
日本はペット後進国だった!3つの分野における日本と海外の犬事情の違いとは
日本ではたくさんのペットが飼育されています。ペットグッズもたくさんあるのでペット先進国というイメージもあるでしょう。しかし本当は日本はペット後進国です。今回は、法律面、ブリーディング面、フード面という3つの分野における、日本と海外の犬事情の違いに迫ります。

日本はペット後進国?

ANURAK PONGPATIMET/shutterstock.com
日本はよくペットに関しては後進国と呼ばれることがあります。これだけペットを扱ったテレビ番組が多く、ペットショップがあちこちにあり、ペットグッズもあふれているにもかかわらず、後進国とされています。
それに対してアメリカやイギリス、ドイツなどはペット先進国と呼ばれていてペットの飼い方や社会的位置に関しては見習うべき模範とされています。
では具体的に日本と海外の犬事情においてどんな認識の違いがあるでしょうか?この記事では法律やブリーディング、フードに関する見方などいくつかの分野での違いをピックアップしていきたいと思います。
日本と海外の犬事情1:法律上の認識の違い

LightField Studios/shutterstock.com
まずは法律の違いについて見ていきましょう。日本で犬に関する法律として有名なものといえばおそらく次の2つでしょう。
- 狂犬病予防法
- 動物愛護管理法
狂犬病予防法はおそらく特に有名でしょう。これは年に一回予防接種を受けることや犬を各自治体に登録することなどを定めている法律です。
一方動物愛護管理法は名前の通り「犬を含む動物を大切に扱いましょう」というコンセプトの法律です。後者は1973年に制定された後、現在までに数回の法改正を経ています。法改正のたびに新しい要素が取り入れられていて、動物をみだりに扱う場合の罰則の強化や飼い主の責任に関する明文化などが行われてきました。
最近では2019年6月に法改正が行われ、犬猫へのマイクロチップの装着義務化、8週齢に関する規制、罰則強化などを含む要素が盛り込まれました。
日本の法律の問題点
しかしまだまだ日本の法整備は十分ではないと言われています。例えばマイクロチップの義務化によって飼い主の特定をしやすくしているのは良い点ですが、この法律は公布後3年以内の施行となっているので、2022年の夏くらいから義務化が始まると思われます。そのためマイクロチップの普及がまだまだすぐには期待できない状況にあります。
また2019年の法改正では「生後8週経っていない犬猫の販売が原則禁止」という要素も盛り込まれました。「8週齢まり最低でも56日間は親元などに置いておいて、それ以降は販売して良い」という法律ですが、これは犬の健全な成長を推進する目的で盛り込まれました。犬猫はあまりに早く親元や生まれた環境から引き離すと、後々吠え癖や噛み癖などの問題行動が目立つといわれています。そこで最低でも8週間は親元に置いておくことで社会性を持たせられると期待されています。
さらに免疫力の観点からも8週間親元に置いておくのが良いとされています。犬や猫は生後8週間ほど母親から抗体を受け取って体を守っていますが、この移行する抗体は8週目に向けて少しずつ減っていきます。8週目に抗体が減少した状態でワクチン摂取をして新しい環境に慣れさせることで感染症への免疫力が付きます。
逆に抗体が減少したタイミングですぐにワクチンを打たないとワクチンの抗体がうまく上がらないとされています。これまでペット業界では「小さな犬猫ほどかわいさに訴えて売れる」という風潮でペット販売をしていましたが、今回の法改正でその風潮が少しは抑えられると期待されています。
法律適用の「例外」と問題点
ここまでは良いですが、問題なのはこの要素に例外があることです。8週間経過前の販売は原則禁止ですが、柴犬や秋田犬などの日本犬6種に関しては繁殖業者が直接販売する場合に限り規制対象外です。「日本犬保存会」と「秋田犬保存会」が規制に反対したためですが、これだと日本犬の健全な成長が阻害される恐れがまだあります。このような例外がある以上、まだまだ十分な法整備がされたとは言えないでしょう。
ちなみに2013年の改定時点でもこの8週間についての話題がのぼっていて販売目的で犬猫を生育環境から56日経たないうちに引き離すことが禁じられていました。しかしこの法律によると「施行後3年は45日、以降は別に法律に定める日まで49日と読みかえること」になっていました。
訳の分からない法律におもえますが実際にそういう規定でした。ペットショップやペットフード会社などの団体や国会議員などが45日ないしは49日の妥協案を主張したためです。このように何年も前から犬事情をめぐる日本の法律では不備が指摘されています。
また今回の法改正では動物虐待の罰則が強化されました。これまでは「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」の罰則でしたが、これは器物損壊罪の「3年以下の懲役または罰金30万円以下」という内容よりも軽いもののため、「生き物は物よりも軽いのか」と批判されていました。動物虐待の動画をネット配信するケースもあったため、今回の改正では「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」と厳罰化されました。
海外の法整備状況
では海外では犬に関するどんな法律が整備されているでしょうか。まずマイクロチップの義務化に関してですが、例えばオランダでは2012年、アイルランドは2015年、英国では2016年にはすでに犬に対するマイクロチップの使用と登録が義務付けられています。日本よりも数年早く義務化が進んでいます。
また8週齢規制に関しても各国で以下のような規定がされています。
・アメリカ(連邦規則) 「生後8週間以上また離乳済みの犬猫でない限り商業目的のための輸送や仲介業者への受け渡しをされてはならない」
・イギリス 「生後8週間に達していない犬の販売は認めない(犬の飼養および販売に関する1999年法)」
・スウェーデン 「生後8週間以内の犬および生後12週間以内の猫を母親から引き離してはならない。また生後8週間以内の犬や生後12週間以内の猫を飼養者から離してはならない」
・ドイツ 8週齢未満の子犬を母犬から離してはならない(犬の生命を救うなどのやむを得ない場合を除く)。また引き離された子犬については8週齢までは一緒に育てなければならない」
このように動物愛護の先進国ではしっかりと8週間に関する規定が守られていることが分かります。日本における2019年の改正も大きな前進とは言えますが、まだまだ足りない部分があると言わざるを得ません。
動物を虐待した場合の罰則に関しても、海外では日本よりも厳しい態度が取られています。例えば以下のような罰則が規定あるいは実行されています。
・アメリカ(カリフォルニア州) 21匹の猫を殺害した男性に対して、裁判所は16年の懲役を言い渡しました。アメリカでは州によって法律が違うので動物虐待がそこまで厳罰化されていないところもありますが、現在膨大な罰金と最大7年の懲役刑が連邦法として可決される動きが出ています。
さらに虐待ではないものの、動物を正しく取り扱わない飼い主に対する厳しい法律もあります。以下のようなものが代表的です。
・ドイツ ドイツには犬の飼育に関する法律がたくさんありますが、犬小屋を必ず用意することや犬を長時間留守番させてはいけないことなどが規定されています。それに反するとアニマルポリスや獣医局から指導されたり、場合によっては犬を取り上げられたりします。
・イタリア トリノという場所では犬の散歩を1日3回することが義務付けられています。それに違反するとなんと500ユーロの罰金が科せられます。また散歩する場合は歩きでなければいけません。他にも犬の染毛をしたり尻尾を切ったりするのが禁じられているところもあります。
・スイス スイスでは犬を飼育するために免許が必要で、飼い主は犬を飼うための講習を受ける必要もあります。犬に関する税金が徴収され、それが糞の清掃などに使われているとされています。
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