犬は飼い主の声を聴き分けることができる！驚くべき能力を解析！

犬は飼い主の声を聴き分けることができる?

Javier Brosch/shutterstock.com

ワンちゃんは自分の飼い主さんの声を聞き分けることができるのでしょうか？飼い主さんから見れば、もちろん！と思われる方が多いと思いますが、果たしてそうなのでしょうか？そして、ワンちゃんはどこまで飼い主さんの言葉を理解しているのでしょうか？

今回そうした疑問の答えを探してみたいと思います。まずは、ワンちゃんの聴覚について調べていきたいと思います。

犬の聴覚について

ワンちゃんの聴覚は嗅覚の次に敏感な器官となっています。

私たち人間の平均的な聴力は20ヘルツから20,000ヘルツの範囲の音を聞き取ることができるようです。では一方でワンちゃんはと言いますと、平均で40ヘルツから65,000ヘルツと言われています。つまり、ワンちゃんは私たちよりも広範囲に音を聞き分けることが出来るということです。

また、ワンちゃんは1キロ以上も離れた音をも聞き取ることも可能性です。障害物のない空間では、それ以上の音を聞くことも可能なようです。

ワンちゃんはもともと人間に飼われる以前には、狩りをしながら過ごしていました。食物となる動物の鳴き声や足音を聞き分けて獲物かどうかを判断していたので、人間よりも聴覚の優れた動物なのではないかと言われています。

このように、遠くの音であったり、幅の広い範囲の音を聞き分けることができるワンちゃんですから、飼い主さんの声も聞き分けることも可能かもしれませんね。

犬は飼い主さんの声を聞き分ける事ができる

我が家で飼っているワンちゃんの話居なりますが、私が電話で家族と受話器越しで話したところ、首を傾げながら受話器の方を向いて不思議そうにしていました。周りをキョロキョロ見渡して、家族の姿を探している様子もありましたの。これを見ると、飼い主さんの声を認識しているのではないかと思えます。

ある実験結果でも、ワンちゃんは人の声を認識しているという証明がなされています。京都大学の研究グループによると飼い主さんの声を聞き分けているという研究結果になったようです。

その研究の内容は、飼い主さんと飼い主さん以外の人がスクリーンに映った姿と音声を流すという実験です。この研究では以下の4パターンを用意します。

1、飼い主さんの姿と飼い主さんの声。 2、飼い主さんの姿と飼い主さん以外の声。 3、飼い主さん以外の姿と飼い主さんの声。 4、飼い主さん以外の姿と飼い主さん以外の声

この4つのパターンをワンちゃんに体験してもらう実験です。そうすると、2と3の姿と声が一致していないパターンの時には、1と4の姿と声が一致しているパターンの時に比べて、ワンちゃんがスクリーンを不思議そうに見つめている時間が長かったようです。

このことから、飼い主さんから違う人の声がしたり、知らない人から飼い主さんの声がすることに対して違和感を感じていたという事が分かります。その他にも、聴覚が発達しているワンちゃんですので、飼い主さんの声以外にも認識できている音があるようです。

例えば、飼い主さんの足音です。飼い主さんの足音を聞きつけて、玄関先で飼い主さんをお迎えするという嬉しい事がよくありますね。京都大学ではさらに、ワンちゃんが飼い主さんの足音を聞き分けるのかどうかという実験をしたようです。

その研究とは、マンションの一室にワンちゃんを残して、知らない人と飼い主さんそれぞれに足音を聞かせてみるという実験です。以下のようなパターンが用意されました。

1、知らない人の足音を聞かせて、知らない人が部屋へ入ってくる。 2、知らない人の足音を聞かせて、飼い主さんが部屋に入ってくる。 3、飼い主さんの足音を聞かせて、飼い主さんが部屋に入ってくる。 4、飼い主さんの足音を聞かせて、知らない人が部屋に入ってくる。

このパターンで部屋に入ってきた人をワンちゃんが見つめる時間を比較して、ワンちゃんが、飼い主さんかどうかを判断できているか計測したようです。すると、知らない人の足音を聞かせる1と2の条件を比較すると、飼い主さんが部屋に入ってきた場合の方が見つめる時間が約2割長かったようです。足音で飼い主さんではないな…と判断したのに飼い主が入ってきた驚きで、飼い主さんを見つめたのではないかと考えられます。

しかし、飼い主さんの足音を聞かせると3と4の条件では、入ってきた人を見つめる時間にほぼ差はなかったようです。飼い主さんの足音がして、飼い主さんだったという喜びで見つめていた時間と、飼い主さんの足音だったのに飼い主さんではなかった驚きで知らない人を見つめている時間が一緒だったということです。

