【獣医師監修】猫がそばに来て座るのはなぜ?座り姿が意味する心理状態を解説【2023年版】

【獣医師監修】猫がそばに来て座るのはなぜ?座り姿が意味する心理状態を解説【2023年版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

猫はよく飼い主のそばに来てチョコンと座っていることがあります。何をするでもなく、じっと飼い主の方を見つめていたりしますが、なぜこのような行動を取るのでしょうか。今回は猫のチョコンと座る姿に隠された心理状態に迫りたいと思います。

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猫は隣でチョコンと座ることが多い

パソコンで作業している男性の側でちょこんと座る猫

New Africa/shutterstock.com

猫の行動には私たちが不思議に思うことがあるものです。皆さんの猫は何をするわけでもなく、近寄って来て座ったままでいることがあるでしょうか?こちらを見つめつつ、私たちのそばで座ったまま待機しているのです。

この時の猫の気持ちはどんなものなのでしょうか?今回は猫がそばに来て座る理由をご紹介します。

猫がそばに来て座る7つの理由

ベッドの上で横になる女性に近づく猫

Syda Productions/shutterstock.com

猫は気まぐれな行動をすることで知られています。私たちが呼んだとしても必ずしも近寄ってくるわけではありません。逆に、読んでいなくてもこちらのそばに近寄ってくることがあるのではないでしょうか?

私たちが何か作業をしていたり、テレビを見ていたりするとき、猫が近寄ってくることがあるでしょう。猫は何をするわけでもなく、その場で座ったままです。この時の猫の気持ちはどんなものなのでしょうか?

これから猫がそばに来て座る理由を7つ紹介したいと思います。猫の気持ちが分かるなら、猫との心の距離もより近づくに違いありません。

1.甘えている

猫は飼い主さんに甘えているのかもしれません。飼い主さんに心を許しており、もう少し自分に構ってほしいと感じているのです。

猫が甘えて欲しい時には自分から近寄ってくるものです。そのまま座って飼い主さんを見つめていることが多いでしょう。「ねえねえ、何してるの?」「構ってほしいよ~」という気持ちなのですね。

甘えたい気持ちが強くなると、もっと大胆な行動に出ることもあります。身体を擦り付けてきたり、わたしたちの身体の上に乗ってきたりします。飼い主さんの顔や体をペロペロと舐めることもあるでしょう。

猫は飼い主さんに甘えるタイミングをうかがっていることがあります。ほんとは飛びついて甘えたいのですが、すぐにはそうせずに、座ったまま様子を伺っているのですね。なんとも可愛らしいですね。

猫が側で座ったままで、もっと近づきたそうにしている場合には是非迎え入れてあげてください。十分にスキンシップを取ってあげて甘えさせてあげましょう。

2.リラックスしている

猫は自分の時間を大切にする動物ですが、いつも一人でいたいわけではないようです。周囲に仲間や家族がいる場所でリラックスしたい時もあるのです。わたしたち飼い主のそばに来るときも同様の気持ちなのかもしれません。

猫は飼い主さんに構ってほしいわけではないかもしれません。それでも飼い主さんの近くが落ち着くので、そばに来て座っているのです。まさに家族としての関係性だと言えます。私たち人間も同様の気持ちになることがあります。

家族が集まっている居間で過ごすのはとても気持ちの良いことではないでしょうか?会話をするわけでもなく、ただ自分のことをしているだけですが、家族と同じ空間にいることが心地よく感じるのです。自分の部屋に一人でいるよりもリラックスできるのかもしれませんね。

猫も信頼できる飼い主さんと同じ空間でいることでリラックスしたいと感じているのです。飼い主さんが構ってあげようとするとそっけない反応をするのに、そばから離れようとしない場合などがそうです。

猫はもともと野生動物です。いつも外敵から狙われるため周囲の安全にはとても敏感です。安心できる仲間や場所でなければリラックスすることは無いのです。

飼い主さんのそばでリラックスできるということは、「飼い主さんがいつでも守ってくれる」という強い信頼の証です。飼い主さんが家のリーダーであるとも認めているのかもしれませんね。

猫がそばに来て座ってくれたのであれば、心地よい時間を楽しむようにしてくださいね。

3.遊んでほしい

猫が近寄って来てこちらをジッと見つめてくることってありますよね。わたしたちも「何か言いたいことがあるのかな?」と考えてしまいますよね。何か要求があるのかもしれませんね。猫は言葉が離せないので、目で訴えてくることもあります。

もしからしたら、遊んでほしいのかもしれませんよ?飼い主さんに甘えている証拠でもあるのですが、ただ撫でて欲しいだけでなく、一緒に遊びたいのでしょう。ボールや猫じゃらしなどを触ってみてください。遊んでほしかったのであれば、嬉しそうに反応してくれるでしょう。

毎日一緒に遊んであげる時間を取ることは大切です。長い時間でなくとも、猫にとっては良い運動になりますし、ストレス解消にも役立ちます。猫と遊ぶことは私たちにとってもストレス解消になりますよね。

毎日決まった時間に遊んであげていると、その時間が近づくと猫が遊びを要求するようになるかもしれません。近づいてきて、そばに座りながらこちらを見つめてくるのです。「そろそろ遊ぼうよ~」「まだ遊ばないの~?」と要求してくるのです。

4.お腹が空いた

目で訴えかけるのは、遊びだけではありません。お腹が空いたのかもしれません。「お腹が空いたよ~」「まだごはんの時間じゃないの~?」「おやつ食べたいな~」と考えているのでしょう。

