【獣医師監修】犬にさくらんぼはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【2023年版】

【獣医師監修】犬にさくらんぼはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【2023年版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

甘酸っぱくて見た目もカワイイさくらんぼは、犬が食べても大丈夫な果物の一つです。健康に良い栄養素がバランスよく含まれているので、犬のおやつとしても最適です。ここでは、犬にさくらんぼを与えるメリットや、与える際の注意点を紹介します。

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犬にさくらんぼを与えても問題ない?

美味しそうなさくらんぼ

Melica/shutterstock.com

さくらんぼは、バラ科サクラ属の果樹になる果実のことです。桜が付ける桃という意味から「桜桃(おうとう)」とも呼ばれています。世界ではトルコやアメリカ、イランなどで栽培されています。国内においては、主に山形県で栽培されており、全国生産量の7割を占めています。そのため、山形県を代表する果物としても知られています。

基本的には、犬にさくらんぼを与えても問題ありません。ただし、飼い主さんの目の届くところで、与え方や量に注意して食べさせる必要があります。

犬にさくらんぼを与えてもいい量

子犬の前に置かれたさくらんぼ

Utekhina Anna/shutterstock.com

さくらんぼに含まれている「ソルビトール」という成分は、適量であれば便秘解消などの効果がありますが、過剰に摂取すると腹痛や下痢の原因となってしまいます。ゆえに、犬にさくらんぼを与えるときは、おやつ程度に「少量」与えるだけにしてください。

1日にどのくらいの量のさくらんぼを犬に与えることができるのでしょうか。それは、犬の体重や体格などによっても異なります。では、犬の体重別に1日の適量を見てみることにしましょう。

超小型犬の場合

超小型犬とは、トイプードルやポメラニアン、ヨークシャテリア、マルチーズ、チワワなど、体重4kg未満の犬種のことをいいます。

体重1kgの犬の場合、1日に与えていいさくらんぼの量は3g程度です。これは、種と枝を取り除いたさくらんぼ1個を半分に切った量です。体重3kgであれば、1日7g程度(約1個強)が適量です。

小型犬の場合

小型犬には、体重10kg以下の犬種が含まれます。例えば、ミニチュアダックスフンドやボストンテリア、スキッパーキ、柴犬などがいます。

体重5kgの小型犬には、1日11g程度(約2個弱)を目安に与えることができます。体重10kgの犬であれば、1日に18g程度(約3個)が適量です。

中型犬の場合

中型犬とは体重25kg以下の犬のことで、ウェルシュコーギーやボーダーコリー、バセンジー、エアデールテリアなどが中型犬に含まれます。

体重15kgの犬であれば1日25g程度(約4個)体重20kgの犬であれば1日32g(約5個半)を目安に与えてください。犬の体重によって量は調節しましょう。

大型犬の場合

大型犬とは、体重25kg以上の犬種のことです。ゴールデンレトリバーや秋田犬、コモンドール、サモエド、シベリアンハスキーなどを挙げることができます。

体重30kgの大型犬の場合、1日に与えていい量は43g程度(約7個)です。体重40kgの大型犬であれば、1日53g程度(約9個弱)が適量です。

子犬の場合は注意が必要

子犬は消化器官が十分に発達していないので、特に注意が必要です。さくらんぼを与え過ぎると、お腹を壊したり、肥満の原因にもなります。下痢が続くと、子犬の場合、脱水症状を起こすことがあります。

絶対に与えてはいけないというわけではありませんが、リスクを軽減するためにも、わざわざ子犬にさくらんぼを与える必要はありません。

犬にさくらんぼを与えることで期待できる効果

フレッシュなさくらんぼ

Dionisvera/shutterstock.com

さくらんぼの主な成分は「ブドウ糖」です。ブドウ糖は体のエネルギー源として必要不可欠です。ブドウ糖を取り入れることで、脳に栄養が供給されるため、脳の活性化につながります。また、疲労回復効果も期待できます。

さらに、さくらんぼはビタミン類が豊富で、中でも「ビタミンA」「ビタミンC」が多く含まれています。ビタミンAには、皮膚や粘膜の健康に保つほか、動脈硬化やガンを予防する効果があります。ビタミンCは抗酸化作用を持つ栄養素なので、免疫力を高めたり、老化防止、動脈硬化や心筋梗塞などの病気の予防に役立ちます。

他にも、さくらんぼには「カリウム」などのミネラルも含まれています。カリウムは、体内の余分な塩分を体外へ排出する働きがあります。そのため、犬の高血圧予防に効果があります。

犬にさくらんぼを与えるときの注意点

さくらんぼの種

c12/shutterstock.com

犬にさくらんぼを与えるときは、必ず種や枝を取り除いてから与えるようにしてください。消化器官を傷つけてしまったり、腸に詰まってしまう危険があります。また、体の小さい超小型犬や小型犬にさくらんぼを丸ごと与えると、喉に引っかかってしまう可能性があります。食べやすいよう小さくカットして与えるようにしましょう。

さらに、さくらんぼなどバラ科植物の種や未成熟な果実には、「アミグダリン」という青酸配糖体が含まれています。このアミグダリンが体内で分解されると、青酸カリと同様の成分に変換されるため、注意が必要です。口の中で種を噛み砕いてしまうと、中毒症状を起こす可能性があるので、絶対に種を取り除いてから食べさせてください。

加えて、さくらんぼの葉には「クマリン」という成分が含まれています。この成分は、肝臓に対して毒性を持っているので、犬が誤って食べてしまうことがないよう十分注意が必要です。

犬によっては、さくらんぼを食べてアレルギーを発症する可能性があります。初めて愛犬にさくらんぼを与える場合は、少量だけにし、体調に変化が起きないか様子を観察してください。下痢や嘔吐、発疹が出るなどの症状が出た場合は、すぐに動物病院で獣医師に診てもらうようにしてください。

さくらんぼの缶詰やさくらんぼジャムは与えても問題ない?

美味しそうなさくらんぼジャム

MaraZe/shutterstock.com

さくらんぼの缶詰は甘いシロップ漬けになっているため、犬にはおすすめできません。犬に大量に与えてしまうと、糖尿病や肥満の原因になってしまいます。また、さくらんぼの缶詰には着色料が使用されているものもあるため、犬に与えると健康を害するおそれがあります。

市販のジャムは砂糖や保存料が含まれているため、犬には与えないでください。どうしてもさくらんぼジャムを食べさせたい場合には、砂糖を加えていない手作りしたものであれば与えることができます。ただし、与え過ぎないよう注意してください。

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