犬が過剰摂取すると危険な食材って何?中毒になる原因や症状を詳しく解説!

犬が過剰摂取すると危険な食材って何?中毒になる原因や症状を詳しく解説!

update

犬でも猫でも、あるいは人間でも、ある種の食品を過剰に摂取してしまうと中毒症状に陥ったり、最悪の場合死に至ったりする危険があります。では犬の場合、過剰摂取すると危険な食品にはどんなものがあるでしょうか?ここではおもに3つの食材を取り上げます。中毒になる原因や症状について詳しく解説していきます!

update

危険な食材―3.水

泳ぐ犬

Wasitt Hemwarapornchai/shutterstock.com

犬にとって、実は危険でありながら意外なほど知られていないものについても触れておきましょう。それは水です。

当然犬も水を飲まないと死んでしまうため、「どのように犬が水で中毒症状を起こすのか」と不思議に思われる方もいることでしょう。夏場や運動中に見過ごされがちな水中毒とは何でしょうか?

水中毒とは?

水中毒とは、大量の水分摂取によって起こる、体内の水分調節機能が狂ってしまう症状です。これにより血中のナトリウム濃度が異常に低下し、低ナトリウム血症やけいれんなどを発生させます。

水を処理するのは腎臓の機能ですが、腎臓の処理能力を超えて水分を飲むことで、体内の細胞が膨張してナトリウム量が欠乏します。水中毒が発生するのは夏場が最も多いようです。

暑く喉が渇きやすい季節であり、運動していると余計に水を飲みたくなるからです。海や川で犬を遊ばせている最中に、水の中に何度も入ることで知らず知らずのうちに飲んでしまっていたというケースもあります。

なんと犬が川やプールで溺れる原因の多くは、窒息というよりは水中毒による運動機能の低下であると言われています。何かを口に加えて泳ぐことで、自然と口の中に水が流れ込んでしまい、その時間や回数が多いことで水中毒を発症します。

ホースで水を勢いよく飲ませることやスプリンクラーで遊ばせること、潜るのが好きな犬を放置したり、潜って何かを取らせたりすることによっても発生するという報告が世界各地から寄せられています。

水中毒の症状

水の過剰摂取でナトリウムが不足すると、疲労感や倦怠感、ふらついて歩行できなくなるなどの症状が発生します。けいれんや呼吸困難、よだれの過剰な分泌や嘔吐、多量の尿なども見られるでしょう。

海で喉が渇いた場合、今度は高ナトリウム血症という真逆の症状が発生しやすくなります。海水を飲むことで血中のナトリウムが急上昇し、やはり昏睡状態や脂肪に至る危険性があります。

水中毒を防ぐには

犬は自分で時間の管理や体力の調整を行うことができません。特に、フェッチ(投げたものを犬が取ってくる遊び)や追いかけっこなど、犬が楽しいと感じる遊びの最中は夢中になって限界まで遊んでしまいます。

喉が乾けば本能のままに水分補給し、ナトリウムの濃度や夏バテを警戒することもありません。

水中毒を防ぐには、やはり飼い主が責任を持って犬の体調を管理してやるほかありません。猛暑日でないとしても、春先の温かい季節や暑がりの犬など、いくつかの条件が重なって発生することも十分に考えられます。

疲れすぎや水の飲み過ぎ、川やプールで口を開けて泳ぐことなど、いくつかのポイントを注意して管理してやる必要があるでしょう。

休日や旅行中に、子どもと犬を遊ばせているうちに犬が動かなくなってしまい、慌てて最寄りの動物病院に駆け込んだものの死んでしまった、という悲しいケースも珍しくはありません。

日本を含め、世界中で毎年数えきれないほど発生する犬の水中毒に、飼い主が率先して危機管理していくことが求められています。

カロリー、ミネラルの過剰摂取も犬にとっては危険

食べ過ぎてませんか?

Javier Brosch/shutterstock.com

最後に、栄養素全体のコントロールについてご紹介します。フードやおやつから摂取するカロリーやミネラルは、犬の健康を保つうえで不可欠です。しかし、過剰摂取はやはり健康リスクを助長し、愛犬をその後の長きにわたって苦しめてしまう危険性をはらんでいます。

「よく食べるから」「しつけやご褒美のため」と、つい多めに与えたりしがちですが、犬の健康をむしばむ過剰摂取について少しご説明しましょう。

カロリー、ミネラルを過剰摂取すると?

成長期や個体差によって、犬はより多く食べることがあります。全体のカロリーやミネラルそのものは犬が生きていくうえで必要なエネルギーや栄養素です。

しかし、カロリーやミネラルの過度な摂取は関節や骨格を傷める原因になります。カロリーを摂取しすぎると筋骨格が早く成長し過ぎることになります。

筋肉が成長するのは良いことなのですが、その反面関節や体重を支える部分の成長が追い付かないため、関節系の疾患を引き起こすことになります。軟骨の炎症やヘルニア、関節形成不全症などの疾患を患ってしまうと、満足に歩いたり走ったりすることはできなくなります。

ミネラルの過剰摂取も問題です。ドッグフードやミネラルウォーターなど、身近に溢れたものでミネラルを過剰摂取してしまうことがあります。見たり触ったり出来ない栄養素の問題であるだけに、口に入れるものに関して十分な注意や栄養学的な知識が求められます。

ミネラル過剰摂取による代表的な問題は結石でしょう。ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム)と言われる、マグネシウムを含む化合物による結石は広く蔓延した疾患であり、排尿時の痛みだけでなく、尿路感染症など新たな疾患を発生させるリスクもはらんでいます。

薬物治療や手術で除去することは可能なものの、それには多大のエネルギーや時間、費用が必要です。カルシウムを過剰に摂取している場合、肥大性骨形成異常や整形外科的問題などの問題が発生します。

詳しい原因や関連する情報は未だ解明中ですが、適切な食事を与える以外の対策はありません。

まとめ

病気になる犬

Javier Brosch/shutterstock.com

他にも、チョコレートやキシリトールガムなど、犬にとって致命的な食品は幾つもあります。いずれにしても、飼い主がいつも注意して犬の食べるものを管理してあげることが重要です。

おやつやご褒美としてついいろいろ与えたくなるものですが、犬が食べるのは一定以上のドッグフードのみで十分です。犬の健康や病気については、未だにすべてのことが分かっている訳ではありません。

犬の病気に関しては特に、人間が外見から分かる発見や対症療法によって理解してきたという側面もあり、現在分かっていることでさえ後から間違いだったと分かったということもあるでしょう。

健康的な食事を与え、適度に遊ばせながら、余計な食材やご褒美はあげないようにしてください。少しでも愛犬が長生きしてくれることを望むのであれば、健康的なリスクを抱えるものを避けるのが賢明です。

「遊んでいる最中に」「ちょっと目を離したすきに」「悪ふざけのつもりで」愛する犬が死んでしまったというケースは後を絶ちません。飼い主のちょっとした注意で防げるのであれば、やはり死に至りかねない危険は避けるに限ります。

ご意見、ご感想ありましたらコチラ! この記事のコメントへ (0件)
桜 フォトコンテスト 全国のドッグラン一覧
編集部PICKUP
関連する記事

mofmo掲示板