
【獣医師監修】猫も鼻くそが出る!正しい取り方と注意点を解説!【2023年版】
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獣医師
日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/
人間の場合毎日のように鼻くそが出ることがありますが、実は猫も頻繁に鼻くそが出る動物です。猫は自分で鼻くそを取りにくいので、飼い主がケアしてあげる必要があります。でも鼻くそを取る時には注意が必要です。この記事では猫の鼻くそケアをどのようにできるか、鼻くそ予防にどんなことができるかをまとめました。

猫も鼻くそがでる

RJ22/shutterstock.com
愛猫を観察していると鼻くそに気づくことはありませんか?猫は案外鼻くそが出る生き物です。綺麗好きの猫はグルーミングで自身を清潔に保つ動物なのですが、実は鼻くそまでは取ることができないのです。
小さな鼻に鼻くそがついていると、苦しくないのかなぁ?と思わず心配になってしまいませんか?
そこで今回はどうして猫にも鼻くそがついてしまうのか?また鼻くその取り方についても紹介したいと思います。
猫に鼻くそがつく原因
猫に鼻くそができる原因は何でしょうか?
猫の鼻くそも人間同様に生理現象です。鼻呼吸によって鼻から入ってきたほこりやごみは鼻水でキャッチされます。こうして体内に入らないようにしますが、ここでキャッチされたほこりやごみと鼻水が乾燥して固まったものが鼻くそとなります。ですから人間に鼻くそができるのと理由は同じと考えても良いでしょう。しかし他にも猫特有の理由もありますよ。具体的にみてみましょう。
ハウスダストが多い
一つ目はハウスダスト、つまりほこりが多いことです。
私たちもほこりの多い所にいると鼻くそがたまりやすくないですか?猫も私たち人間と同じです。埃っぽいところにいれば鼻くそが出やすくなります。
完全室内飼いしている猫だからといっても油断禁物です。私たちの生活圏内には(室内も含む)目には見えないほこりやちりがたくさんあります。ましてや猫は私たちよりも地面に近いところで生活しているので、私たちよりも多くのほこりやちりを吸いやすいといえるでしょう。カーペットの繊維などは動くたびにほこりが舞い上がるため、猫はそれだけほこりを吸い込みやすいのです。
その結果鼻くそができやすいといえるんですね。
ちなみに鼻くそが白っぽい時はトイレ砂が原因のことも考えられます。猫のトイレ砂にも細かいほこりや砂粒がたくさん含まれています。ですから鼻くそが白っぽい時は猫砂に含まれているほこりやちりが原因のことがあります。
空気の乾燥
他には空気の乾燥も原因としてあげることができます。
空気が乾燥していると鼻の中の粘膜の潤いがなくなって鼻水が固まりやすくなります。季節的に言ったら冬場は乾燥しやすいですし、海沿いよりも内陸の方が乾燥しやすいですね。乾燥が気になったら加湿器を利用されると良いでしょう。できれば湿度は50%を切らないことを心がけることをおすすめします。
鼻炎
鼻に炎症が起こると鼻くそができやすくなります。この場合は鼻くそだけでなく鼻水やくしゃみといった症状も見られるでしょう。
猫風邪やクリプトコッカス症、そして副鼻腔炎などを挙げることができます。
・猫風邪 猫風邪はヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジアなどが原因となっています。鼻水やくしゃみなどの風邪のような症状が出ます。
鼻水がたくさん出るようになるため鼻くそができやすくなります。しかしこうして鼻が詰まってしまうと呼吸しにくくなったり、においを嗅ぐこともできなくなって食欲が落ちてきます。
・クリプトコッカス症 クリプトコッカス症はクリプトコッカスというカビが原因で起こる病気です。鼻水やくしゃみの他に顔に肉芽腫ができたり神経症状が出たりします。
クリプトコッカス症に感染していても普段は症状が出ないのですが、免疫力が抵抗した時などに症状が現れたりします。まだ抵抗力の弱い子猫やシニア猫は注意が必要です。
・副鼻腔炎 副鼻腔炎は鼻炎が慢性化して重症化したものです。副鼻腔炎になると膿や血が混じった鼻水や鼻くそがでるようになります。鼻で呼吸できなくなるので口呼吸をするようになり食欲も低下してきます。
こうした鼻炎を起こしている場合は、早めに専門家に見てもらって治療してもらった方が良いでしょう。
腫瘍
猫の鼻くそが出る原因の一つに「腫瘍」が原因となっていることもあります。
鼻にできものができたり、そのできものが大きくなったら、鼻にできる腫瘍(がん)の可能性があります。かさぶたなものだったり、膿んできたりします。鼻水や鼻血が出たり鼻くそも増えることがあるようです。また鼻の奥の方に腫瘍ができることもあります。この場合は鼻筋が膨らんでくるように見えるでしょう。膨らんだ鼻筋の方から鼻水や涙が出るのが特徴です。腫瘍が大きくなれば顔も変形してくることでしょう。
いずれにせよ腫瘍が原因ですので、この場合も専門家に早く見てもらうようにしましょう。
アレルギー
鼻くその原因となっているものに「アレルギー」もあげられます。
猫の体にアレルゲンが入ってきたときに、免疫反応が起こて粘膜の分泌を多くしてを守ろうとします。こうしてくしゃみや鼻水、鼻くそが増えます。
花粉やハウスダストなどが原因に挙げられますが、原因がわかったらアレルゲンの除去に努めましょう。そうしなければ鼻水は止まらないでしょう。
体質
病気もない、アレルギーもない健康な猫であっても、体質的に鼻くそが出やすい猫もいます。
分泌物が多く出るタイプの猫は鼻くそが出やすいですね。こうした猫は鼻くそに限らず鼻水や目やに、耳垢も多く出やすいでしょう。
猫の鼻くその取り方

