猫の不思議な行動。衣類を吸ったり噛んだりする意味は?

猫の不思議な行動。衣類を吸ったり噛んだりする意味は?

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猫が飼い主さんの脱ぎ捨ててある衣類に顔を付けて、吸ったり噛んだりする異常行動を見せることがあります。ウールサッキングと呼ばれる行動で、離乳が早すぎた子猫が母猫のお乳を吸う動作をしているのです。これが嵩じて異食になると害があります。この行動の意味から考えられる治し方をまとめました。

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猫が衣類を吸ったり噛んだり-ウールサッキングとは

Cute kitten biting a finger

Lisa Charbonneau/shutterstock.com

猫が衣類をふみふみしながら吸う行動

猫、とくに1歳未満の子猫の異常行動として、衣類や毛布をちゅうちゅう吸ったり噛んだりする行動があります。これをウールサッキングと言います。

吸ったり噛んだりするのは、衣類や毛布、バスマット、くつひも、カーペットなどから飼い主さんの髪の毛まで。繊維だけでなく、プラスチック類まで噛む異常行動をする猫もいます。

可愛いですが、ちょっと気になりますね。 多くは1歳までに自然に治まりますが、中には成猫になっても続ける子もいます。

食べた繊維は少量なら排泄されます。しかし、これが嵩じて異食という異常行動が習慣になると、食べた繊維で腸が詰まったりするリスクもあります。

どんな猫が、どんな意味で衣類を吸うの?

猫 おもちゃ 食べる

Xseon/shutterstock.com

離乳が早かった子猫

子猫は12週齢くらいまで母猫と一緒に育つのが理想ですが、多くは固形フードを食べられるようになる6週齢くらいで、突然に母猫から引き離されます。

このような子猫が、衣類を吸ったりする異常行動を起こしがちです。 前足でふみふみするのは、母猫の授乳を促す行動のなごりであることを意味します。

また羊毛のラノリンという皮脂成分が、母猫の乳首のにおいに似ているので羊毛(ウール)を舐めたり顔を埋めたり、母猫への行動を転化したしぐさを意味します。

猫が飼い主さんの膝の上で服を吸う行動をとった場合は、母猫に甘えるような信頼感をもっていることを意味します。

一見異常に見える行動にも、意味があるのですね。

遺伝的な要因

サイアミーズのような、オリエンタルブリード(東洋血統、東洋種)と言われる長めの耳で三角の顔をした猫は、長い離乳期間が必要です。

そのため、通常の猫の離乳期間で親から離すと、衣類を吸う異常行動が現れやすくなります。離乳が早い子猫と同じ意味です。

ストレスを抱えた猫

先の理由とは逆に、何らかのストレスを感じた猫は、母猫の下で安全に過ごした時期への退行衝動という意味で、衣類を吸う異常なふるまいをします。

ストレスの原因としては、子猫であれ人間の赤ちゃんであれ新メンバーの加入、あるいは逆に誰かがいなくなったり、引っ越しをしたりなどの環境の変化があります。 ストレスにより指をしゃぶる行動は、人間の子どもにも見られる異常行動です

繊維を欲しがる意味

猫白血病や猫免疫不全などの感染症、摂食障害などが背景因子として関与している場合もあります。消化器の不調により繊維質を求める習性が、衣類などの繊維を噛むという行動に現れたという意味合いになります。

また猫が自分の体を頻繁に舐めたり、吸ったり噛んだりするときは、皮膚の病気が関与している可能性も考えましょう。

衣類を吸ったり噛んだりを止めさせるには

衣類を吸うのは止めさせるべき?

離乳が早かったために衣類を吸う猫は、1歳くらいで自然に異常行動を止めます。

猫が食べた衣類は便となって排泄されますが、異食が嵩じて量が多くなると腸内に詰まるリスクがあります。衣類に、猫に害がある物質が付着することもあります。

また自分の体を舐め過ぎると、炎症を引き起こします。

成猫になっても衣類を吸う習慣が残ったら、止めさせた方が安心です。 ただ原因に対処することなく、衣類を吸ったり噛んだりする行為だけを止めさせても意味がなく、根本の問題解決が大事です。

原因別に対処しましょう

衣類を吸う行動を観察して、原因を見極めましょう。

・離乳が早かった場合

猫が吸うのは、母猫が転化した飼い主さんのにおいが付いた衣類なので、単純にそれを隠すことで対処できます。

おもちゃなどの代替物を与えて遊ばせることで、母猫からの乳離れを促すと共に、衣類を噛む衝動を転化します。遊ばせることは、ストレスが原因による異常行動にも有効です。

・ストレスが原因の場合

成猫になって現れた異常行動は、しつけで矯正できることがあります。衣 衣類を噛んでいたら、「ダメ」と言いながら霧吹きで水をかけます。

噛む布に、猫が嫌うにおい付けをすることもできますが、衣類だと刺激臭は無理なので柑橘類のフレーバーなどを使いましょう。

・摂食障害などが考えられるとき

猫草を欲しがる、などが併行していたら、高繊維食を与えることで改善する場合があります。 異食がひどい場合は獣医さんに診てもらいましょう。

薬物療法として、クロミプラミン、フルオキセチンなどの抗うつ薬は犬、猫用の製剤があるので処方されたら投薬してあげます。

背景に病気がある場合は、病気の治療を合わせて行いましょう。

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1 ふみ
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吸ってるのを見たとき、母乳を飲んでいる真似なのかなぁ?くらいに感じたことがあったんだけど、やはりその通りだったんですね。離乳が早すぎるのは良くないんだなと感じました。できるだけ母と長く過ごして欲しいなと今思いました。早いうちに別れてしまうのは寂しいでしょう。