せっかく覚えたのになぜ?愛犬がおしっこに失敗する心理と対処法

せっかく覚えたのになぜ?愛犬がおしっこに失敗する心理と対処法

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せっかくトイレトレーニングが終わったと思ったのに、覚えてくれたはずのおしっこやウンチを再び失敗するようになる犬もいます。その理由を推測し、効果的なトレーニングを再び施すことを目指しましょう。また再びトイレトレーニングを行う時どんな点に注意できるでしょうか?愛犬のしつけに役立つ情報を紹介します!

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なぜ犬は叱られるとダメなのか

怒られて泣いてる?犬

SeventyFour/shutterstock.com

ここで、なぜ叱ってはいけないのかについて考えてみましょう。ワンちゃんの脳にも、人間と同じように記憶を管理する分野があります。

ハンガリーで最近行われた研究では、「犬は過去の記憶を思い出す可能性があり、意外なほど詳細な点まで覚えていると考えられる」とされています。

つまり、ワンちゃんは叱られたり褒められたりした記憶を長く保管している可能性が非常に高いため、叱ってしまうとそれもずっと覚えてしまうかもしれません。

ワンちゃんにも、短期記憶と長期記憶の領域があります。短期記憶は数十秒程度の記憶を保持する領域で、特に自分が直前にした行為を覚えていることが多いようです。

そのため、おしっこに失敗した場合はすぐに教えてあげなければ忘れてしまうことになります。家に帰ってきて、おしっこした場所に連れていって叱ったとしても意味がないのはそのためです。

むしろ怒られたことにより、おしっこすると怒られると覚えてしまうでしょう。

このように、ワンちゃんは連想して記憶するのが非常に得意です。短期記憶で多くのことを覚えていないにも関わらず、何かと何かを結びつけるといつまでも覚えていたりすることがあります。

これには、飼い主の姿や声、香り等を結びつけること、繰り返し教わった「おすわり」や「お手」などのコマンドも含まれます。これを応用して、“褒められて嬉しかった記憶”をおしっこと結び付ければ、飼い主が見ていなくてもおしっこを指定の場所で行うようになります。

そういった理由から、おしっこに繰り返し失敗したとしても叱るべきではないのです。

認知症でおしっこに失敗することも

認知症で物忘れが激しくなったため、おしっこに失敗してしまうというケースもあります。そのため、普段からワンちゃんに異変がないか気にかけてやることが必要です。

同じところを何度もグルグルと回るように歩いたり、夜泣きや徘徊癖が出てきたりといった症状は認知症の可能性があるため、診察を受けるのが望ましいでしょう。

そのようなケースでは特に、叱るという行為は「より理不尽で理解できないコマンド」として映ってしまいます。ワンちゃんの状態を見極めながら、体調や加齢による変化に応じて可能なトレーニングを施すようにしてください。

トイレトレーニングに再び取り組む

トイレシートの上でするのかな?

Gladskikh Tatiana/shutterstock.com

ここまでトイレ失敗に伴う幾つかの理由や背景を考えてきましたが、ここで実際にトイレトレーニングを再び行う方法をご紹介します。

再開する特別な方法はありません。最初にやっていたのと同じ方法で、決められた場所でトイレするのが良いことだと覚えてもらうしかないからです。トイレトレーニングには幾つか段階があります。

トイレする場所を見極める

まずはゲージやハウスを柵で囲い、その中にトイレシートを敷き詰めます。こうすることで、何も知らないワンちゃんがどこで粗相しても汚れないことになりますが、同時に「どのシートの上で排せつするか」を見極めることができます。

ワンちゃんが清潔好きという性質を考えると、ハウスや寝床から最も離れたシートにおしっこする可能性が高くなります。いずれにしても、そのうちおしっこするシートと、そうでないシートが分かれてくるはずです。

ここで注意しなければならないのは、おしっこしたらすぐにシートを交換することです。清潔好きなため、複数のシートが汚れていると色んな場所におしっこするポイントを変えてしまい、トレーニングの意味がなくなってしまいます。

おしっこしたのであれば、そのシートが可能な限りすぐに交換しましょう。

おしっこするタイミングも重要です。大抵は食事の後や運動後、水を飲んでしばらくしてからなど、おしっこするタイミングはある程度決まっています。

おしっこするタイミングでトレーニングするのが最も(そして唯一)効果的であるため、ワンちゃんがおしっこするタイミングを知るように心掛けてください。

トイレする場所を決めていく

特定のシートの上でおしっこするようになれば、今度はおしっこしないシートを片付けていきます。

自分の寝床にはおしっこしないため、少しずつシートの数を減らしていき、最終的にトイレシートと寝床以外は何もない状態を目指します。寝床に近いシートから除いていきましょう。

早ければ1週間で身に付くワンちゃんもいますが、1ヶ月程度時間がかかることもあります。それぞれのワンちゃんのペースに合わせて辛抱強く接しましょう。

寝床とトイレを別にする

安定してトイレシートだけでおしっこできるようになったら、今度は寝床(もしくはハウスなど)とトイレシートを離します。距離は大きく離してもそうでなくても構いません。

重要なのは、トイレトレーニングを始めたころと同じく、「おしっこしそうになったらトイレに連れて行く」ということです。

距離を離すと戸惑ったり忘れてしまったりする可能性があるため、初心に戻るつもりで再びしっかり目をかけてやるようにしましょう。寝床で寝させてトイレでおしっこさせる、これが習慣づけばいずれは自分からトイレに行くようになります。

ここでも忘れずにすべきなのは、「誘導せずに自分でトイレに向かって成功できた時、十分以上に褒める」ということです。

十分褒めてあげたと思う倍の誉め言葉をかけ、トイレシートでおしっこしたら良いことがある、と覚えられるように助けてあげましょう。用を足すのを待って、終わったらご褒美を上げるなり撫でてやるなり、本人が一番喜ぶ方法で褒めてあげてください。

おしっこしたくなったら、寝床から一直線に向かうようになれば成功です。

まとめ

犬にキスをする飼い主

Vera Larina/shutterstock.com

何度もトイレに失敗したとしても異常ではありません。ワンちゃんなりに飼い主を理解しようとしていても、正しい方法で教えてあげなければお互いにストレスやフラストレーションが溜まってしまうだけです。

優しく指導しながら、ワンちゃんが理解できる方法で教えてあげましょう。トイレトレーニングは可能です。数年かかるような複雑なトレーニングでもありません。

しばらくの間我慢強く努力し、私たち飼い主もワンちゃんたちも快適で安心できる環境を整えていきましょう。

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