「パブロフの犬」を知ってる?条件反射を明らかにした実験とは!?
「パブロフの犬」とは特定の犬のことではなく、医学者であるイワン・パブロフが実験に用いた犬のこと、もしくは犬を用いて明らかにした「条件反射」のことをさして用いられています。この記事では、イワン・パブロフの人物像や、「パブロフの犬」の実験内容と結果が世の中に与えた影響などを解説します。
イワン・パブロフの紹介
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イワン・ペトローヴィチ・パブロフ(1849年9月14日~1936年2月27日)は、ロシアソビエト連邦の生理学者です。世界中の高校の教科書に載っているロシアで最も有名な科学者で、1904年にはノーベル医学生理学賞を受賞しています。(受賞理由は犬の研究ではなく、消化に関する生理学研究の成果によるもの)
子供の頃に大怪我を負い、11歳まで学校に行けなかったにも関わらず、7歳の時には独学で文章を読むなど、高い知能と学問的潜在能力がありました。
最初は神学者になることを目標としていましたが、1870年にサンクトペテルブルク大学に入学し、外科医となりました。ちなみにイワン・パブロフは両手が利き手だったので、手術がとても上手だったそうです。
その後、軍医学校やドイツ留学を経て、1888年に消化生理学の研究を開始し、生理学教授となりました。
1902年には「パブロフの犬」の実験を行い、一躍有名人となります。有名になった後も、ロシアの内戦や世界的混乱にも負けず精力的に研究を続け、本を出版したり、実験医学用の複合施設を立てたりと、大きな功績を後代に残しました。
「パブロフの犬」の実験内容
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1890年代のある日、彼は自分が部屋に入る度に犬がよだれを出すことに気づきました。最初は迷惑だと感じていましたが、彼がエサを持っていてもいなくてもよだれを垂らすのが続くので、「もしかしたら自分の姿とエサを結びつけているのでは」と考え、本格的に研究しようと実験を始めます。
そこで、まず医師としての腕を生かし、犬の頬に管を通す手術を行い、唾液の分泌量を測定できるようにしました。
そして、室内を防音にするなどベル音以外に刺激がない状態を作った上で、「ベルを鳴らしてから犬にエサをあげる」ということを繰り返し行い、その都度犬の唾液の分泌量を計測しました。ベルを鳴らしてエサをあげることを続けると、ベルを鳴らすだけで犬は唾液を出すようになったのです。
本来ならばベルの音と食べ物は全く関係ありません。食べ物の匂いを嗅いだり、目の前に食べ物を置かれたりすれば犬がよだれを出すこともありますが、普通の犬にベルの音を聞かせてもよだれを出すことはまずないでしょう。
ですから、この実験により特定の条件下では本来は起こさない反応をすることがある、つまり「条件反射」の存在を証明したのです。
実験では一匹ではなく複数の犬が用いられ、どの犬もベルの音に反応して唾液を出しました。それで、「パブロフの犬」とはこの実験に用いられた犬の総称、もしくはこの実験で明らかになった条件反射のことを指して用いられるようになりました。
パブロフの実験結果
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イワン・パブロフは、この実験結果を「条件反射」と「無条件反射」として発表しました。
そもそも、犬や人間には先天的に無条件で反射する機能があります。例えば、熱いものに触れると手を引っ込めたり、転びそうになると手をついたりすることが「無条件反射」です。
一方、「条件反射」は学習によっておこる反応です。この実験だと、ベルの音を聞く度にエサをもらえた経験を繰り返した犬たちは、ベル=エサと学習したのです。その学習の結果、ベルの音を聞くと唾液が出るという反応が起こるようになりました。
私たちも梅干しを見ると唾が出ることがありますが、それは梅干しを食べて酸っぱい体験をしたことから起きる条件反射なのです。
このことから、生理的反応とも呼べる無意識・無条件で起きる反射以外に、経験を通して学習し、条件づけられたことに反応する条件反射があることが明らかになったのです。この発見は「古典的条件付け」とされ、その後の学問や犬のしつけに活用されています。
実験結果の活用例
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「パブロフの犬」の実験で明らかになった条件反射が、犬のしつけにどのように活用されているかをこれからご紹介します。
実験では、ベルを鳴らしてからエサをやることを繰り返した結果、犬たちはベルが鳴ればご飯がもらえることを学習しました。犬に「ある特定のことが起これば〇〇が起こる・もしくは〇〇する」というこの思考パターンを身につけさせることは、現代のしつけの基本として使われています。
例えば、「飼い主さんがお手という→犬の手を出させる→ご褒美をあげる」ーこれを繰り返すと、犬はお手と聞くとサッと手を出すようになります。
このように、皆さんが犬のしつけで当たり前にしていることが、実はイワン・パブロフの実験で明らかになった条件反射のおかげなのです。あまりにも日常に浸透している発見なので、犬のトレーニング中に意識することはないと思いますが、この機会にイワン・パブロフと実験に参加した犬たちに敬意を評したいと思います。
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