歩き方で犬の気持ちが分かる?5つの歩き方から分かる犬の心理とは?
普段はあまり気にすることがない愛犬の歩き方ですが、実は歩き方から犬の心理や抱えているトラブルについて知ることができるのをご存知でしょうか。犬には大きく分けると5つの歩き方があります。ここでは犬の歩き方について詳しくまとめてみました!
愛犬が側対歩をする場合
Halfpoint/shutterstock.com
すでに説明した通り、体の同じ側の前足と後ろ足を同時に出して歩くことを側対歩と言います。オールドイングリッシュシープドッグなど一部の犬種を除いてはあまり見ることがない歩き方ですが、愛犬がこの歩き方をしている場合に考えられる心理を挙げてみます。
緊張している
人間も緊張している時に思わず右手と右足が同時に出てしまうことがありますね。犬の場合も同じで、緊張してドキドキしているために側対歩になることがあります。その場合は緊張だけでなくストレスがたまっていることもあるので注意して観察してあげましょう。
ストレスが原因で側対歩をしている場合は、軽く走ってストレスの発散をさせてあげるといいでしょう。ドッグランに連れて行ってあげるものいいかもしれませんね。ストレスが発散されて側対歩が改善されたとしたら一安心です。
疲れている
疲れているため少しでも体に負担にならないように側対歩になることがあります。側対歩は体をねじらないで歩くことができるので疲れにくいという特徴があります。省エネな歩き方を自然にしているということになりますね。
運動のし過ぎが原因で側対歩になることもあるので、その場合はゆっくりと休ませてあげましょう。また普段の運動量を減らすことも考えてください。
ケガや病気の可能性がある
ケガや病気が原因で側対歩になっている可能性もあります。例えば関節が弱くなっているので疲れやすく、省エネな歩き方の側対歩になっているという感じです。愛犬が家の中でも側対歩で歩くようになったら、「痛いよ~!」と訴えているのかもしれません。
また、痛みや違和感から体をかばうために側対歩で歩いているという可能性もあるので、愛犬の体に異常がないかチェックするようにしましょう。
側対歩を治したいとき
体に異常がないのに側対歩が癖になっているという場合があります。ケガや病気が原因であれば治療後に自然に斜対歩に戻るのが理想ですが、もしも側対歩が癖になって元に戻らないという場合はどうすればいいでしょうか。
側対歩を治したいときは一度愛犬を散歩に連れ出しましょう。側対歩になったらいったん止まって歩きなおします。正しい歩き方をしているときは褒めてあげましょう。それを繰り返していると側対歩が治るといわれています。
愛犬の歩き方が変な場合
KAZLOVA IRYNA/shutterstock.com
愛犬の歩き方が変だなと思ったら、そのままにしておかないで原因を探るようにしましょう。もしかしたらケガや病気が原因なのかもしれません。普段から歩き方をよく観察していると、ケガや病気の早期発見をすることができます。早期発見は愛犬が重症にならないための第一歩なので、特に注意深くありたいですね。
注意したい歩き方、そして考えられる病気について挙げてみます。
片足を引きずったりかばったりして歩いている
片足を引きずったりかばったりして歩いている時は、筋肉や骨格に異常があることが考えられます。捻挫や骨折、脱臼などが原因で足を引きずっているのかもしれません。膣骸骨骨折を発症すると、片足をかばうようにしてスキップのような歩き方になることがあります。また膝カックンをされたときのように膝が折れて倒れそうになることもあります。
股関節形成不全も痛みを伴うため歩き方で気がつくことがあります。大型犬に多いとされる病気ですが、股関節形成不全を発症すると、後ろ足を同時に動かしてウサギのようにピョンピョン跳ねて歩いたりします。これを「バニーホップ」と呼びます。
十字靭帯の損傷でも、体重を支えることができずに片足を引きずって歩いたり、ケンケンして歩いているように見えたりすることがあります。痛みのある足を使わないで歩こうとしているわけです。
片足を引きずったりかばったりして歩いている場合には、他にも骨肉腫、髄膜脳炎、レッグパーセス病、マダニ症などの病気にかかっていることが考えられます。痛くなくなったら治るだろうと放っておくのではなく、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。
フラフラして歩いている
