【獣医師監修】犬にたまねぎはNG!致死量ともしも食べた時の対処法!【2023年版】

【獣医師監修】犬にたまねぎはNG!致死量ともしも食べた時の対処法!【2023年版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

犬にとって玉ねぎは、中毒症状を起こす危険な食材なので、絶対に犬に与えてはいけません。ここでは、犬が玉ねぎを食べてしまった時に出る症状や、玉ねぎを食べてしまった時の対処法について解説します。

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犬に玉ねぎを与えてはいけない理由とは

犬と玉ねぎなど犬にとって危険な食べ物

Monika Wisniewska/shutterstock.com

玉ねぎには、「有機チオ硫酸化合物」という成分が含まれています。犬はこの物質を消化する酵素を持っていないので、犬にとって中毒物質となります。

また、玉ねぎをはじめ、ネギ類(長ネギ、青ネギ、にんにく、ニラ、らっきょう、わけぎ、あさつきなど)には、「アリルプロピルジスルフィド」という有機硫黄化合物が含まれています。この物質が、有機チオ硫酸化化合物の吸収力を高めることで、中毒症状を起こすとされています。これらの中毒物質が犬の体内に入ると、赤血球のヘモグロビンが酸化し、溶血性貧血を引き起こします。

犬が玉ねぎを食べてしまった時の症状

元気のない犬

pixabay.com

犬によって症状のあらわれ方は異なりますが、犬が玉ねぎを食べてしまうと、以下のような中毒症状が出ることがあります。

  • 元気がない
  • 心拍数や呼吸数の上昇
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 発熱
  • 痙攣や震え
  • 貧血
  • 血尿
  • 血便
  • 粘膜色の異常
  • 黄疸
  • 吐血

これらの症状が見られる場合、犬が玉ねぎを食べている可能性が考えられます。ただし、玉ねぎを食べてすぐに症状があらわれる場合もあれば、1日~数日後にあらわれる場合もあるので注意してください。

犬に危険が及ぶ致死量

新鮮な玉ねぎ

pixabay.com

犬の玉ねぎ中毒に関して、はっきりとした致死量は分かっていません。しかし、体重1kgあたりの犬に5g~10g以上玉ねぎを与えると体調不良を起こすと言われています。また、体重1kgあたりの犬に30gの玉ねぎを3日間与えた結果、重度の中毒症状があらわれ、死に至ったという研究も報告されています。

この結果を参考に、犬に危険が及ぶ玉ねぎの摂取量を、犬の体重別にまとめてみたいと思います。

超小型犬の場合

超小型犬とは、体重が4kg未満の犬のことです。チワワやトイプードル、ヨークシャテリア、ポメラニアンなどが超小型犬の中に含まれます。

超小型犬の場合、15g以上の玉ねぎを食べると溶血性貧血を起こして、死に至る可能性が高くなります。

小型犬の場合

小型犬は、体重が10kg以下の犬種のことをいいます。小型犬の代表的な犬種として、ミニチュアダックスフンドやシーズー、柴犬、パグなどが挙げられます。

小型犬の場合、25g~50g前後の玉ねぎを食べると、致死量になる可能性があります。

中型犬の場合

中型犬とは、体重が25kg以下の犬のことです。例えば、ウェルシュコーギーやボーダーコリー、ビーグル、フレンチブルドッグなどがいます。

中型犬が55g~125g前後の玉ねぎを食べると、致死量になる可能性が高くなります。

大型犬の場合

大型犬は、体重が25kg以上の犬のことをいいます。代表的な犬種として、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバー、サモエド、シベリアンハスキーといった犬を挙げることができます。

体重40kgの大型犬であれば、200g(玉ねぎ約1個分)が致死量となります。犬の体重や犬種によって個体差があるとはいえ、愛犬が玉ねぎ中毒を起こすリスクを抱えるよりも、玉ねぎを与えない方が賢明といえるでしょう。

子犬の場合はさらに要注意

子犬を飼っている場合は特に、玉ねぎの誤食や、玉ねぎが入った料理の盗み食いに気をつける必要があります。子犬は、消化器官機能が未発達なので、少量であっても中毒症状を引き起こしかねません。最悪の場合、死に至る危険もあるので注意が必要です。

犬が玉ねぎを食べてしまった場合の対処法

動物病院で診てもらっている犬

pixabay.com

犬が誤って玉ねぎを食べてしまったとしても、慌てず落ち着いて対処するようにしてください。まずは、口の中に玉ねぎが残っているならすぐに取り除き、濡れたガーゼなどで歯の隙間もよく拭いてあげましょう。

そして、すぐにかかりつけの動物病院に連絡し、獣医師の指示に従ってください。その際は、「いつ食べたのか」「どのくらいの量を食べたのか」「どれくらいの時間が経過しているか」「どのような症状が出ているか」など、具体的に伝えるようにしましょう。決して自己流で吐かせようとしたり、症状が出ていないからといって放置しないでください。

玉ねぎは加熱しても与えてはダメ

玉ねぎは加熱調理したものや加工されたものであれば、犬に与えてもいいのでしょうか。

結論からいうと、加熱されたものであっても犬に与えてはいけません。なぜなら、犬にとって中毒となる「アリルプロピルジスルフィド」は、加熱や加工をしたとしても変化することはないからです。加熱した玉ねぎでも生の場合と同じ様に中毒症状を引き起こします。

ゆえに、少量であっても、コロッケやハンバーグなど玉ねぎを使用した食べ物は絶対に犬に与えないでください。すきやきや味噌汁なども玉ねぎの成分やエキスが溶け出しているのでNGです。

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