そうすることで品質やコストパフォーマンスを保っています。

添加物の危険性はかねてより指摘されていますが、問題は“無添加への盲目的な信仰”にもあります。例えば、手作りフードは無添加の際たるものですが、栄養バランスが偏って逆に健康を損ねる場合があります。

犬の必須栄養素や生物学的な知識をすべて学んでおられる方ならいざ知らず、大半の飼い主は獣医師でも獣医学の専門家でも、動物学で博士号を取った博士でもありません。無添加にこだわり過ぎることで、特に害もなく有用な添加物を退ける結果にもなりかねないのです。

ビタミンやカルシウムは添加物として入れられていることがあり、それらが無ければ犬も健康を保つことはできません。

自然に含まれているものだけで必要な栄養素やエネルギーを養おうとすると、かなりの量を食べなければならなかったり十分に献立を考えてやったりする必要があります。そういった理由から、添加物全般を目の敵にするのではなく、必要な栄養素と不要な添加物をしっかりと知ることが重要となります。

まとめ

ドッグフードのパッケージは原材料が多い順に記されています。メインの材料や最も多い栄養素は何か、原材料表から読み取れるため、出来るだけタンパク質系の原材料が多いものを選ぶのも一つの方法です。

確かに、犬は炭水化物を人間のように消化する酵素を持ち合わせていません。そのため、炭水化物ばかり与えられていると肥満や栄養失調の原因となります。しかし、タンパク質だけを与えると今度は必要なエネルギーを得るのが難しくなります。

タンパク質は血肉になる栄養素ですが、体や脳を動かすエネルギー源として優れているのは炭水化物です。そのため、炭水化物をメインとしてエネルギーを確保しながら、タンパク質も十分に含んだフードを選ぶのが最善です。

ただし注意しなければならないのは、「ミール」「エキス」と書かれている場合です。量販店で販売されるフードはほとんどすべてがこれらを含んでいますが、特にミールと書かれているフードは安全性が確認できません。

有害と断定する必要もないのですが、ミールにはどんな原材料が含まれているのか判断できないのです。ミールは食肉だけでなく、血液や毛、骨、皮、内臓などもミンチにして含んでいる可能性があります。

同じく「肉類」「家禽類」なども、内容物が不明なため判断できません。これらが毒性を持っている訳ではないものの、もし原材料を明確にしたフードや他の選択肢があるのであれば、わざわざ原材料が不明なフードを選ぶ必要はないでしょう。

ご意見、ご感想ありましたらコチラ! この記事のコメントへ (0件)
桜 フォトコンテスト 全国のドッグラン一覧
編集部PICKUP
関連する記事

mofmo掲示板