犬は迷子になっても家に帰ってこれる?犬の帰巣本能のメカニズムについて解説!

犬は迷子になっても家に帰ってこれる?犬の帰巣本能のメカニズムについて解説!

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一般的に「犬には帰巣本能がある」といわれています。一方「帰巣本能を持たない犬もいる」という説もあります。この記事では、犬の帰巣本能について解説していきたいと思います。

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帰巣本能とは?

匂いを嗅ぎながら歩いている犬

pixabay.com

帰巣本能とは「自分のテリトリーや家族と離れてしまった時にその場に戻ること」や「本来の自分の生活圏に戻ること」を意味します。この能力は「本能」という言葉の通り、経験や学習などによって身につけるものではなく、生まれながら組み込まれているものということができます。

帰巣本能は体内時計や生態磁石・嗅覚などの体の器官をフル活用して発達します。

全ての犬が帰巣本能を持っているわけではない

帰巣本能には個体差があるとされています。本来生まれながら持った能力とはいえ、もともとは「環境と共に順応して変化してきた能力」ともいわれています。つまり、全ての犬が同じように帰巣本能で飼い主のもとに帰れるわけではないのです。

一例をあげると、毎日同じ散歩コースしか歩かない犬はあまり帰巣本能が強くない可能性があります。普段は家で生活していて、あまり考えずに同じコースを散歩しているので、知らない場所に行くと帰るどころか恐怖心でどうしていいか分からなくなってしまいます。このために帰巣本能が発達しないのです。

また、犬種によっても帰巣本能の程度はいくらか異なります。例えば「柴犬は帰巣本能が強くシベリアンハスキーは低い」といわれています。しかしこれも個体差があり、あくまでも統計上の話です。

犬の帰巣本能の仕組み

犬の鼻

pixabay.com

犬の帰巣本能については色々と議論があります。それでも、生来備わっている他の能力から帰巣本能についていくらか分かることがあります。ここでは帰巣本能のメカニズムについてご紹介します。

嗅覚

犬の嗅覚はとても敏感で、匂いで飼い主さんと違う人を見分けられるほどです。この鋭敏な嗅覚を使うことで、風に乗って運ばれてきた「覚えのある匂い」を辿って目的地に帰れる可能性があります。

湿度が多いほうが匂いをキャッチしやすいので、乾燥地帯にいる犬よりは湿気が多い地域の犬の方が、この能力を使いやすいとされています。

ナビゲーション能力

動物たちは体内に組み込まれた感覚で方向や距離を測っているとされています。犬も例外ではありません。体内の感覚や自然界の色々な物を利用して帰巣本能を発揮する可能性があります。

一例として、犬は正確な腹時計を持っています。実際、犬はだいたい同じ時間にご飯を要求します。このように犬の体内には色々なものを感知する能力が組み込まれているため、帰りたい場所に帰るGPSのような機能が働くと考えられます。

地磁気による方向感覚

犬が排泄をする時にグルグル回る姿はよく目にする光景です。実はこの行動には地球の磁場が関係しています。犬には磁気を感知する能力があるようで、この能力を利用して方向を見定めて元に居た場所へ帰れるともされています。

犬以外に帰巣本能がある動物

鳩

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帰巣本能があるのは犬だけではありません。米粒ほどの小さい生き物でも帰巣本能が備わっていることがあります。ここからは帰巣本能を発揮する動物をいくつかご紹介します。

日本では伝書鳩として使われたことがあるほど、鳩の帰巣本能は有名です。鳩も「電磁波や太陽の位置などを把握して自分の位置をキャッチしている」といわれています。

「犬よりも猫の方が帰巣本能がある」という意見があります。「外で飼っている猫がご飯の時だけは家に帰って飼い主さんに甘える」という行動を見ると、この説には信頼できる裏付けがあるように思えます。

サハラ砂漠アリ

アリはとても小さい生き物ですが、サハラ砂漠アリの行動範囲は半径500メートルの広範囲に及ぶとされています。この範囲を移動する時は、なんと歩数で距離を測り、太陽の位置で方向を認識していると考えられています。

過信しない

散歩している犬

pixabay.com

「犬が長旅をして飼い主さんと再会した」といった感動的なエピソードを聞くと「自分も同じ経験をしてみたい」と思う方が出てくるでしょう。あるいは「犬には帰巣本能があるし、うちの犬は賢いから迷子になっても帰ってこれる」と思う方もいるでしょう。

しかし、冒頭でも述べたように、全ての犬に帰巣本能が備わっているわけではありません。どの犬でも必ず家に帰れるわけではないのです。また、たとえ優れた帰巣能力があったとしても、交通量の多い道路など移動にはいろいろな危険が伴います。

そのため飼い主さんは犬の帰巣本能を過信するべきではありません。まずは、愛犬が迷子にならないように対策をしてください。散歩の時には、自分から離れていかないようにリードで繋ぐ必要があります。

万が一迷子になってしまった時に備えて迷子札をつけておいたり、マイクロチップを埋め込んだりなど、事前に対策をしておくと犬も飼い主さんも悲しい思いをすることを防ぐことができます。

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