Milles Studio/shutterstock.com
猫の鼻くそは自然と取れることが多いのですが、気になってとってあげたくなるかもしれませんね。
では猫の鼻くそを取る方法を見てみましょう。
動物病院で専門家に取ってもらう
たかが鼻くそとはいえ、鼻くそは鼻のやわらかい部分についています。ですから無理やりそぎ取ってしまうと鼻の粘膜を傷つけてしまうかもしれません。飼い主が自分でとれる自信がない場合は、病院で取ってもらった方が安心ですね。
猫に任せる
一番簡単な方法は猫自身に任せることです。一番自然なやり方ともいえるでしょう。グルーミングで顔を手で拭った時に自然ととれることがあります。他にも飼い主に鼻を擦り付けて鼻くそを取ろうとすることもありますよ。
飼い主さんがとってあげる
飼い主自ら猫の鼻くそを取ってあげることもできるでしょう。
ただし無理やり取ろうとすると爪で猫の鼻の粘膜を傷つけてしまうこともあるかもしれません。ですから鼻くそを取るときは十分注意してください。
次の部分で鼻くその取り方を詳しく紹介します。
簡単に猫の鼻くそを取る方法

Elnur/shutterstock.com
では簡単に猫の鼻くそを取る方法を紹介します。
ガーゼやティッシュを使う
まずは愛猫をリラックスさせましょう。いきなり鼻を触ろうとしてもびっくりして触らせてくれないかもしれません。ですからまずはリラックスさせてからです。おやつを上げたり撫でたりしてリラックス状態で鼻くそ取りを行います。
鼻の入り口のところに鼻くそがある場合は、ガーゼやティッシュでとる方法をおすすめします。
まずはガーゼやティッシュを濡らします。できればぬるま湯を使用しましょう。ガーゼを使った方がお肌には優しいので、できればガーゼを使うと良いでしょう。濡らしたガーゼを使う理由は鼻くそがこびりついてしまっている場合は、硬くて取りにくくなっているのでふやかすためにガーゼを濡らします。
次に猫をリラックス状態にするためにも膝の上であおむけに抱っこしましょう。
次に猫が暴れないように片手で頭を固定させます。
そうしたら指にガーゼを巻き、鼻くそをそっと優しくふき取りましょう。硬くこびりついている場合は、ガーゼをよーく湿らせてから使用すれば大丈夫でしょう。水分によって鼻くそをふやかしてとることができます。
綿棒を使う方法
綿棒を使うのは鼻の奥の方に鼻くそがある場合におすすめの方法です。
綿棒を使った方法の場合も、まず初めにリラックスさせることは変わりません。ご機嫌取りをしておきましょう。
使用する綿棒ですが、普通の綿棒は猫の鼻には大きすぎるかもしれません。ですから赤ちゃん用の小さなものをおすすめします。
そうしたらこの場合も綿棒をぬるま湯で湿らせておきましょう。猫の鼻の中は非常にデリケートです。かたまった鼻くそを無理やり取ろうとすれば傷つけてしまうかもしれません。ですから綿棒を湿らせてふやかしてからとるようにします。
あとはガーゼを使う時と同様、膝の上に抱きかかえて頭を固定させます。
そうしたら綿棒を使って、さっとかき出すように鼻くそをとりましょう。鼻の横から綿棒の先を当てて、鼻の奥の方は綿棒の腹の部分をあてるようにやさしく掃除します。
いずれの場合も、猫が嫌がったらすぐにやめましょう。無理やり続けてしまうと、次回鼻掃除をさせてくれなくなりますよ。
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トイレットペーパーは猫が触れないようにしておくのは鉄則です。トイレに入れないようにするのはもちろんだし、予備のペーパーはケースに入れておくぐらいの対策はしないと猫のイタズラを予防しきれません。加齢とともに無くなっていくかは保証できないなぁ