この実験から、ワンちゃんが飼い主さんの足音まで聞き分けているという事も分かりますね。他にも、飼い主さんの車の音まで聞き分ける子もいます。飼い主さんが、こっそり帰宅しようとしてもバレてしまうのは、ワンちゃんの聴覚が本当に優れているからなんですね。

では、次に、ワンちゃんは飼い主さんの言葉をどこまで理解できるのかという点を見ていきましょう！

犬は飼い主さんの言葉をどこまで理解できるのか？

ある研究では、ワンちゃんと人間の脳はよく似ていて、特に言語を処理する方法がかなり似ているようです。ボーダーコリー、ゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパード、チャイニーズクレステッドなどのワンちゃんによって実験したようです。人や他のワンちゃんが発する様々な声や叫び声などを聞いた時に脳がどのように反応するかを調べました。

その結果、人でもワンちゃんでも、脳の中で幸福感、恐怖感を表す声に反応する部分が、同じように活性化していることが分かりました。

その研究チームは、それぞれの飼い主さんが内容や言い方を変えて発した言葉を録音で聞かせ、褒め言葉を賞賛する口調で、中立的な言葉を中立的な口調で、褒め言葉を中立的な口調で、中立的な言葉を賞賛の口調で言ってもらったようです。この4パターンを使用したところ、ワンちゃんの脳の画像は左半球が単語に、右半球がイントネーションに反応していることを示しました。

このことは、飼い主さんの言葉、イントネーションもそれぞれ理解している事を示しています。こうしたことは、ワンちゃんが単語だけでなく、飼い主さんのイントネーションもよく見極めているということですから、心ここにあらずの状態で褒めたりしていても、それもワンちゃんはよく分かっているということです。

たしかに、我が家で飼っていたワンちゃんも、いつもは「おいで」と言うと尻尾を振りながらくるのに、何か悪さをして叱らなければいけない時、少し強い口調で「おいで」と言うと、全く来なかった…なんて事がありましたから、やはりワンちゃんは良く理解していると言えますね。

ワンちゃんの中で1番賢いと言われている犬種のボーダーコリーは、さらに優れているようです。訓練次第では、1000個ほどの単語も覚えられるようです。牧羊犬なので、単語を覚えて仕事をすることが求められるので、確かに単語1000個覚えるのは簡単かもしれせんね。他犬種でも、訓練しなくても200個から250個ほどの単語を覚えられるとされています。

しかし、長い言葉は覚えることはできませんので、何か教えたければ短い言葉や単語で話しかけてあげてくださいね。例えば、お散歩に行こう、ご飯だよ、オヤツ食べる？などと言うように話しかけましょう。ワンちゃんが好きな事の単語や短い言葉であればすぐに覚えるでしょう。

特に多く話しかけるようにしたいのは、ワンちゃんの名前です。ワンちゃんの名前を呼んであげればあげるほど絆は深まっていく事でしょう。ワンちゃんの名前を呼んでから、いい子だね〜とか、かわいいね〜という言葉を付け足してあげるなら、自分が可愛がってもらえている、飼い主さんから大切に思われていると実感でき、飼い主さんからの愛情もさらに伝わることでしょう。

さらに、単語や言葉をたくさん覚えて欲しいと思われる飼い主さんなら、家の中だけではなく、散歩中にも話しかけてあげましょう。例えば他のワンちゃんに会ったなら、その子の名前を呼んだり、天気がいい日に散歩ができているなら、天気がいいね〜、気持ちいいね〜、とか、雨の日だったら、雨やだね〜、濡れちゃうね〜など飼い主さんの気持ちを言葉に出してあげましょう。

その際に、顔の表情や声のイントネーションで感情を表してあげると、ワンちゃんと気持ちの共有が出来ることでしょう。

また、他のワンちゃんの飼い主さんの顔も覚えさせて、飼い主さん同士の会話に耳を傾けてもらうようにします。毎回同じ飼い主さんと散歩で出会うことが多いでしょうから、他の飼い主さんの言葉も覚えていくことになるでしょう。そうすると、どんどん飼い主さんが普段使わないような言葉も覚えていくことになります。

このように、ワンちゃんは私たち人間の言葉を理解できるという事が分かりました。そうであれば、こちらもワンちゃんの言っていることから、気持ちを理解してあげたいですね。では、次にどうしたらワンちゃんの気持ちを理解することができるのか見ていきましょう。