歩いている時にフラフラしているなと思ったら、足に痛みを感じているというよりは全身性の異常でバランス感覚を失っているのかもしれません。
脊髄障害を起こすと、後ろ足と前足の両方に運動障害が発生することがあります。そうなると上手に歩けなくなりフラフラするようになります。また、小脳障害になると体が震えるようになり、足もガクガクして立っているのが難しくなります。歩こうとするとフラフラして転んだりするようにもなります。
前庭疾患の場合も、バランス感覚がなくなるのでフラフラと歩くようになります。頭が傾いてまっすぐ歩けなくなったり、同じ場所でぐるぐる回って歩いたりする症状が出ることもあります。
これらの他にも、愛犬がフラフラと歩いている場合に考えられる病気に、ガン、尿毒症、筋ジストロフィー、椎間板ヘルニア、副甲状腺機能低下症、白内障、網膜剥離、内耳炎などを挙げることができます。また、肥満や熱中症が原因でふらふら歩いているという場合もあります。
ものにぶつかりやすくなる
歩き方に自信がなさそうになってものにぶつかることが多くなった場合は、視力に問題があるかもしれません。考えられる病気としては、網膜剥離、白内障、緑内障などを挙げることができます。また、髄膜脳炎や水頭症、硬膜外血種などの病気が視力に影響を与えている場合もあります。
目が見えないため、床のニオイを嗅ぎながら歩くようになったりしますが、周りの様子が見えなくなってものにぶつかりやすくなります。だんだんと歩くのを嫌がるようになるかもしれません。また、おもちゃを投げても気がつかないということがあるでしょう。
歩くのを嫌がるようになる
足腰の痛みが激しいため歩くのを嫌がるようになるかもしれません。または胸が苦しい、息切れをするなどが原因で歩くのを嫌がることもあります。そうなると、散歩の途中で立ち止まるようになったり、歩くペースがだんだんと落ちてきたりします。
歩くのを嫌がるときは、フィラリア症、アジソン病、心不全、慢性肝炎、肝硬変、尿毒症、気管支炎、肺炎、肺気腫、胸膜炎などの病気が原因である場合があります。また、股関節形成不全、骨粗鬆症、椎間板ヘルニア、関節炎などの痛みが原因で歩くのを嫌がることもあります。
基本的に犬は散歩や運動が大好きな動物ですが、急に歩いたり運動したりするのを嫌がるようになったらこれらの病気が疑われるので動物病院での診察が必要になります。
後ろ足が動かなくなる
前足は動くのに後ろ足が動かなくなったという場合は、脳か脊髄に障害があるかもしれません。低血糖症や椎間板ヘルニアを発症すると、下半身が動かなくなることがあるといわれています。愛犬の後ろ足が動かなくなった場合は、これらの病気が原因かもしれません。
愛犬が歩かなくなったからといって、無理矢理歩かせようとするのはやめましょう。これらの病気が原因の場合があり、症状を悪化させてしまうかもしれないので、早めに動物病院で診察してもらって適切な処置を取ることが必要です。
息遣いにも注意しよう
歩き方だけでなく、愛犬の息遣いにも注意しましょう。散歩中にくしゃみや咳、息切れをしていませんか?いつもと様子が違う場合は何かの病気にかかっているかもしれません。何かおかしいなと気づいたら病気を疑うようにしましょう。早期治療によって重症にならないようにすることができます。
まとめ
Sinseeho/shutterstock.com
犬の歩き方について調べてみることができましたがいかがでしたか?ちょっとしたことかもしれませんが、家の中や散歩中に歩き方を観察するだけで、愛犬の心理を知ることができたり、何かの異常に気づいてあげたりすることもできます。
人間の言葉を話すことができない愛犬たちは、歩き方や動作で飼い主に何かを訴えかけているかもしれませんよ。「怒らないで!」「落ち着いて!」「痛いよ~!」「疲れた!」「あ~ストレスがたまる!」「苦しいよ~!」などと犬が言ったとしたらビックリしてしまいますよね。
実はそんなことを歩き方や動作で飼い主に訴えているのかもしれませんよ。愛犬の言葉を聞くことはできなくても、気持ちを観察してくみ取ることができたらいいですね。「駄々をこねてるだけだ」とか「わがままな犬だ」などと言わずに、愛犬の気持ちを察するように努力しましょう。
さて、今度から散歩のときは愛犬の歩き方に注目したいですね。どんな気持ちで歩いているのだろうかと考えるだけでも楽しくなりますよ!
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