犬も落ち込むことがある?!落ち込む原因としぐさを知って適切な対応をしよう

犬も落ち込むことがある?!落ち込む原因としぐさを知って適切な対応をしよう

update

人間が落ち込む時があるように、犬も感情的に落ち込むことがあります。犬はどんなことで落ち込むことがあるのでしょうか?その原因について解説します。また落ち込んでいるかどうかを見極めるためのしぐさや、犬がかかる心の病についても取り上げます。

update

犬が落ち込んだ時にするしぐさ

上目づかいで見る犬

violetblue/shutterstock.com

犬が落ち込んでいる時に見せるしぐさには、どんなものがあるのでしょうか。代表的なしぐさをいくつか解説します。実は、普段からよく愛犬がしているしぐさが、落ち込みのサインだったということがあるかもしれません。

落ち込んでいる時のしぐさ①背中を丸める

しょぼん、と背中を丸めて座っている場合、それは落ち込んでいるサインかもしれません。特に、おびえるような様子で落ち込んでる際には背中を丸めることが多いようです。

例えば、飼い主に叱られたときに飼い主が怒っている様子を怖いと思っていたり、悪いことしてしまってこれから怒られるだろうなと想像していたりと、不安を感じているときにこのしぐさをしていることが観察されます。

飼い主に嫌われていないかと思って落ち込んでいるときにもこのしぐさが見られます。

落ち込んでいるときのしぐさ②飼い主を上目遣いで見る

愛犬を叱っているときに、いかにも反省している姿勢を見せるかのように上目遣いで見られたことがあるかもしれません。かわいい愛犬にそんな顔をされると、つい、叱っているのにかわいいなと思ってしまいがちです。

背中を丸めるしぐさとセットで見られるのが、上目遣いで飼い主を見るしぐさです。

ちなみに、反省しているように見えるこのしぐさですが、犬は本当の意味で反省するということがありません。そのため、悪いことをしてしまって申し訳なく感じているのではなく、恐怖や嫌だと思っている感情がこのしぐさに表れているだけです。

この上目遣いのかわいさに促されて叱るべきところを甘やかしてしまうと、賢い犬は上目遣いで飼い主は許してくれると悪い方向で覚えてしまうこともあります。ですからかわいさに負けずに、叱る時はしっかりと叱りましょう。

叱った後はしっかりかわいがってあげるようにして、オンとオフをしっかり分けて使いましょう。

落ち込んでいるときのしぐさ③必要以上に地面のにおいを嗅ぐ

最初の二つのサインは叱られているときに愛犬がよく見せるしぐさですが、地面のにおいを必要に嗅ぐ姿は、何かに失敗してしまったときに見せるサインです。

前はできていたのに、何もないところで転んだ、などの老化による失敗でもこのしぐさが見られます。

また老化に由来する失敗だけでなく、恥ずかしさを感じるような失敗をして落ち込んでいるときも、必要以上に地面のにおいを嗅ぐことがあります。

ちなみに地面のにおいを嗅ぐことには自分の気持ちを落ち着かせようとする効果があるようです。

落ち込んでいるときのしぐさ④しっぽを噛み続ける

落ち込むようなことがあったことで不安を感じ、ストレスを感じている場合には、しっぽを噛み続けることがあります。

しっぽを噛み続けるのは、気を紛らわすために行う行為だと言われています。

ただし、しっぽをあまり噛み続けると皮膚に影響が出てしまったり、噛む癖がついてしまうと毛が抜け落ちてしまう危険もあります。あまりにも噛み続けているようであれば止めましょう。

落ち込んでいるときのしぐさ⑤壁を引っ掻き始める

突然、壁を引っ掻き始める行為は、自分の気持ちを紛らわすための行為です。落ち込んでいる気持ちをふっきるために、無心になって何かを引っ掻くのです。

壁だけでなく、地面に穴を掘るかのようなしぐさも行うことがあります。

このしぐさは、野生時代の犬の習性と関係していて、本能的な動作を繰り返し行うことで、落ち込んだ気持ちから意識を本能的な動作に向けようとしていると考えられています。

気持ちがまぎれるのはいいことですが、飼い主としては壁を引っ掻かれてしまうと傷がついて困ります。このような行動を見かけたら、おもちゃで一緒に遊んであげたり、散歩に連れていったりすることで、本能を満たしてあげることができます。

落ち込んでいるサインを見つけたら

落ち込んでいる犬の隣に座る飼い主

Sjale/shutterstock.com

まずは普段からよく行動を観察して、落ち込んでいることを飼い主が認識することが大切です。

その上で、落ち込んでいる原因となることを予想して、原因を解消できるよう助けてあげることも必要です。

そして、人間が落ち込んでいるときに、誰かの関心や愛情を感じると元気になるように、犬も落ち込んでいるときに飼い主がそばにいて、大切に思っていることや愛情を伝えてあげることが落ち込みを克服する上で効果的です。