猫がそばに座ってこちらを見つめていたなら、時間帯を確認しても良いでしょう。ごはんの時間が近いならお腹が空いているのかもしれません。逆にごはんとごはんの合間なら、おやつなどを要求しているのかもしれませんね。

しつけのご褒美におやつを与えていると、おやつの美味しさを知っているので、その他の時間でもおやつを要求するかもしれません。

おやつを与えるのは良いですが、あまり頻繁に与えることが無いようにしましょう。ワガママな子になってしまうことがありますし、おやつでお腹がいっぱいになってごはんを食べなくなるかもしれません。

1日のうちにごはんを要求することが多くなるならどうすべきでしょうか?ご飯の量が正しいか確認してみてください。運動量や身体の大きさ、年齢などから必要なカロリーを計算することが出来ます。やせ細っていったり、太くなっていったりしていなければ適量だと思われます。

適量を与えていても、お腹が空いてごはんを要求することがあります。あまりにも要求の頻度が多いなら、1日の食事の量を変えずに食事の回数を増やすと良いでしょう。1回の食事量を少なくして回数を増やすなら空腹の時間が短くなることでしょう。

5.近くの何かに興味津々

私たちのそばで座っているというよりも、私たちが持っている何かが気になっているのかもしれません。猫は動きのあるものに興味を示すものです。私たちの服などが動いて気になるのかもしれません。文房具などを扱っている時にその音や動きが気になるのかもしれません。

獲物と勘違いしている場合は、戦闘態勢や狩猟体勢に入ります。でも座っているので獲物と勘違いしていることはなさそうですが、単純に見たことのないものが気になっているのでしょう。「何だろうな?」「面白いな~」と興味津々なのです。

6.飼い主さんとの距離を測っている

飼い主さんのもとに来たばかりであれば、飼い主さんとの距離を測っているのかもしれません。飼い主さんのそばに近寄って来ているので、警戒しているわけではなさそうです。それでも飛びついて甘えてしまっても良いのか考えているのかもしれません。

「飼い主さんは良い人そうだけど、もっと詳しく知りたいな」「飼い主さんってどんな人なのかな?」と飼い主さんの事を知ろうとしているのでしょう。

新しく家族になった猫が近寄ってきたなら、強引な行動は避けましょう。逆に警戒されてしまうかもしれません。猫は私たちを観察して近づいても良いか図っているはずです。しばらくすると猫の方から擦り寄ってくるでしょう。

7.一緒に寝たい

わたしたちが布団の中に入って寝ている時に、近寄ってきてそばで座ることがあるでしょうか?猫はきっとわたしたちと一緒に寝たいのでしょう。

飼い主さんの布団の中に入り込みたいのでしょう。自分からは入り込めないか、入り込む勇気がないのかもしれません。私たちが隙間を作ってあげるなら「待ってました」と言わんばかりに布団の中に滑り込んでくるでしょう。

特に寒い時期が近づくと猫は飼い主さんと一緒に寝ることが多くなります。最初は布団の前で待っていた猫でも、慣れてくるうちに勝手に布団の中に滑り込むようになるでしょう。私たちが朝起きたら懐の位置に丸まった猫が寝ていることもよくあるのではないでしょうか?

猫との距離によって好感度が分かる

飼い主に撫でられて気持ちよさそうにする猫

Syda Productions/shutterstock.com

ここまで猫がそばにきて座る理由を考えることができました。たくさんの理由があるので、どの理由か判断しづらい場合もあるでしょう。そんな場合は、猫と自分との日ごろの距離を考えてみると良いでしょう。猫との距離感は好感度をはっきりと表わします。

触ることが出来る距離

猫が触ることのできる距離まで近寄ることがあるでしょうか?これは深い信頼の表われです。

猫は本能的に自分を攻撃しようとする相手には近寄ることがありません。私たちのすぐそばまで近づくのは、私たちが攻撃することが無いという信頼の表われです。逆に守ってくれると感じてさえいることでしょう。

猫が私たちの手の届く範囲で座っているなら、それは私たちを信頼しているからです。甘えたかったり、リラックスしたりしているのでしょう。私たちに要求がある場合でも、私たちを信頼しているなら、近くでジッと待っていることでしょう。

すぐには触れない距離

近くで座っているのにすぐには触れない位置にいる場合はどうなのでしょうか?これには猫の性格が関係しているかもしれません。飼い主さんに甘えたいけど素直になれない場合、少し離れて座ります。また、これまでの境遇や経験から、ひとりでいることが好きな猫もいます。そんな猫はリラックスしていても少し離れた位置で座ることがあります。

飼い主さんを信頼しきれていない場合もあります。新しく家族になった場合がそうでしょう。飼い主さんにべったりと甘えるにはもう少し時間が必要なのかもしれません。

また、飼い主さんではなく、飼い主さんの近くにあるものに興味津々な場合も、すこし距離を取ることでしょう。関心の対象が飼い主さんではないため、あえて近づく必要はないのです。少し離れて対象を観察しているのでしょう。

近寄ってくれない場合

猫が近寄ってくれない場合は、警戒心を持っていると思ってよいでしょう。信頼されるためには時間がかかることでしょう。無理に近寄ろうとするなら、ますます距離を取ってくるはずです。猫を優しく扱ってあげることで、徐々に警戒心を緩めてくれるに違いありません。

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