猫のおしっこの採取の方法を公開!病院でチェックしているポイントも紹介

猫のおしっこの採取の方法を公開!病院でチェックしているポイントも紹介

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猫のおしっこ検査は、人間と同じく健康状態を把握するためにとても便利です。しかし、猫のおしっこ採取は意外とハードルが高い場合があります。この記事では採尿に使える便利なツールや、動物病院での処置について役立つ情報を公開します。

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猫のおしっこの採取を動物病院で行う方法とは?

猫を診察する獣医師

Africa Studio/shutterstock.com

自宅で猫のおしっこの採取ができなかった場合は、動物病院でも行うことが可能です。しかし、猫はとてもデリケートで神経質な性格をしているので、病院でスムーズに排尿してくれることはほぼ難しいのが事実です。

そのため、強制的におしっこを出す処置をすることになります。

しかし、強制的におしっこを出すことには、猫に大きなストレスを与えるので基本的に行いませんが、尿道閉塞などの命に関わる緊急性を伴う場合に必要に迫られて行うことがあります。

一般な尿検査で無理に猫のおしっこを出そうとすると、猫の病院嫌いはさらに悪化し、検査や治療などをさらに難しい状況にさせてしまう可能性があります。そのため、猫を一時的、もしくは半日程度お預かりし、必ず飼い主さんに同意の上で採取しています。

病院で採取する場合にどんな方法で行うのかを解説しましょう。

自然排尿

これは、一時的に病院で預かっている間、猫が自然におしっこをするのを待ち採尿する方法です。猫にとっては1番ストレスがかからない方法ですが、猫は慣れない環境化ではトイレを我慢する傾向があります。

そのため、個体差もありますが、自然排尿まで半日以上待ったり、もしくは採尿ができない可能性もあります。

圧迫排尿(緊急時)

おしっこが出ない場合は、緊急処置として圧迫排尿をすることがあります。圧迫排尿とは、おしっこを溜めている膀胱を外から手で圧迫し排尿させる方法です。

膀胱を外から押すので、力加減によって膀胱を破裂してしまう危険性もあります。 また、猫は尿路結石(結晶)が発症しやすい体質をしており、膀胱に小さな結石や結晶があると、圧迫しても詰まっているためにおしっこが出ないことがあります。

とても危険な処置なので、動物病院で獣医師さんが行うことが一般的です。

尿道カテーテル

尿道カテーテルとは、細いカテーテル(管)を猫の尿道に直接入れて、シリンジを使いながら膀胱に溜まっているおしっこを強制的に出させる方法です。

この方法は、尿道に結石や結晶などが詰まってしまい自力で排尿できない場合などに行う方法のひとつです。おしっこが出ない状態は、膀胱がパンパンに膨れ上がって炎症をおこしたり、急性腎臓病になる危険性がある緊急事態です。

膀胱穿刺

膀胱穿刺とは、エコーで膀胱を確認しながら、膀胱に直接針をさして尿を採尿する採取方法です。無菌で行えるのできれいな尿を採取することができるというメリットがありますが、エコーをかけるために猫をひっくり返す必要があり、嫌がる子も中にはいます。

猫の尿検査で確認することとは?

猫の膀胱に器械を当てる獣医師

Merrimon Crawford/shutterstock.com

猫の尿検査では、おしっこに関係する病気の状態を知ることができます。

それには尿路結石症や尿道閉塞、膀胱炎などの下部尿路疾患、腎不全などの泌尿器疾患などが含まれます。これらの疾患を患っている場合、ある程度進行状況を知ることができるので、治療方針を決める際にも役立ちます。

では、採取した猫のおしっこで確認していることをみてみましょう。

尿のPh

猫の尿検査では、オシッコのphが高いか低いかを調べます。

通常のphはおよそ6.0~6.5ぐらいですが、それよりも高くなるとアルカリ尿、逆に低くなると酸性尿になり、どちらかに極端にphが傾いてしまうとおしっこの中に結晶ができる原因となります。

具体的には、phが高いアルカリ尿はストラバイト結晶になりやすく、phが低い酸性尿はシュウ酸カルシウム結晶にできやすくなります。

結晶ができてしまうと尿道に詰まってしまい、おしっこが出なくなってしまう尿道閉塞や、結晶が原因となる尿路結石症を発症してしまいます。

おしっこが出ないと命に関わってくる恐ろしい病気ですので、早めの対処が必要です。

尿タンパク

猫の尿検査では、おしっこの中のタンパク質も調べます。タンパク質は体をつくってくれる非常に大事な栄養素のひとつですが、腎臓で濾過することはできないので、おしっこと一緒に排出することはまずありません。

そのため、健康な場合は、通常陰性です。 しかし、腎不全になり腎臓の働きが悪くなると、腎臓はタンパク質を濾過してしまって尿と一緒に出てしまうため、尿タンパクが陽性になります。

潜血

おしっこに血が混じっていないかを調べます。通常は陰性です。血が混じっている場合は、膀胱炎や尿石症の可能性もあります。

グルコース(尿糖)

おしっこに糖が出ていないかどうかを調べます。通常は陰性ですが、陽性の反応がある場合は、糖尿病の疑いがあります。

糖尿病になると腎臓に障害を与えるため、腎不全に注意が必要です。

白血球

おしっこを遠心分離し、下に溜まった沈殿物から白血球の有無を調べる検査です。正常はマイナスですが、腎臓や尿路系に何らかの障害や炎症などのトラブルが生じると白血球が現れます。

泌尿器系の病気の可能性があるので注意が必要です。

まとめ

猫のおしっこを自宅で採取する方法や動物病院での採取方法などについてみてきましたが、いかがでしたか?猫はとても神経質でデリケートなので、おしっこをしているときに誰かに見られることを嫌がります。

もちろん個々の猫の性格も関係してきますが、愛猫に合った採尿方法を飼い主さんが選んであげましょう。そして、定期的に尿検査をし、病気の予防をしっかりし、愛猫の健康を守ってあげましょう。

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