普段から愛犬のために時間をとってコミュニケーションをとるようにしておくことで、そもそも落ち込むことを避けられるかもしれません。

犬もうつ病になることがあるか

自分のしっぽを追いかけ回す犬

sirtravelalot/shutterstock.com

わたしたち人間の中では身近な病気として認識されているうつ病ですが、犬もうつ病にかかることがあるのでしょうか。人間の場合は、落ち込んだ状態が長く続き、最悪の場合、死にいたる(自殺)こともある精神的な疾患です。

うつ病と診断するためには、患者がどんな気持ちでいるのかを知る必要があります。深く落ち込むきっかけとなることは何か、頻度、どの程度落ち込むのかと言ったように、心の中の状態を医師が知る必要があるのです。

しかし犬は言葉を話すことができません。つまり、犬がどんな気持ちでいるのかを正確に判断することは不可能です。

したがって犬もうつ病にかかるかどうか、今の医療や技術では判断することができません。もしかしたら、うつ病の犬もいるかもしれませんが、心の中を知るすべがないので、うつ病という診断を下すことができないのです。

ただし、心の病にかかる犬が存在することは分かっています。犬がかかる心の病をいくつか紹介します。

犬がかかる心の病①分離不安

前にも説明したとおり、群れで行動していた犬は、基本的に一人でいることを好みません。

それで、子犬時代に長期間のお留守番をさせたれたり、飼い主の都合で何度も飼い主が変わったりした経験を通して、分離不安になってしまう可能性があります。

分離不安になると、一人でいるときに問題行動を起こすようになります。

例えば、留守番で一人残されることが不安で、留守番中に吠え続けて近所に迷惑をかけるようになってしまったり、家の中のものを壊してしまったりして、問題行動を起こすようになります。

ひどくなると、飼い主がお風呂に入ることに対しても不安を感じるようになってまいます。

犬がかかる心の病②常同障害

自分のしっぽを追いかけ続けたり、皮膚を舐め続けたり、毛をむしり続けたたりする行動をとるようになり、ひどい時には自分の体を痛めつけるまで、ひたすらその行動を繰り返します。むしろ、この行動をしていないと落ち着かないと言った状態に陥ってしまいます。

これは、人間でいうところの強迫性障害という病気に似ています、例えば手の汚れが気になって何度も手を洗ったり、外出するときや寝るときに戸締りが気になって何度も何度も確認しに行く、と言った症状が有名です。

ちなみに、人間の場合は強迫観念が原因となり引き起こされているので、強迫性障害という名前がついていますが、犬にとって強迫観念があるかどうかを確認することが不可能なので、常同障害という診断名が使われています。

犬の心の病気の対処方法

動物病院で診てもらう犬

didesign021/shutterstock.com

心の病気は、犬が強い不安を感じることで引き起こされると言われています。不安な気持ちが原因で心に病を抱えるようになり、症状として、物を破壊したり吠え続けたりする問題行動を引き起こしています。

問題行動を起こしたからと言って、心の病を抱えている犬を叱ってしまうと、より症状が悪化してしまいます。人間で言うと、うつ病の人に「がんばれ」と言ってしまうようなものです。

愛犬に心の病の兆候がある場合、動物行動治療の獣医師が対処することができるので、気になる方は一度診てもらってもいいかもしれません。

ちなみに、治療としては抗うつ剤を打って不安を和らげることがあります。犬が抱えている不安な気持ちを落ち着かせるために使います。人間用の抗うつ剤を自己判断で使うことは絶対に避けてください。抗うつ剤にもさまざまな種類があり、副作用もさまざまな上に、人間に使う場合と犬に使う場合では違う作用が出る可能性があり危険です。

まとめ

人間と同じで、犬もさまざまな原因によって落ち込むことがあります。

叱られたとき、失敗してしまったとき、飼い主が他の事に集中してかまってくれないとき、期待通りの事が起きなかったときなど、さまざまな原因が考えられます。

愛犬が落ち込んでいるか判断する上で、落ち込んでいるときにするしぐさを知ることは効果的です。

背中が丸まっている、上目遣いで飼い主を見つめる、地面のにおいを嗅ぐ、壁を引っ掻き始めるなど、落ち込んでいる時には気持ちを静めたり、他に注意を向けさせるための動作を行います。

落ち込んだ状態が続くと、心の病にかかり、問題行動を起こすようにもなります。

愛犬が落ち込んでいることが分かったなら、すぐに原因を考えて取り除き、愛情を感じられるように接してあげましょう。

ご意見、ご感想ありましたらコチラ! この記事のコメントへ (0件)
桜 フォトコンテスト 全国のドッグラン一覧
編集部PICKUP
関連する記事

mofmo掲示板