【獣医師監修】犬にエアコンは必要?犬の適正温度と夏場の注意点をご紹介【2023年版】

【獣医師監修】犬にエアコンは必要?犬の適正温度と夏場の注意点をご紹介【2023年版】

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mofmo編集部

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

夏には必需品のエアコン!犬は、暑さに弱い生き物です。 でもエアコンをつけっぱなしだと電気代が…なんて思いますよね。おすすめの節約術もご紹介していきます。

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留守番中は冷房を適切な温度に保とう

Cute little dog jack russell terrier lies on the bed paws to the top cozy homely, in the bedroom

dezy/shutterstock.com

あくまで一般的な基準ですが、ワンちゃんにとって快適な温度は25℃以下、湿度にして60%以下と言われています。これを超えると熱中症のリスクが高まります。

実際にこの気温で犬が熱中症になることはほとんどありませんが、室内の環境は自然の外気や湿度とは異なります。

加えて、外気温との差があり過ぎると自律神経を乱す危険性があり、体力が落ちてやはり食欲減退などの症状になってしまうでしょう。

クーラーの設定温度は25~27℃を目安に

クールビズを促進する運動によって、28℃の冷房設定が推奨されていますが、これは人間でも少し暑さを感じてしまう温度です。

ということは、ワンちゃんにはさらに暑く感じられてしまうことが想像できます。クーラーの設定温度は25~27℃が理想で、これで湿度もかなり抑えられます。

しかし、もしワンちゃんがこの温度では体調を崩してしまう場合、除湿機能で湿気を除去するのが相応しいかもしれません。製品の機能によっては、除湿しながらも1~2度温度を下げられるものもあり、冷房よりも健康的な快適さを出せることもあります。

電気代を節約する

結論から言うならば、ワンちゃんを飼っている家庭で、何も動物を飼っていない家庭と同じように電気代を節約することはできません。

しかし、留守番中にただエアコンをつけっぱなしにするよりも、いくつかポイントを組み合わせて電気代をある程度節約することは可能です。

・空気を循環させるため、エアコンだけでなく扇風機を併用しましょう。効率よく部屋の中を冷やすことができれば、エアコンを酷使しなくても快適な室温にできます。エアコンの風が出てくる場所に扇風機を置いておけば、温度を必要以上に下げなくても部屋中に冷気が行き渡るでしょう。

・ワンちゃん用のマットを冷却効果があるものに交換します。アルミ製のひんやりするマットや、ジェルを含んだ夏場用のマットは、実際に体感温度を下げる効果があります。

同じ室温でも、効率よく体温を逃がすことができれば、必要以上にエアコンで冷却しなくても済みます。同じ理由で、熱のこもりやすいカーペットのある部屋ではなく、フローリングの部屋にワンちゃんを入れておくのも効果的です。

・日光と熱を遮断しましょう。エアコンで冷やすのと同じほど重要なのが、遮光と遮熱です。日光を遮るだけで、温度上昇をかなり抑えることができます。

遮光カーテンを利用してしっかりと熱気を遮り、部屋の温度が簡単に上昇しないように工夫してください。あるいは、窓辺に緑を植えて日光を遮ったり、緑のカーテンでエコに涼むのも効果的です。

直射日光だけでなく、温度も遮ることができればさらに効果があります。カーテンを交換できるようであれば、日光による温度上昇を抑える機能的なカーテンを導入するのもいいかもしれません。

打ち水で、家の周りの温度を抑えるのも有効です。

・水をいつも準備しておくことも重要です。ワンちゃんの飲み水には、氷を入れるなどして冷たく新鮮な水がいつでも飲めるようにしておいてください。

ワンちゃんの体調や電気代など、冷房で部屋を低温に保つのが難しい場合は、飲み水を冷たくすることで体温を下げる方法を常に提供しておきます。口腔内のトラブルがなければ、ワンちゃんにとっても冷たい水の方が爽やかで気持ちいいでしょう。

ワンちゃんの夏バテを防ぐ

Young person with dog at home leisure

Lizardflms/shutterstock.com

どんなに熱中症対策をしていても夏バテになってしまうことはあるものです。夏の暑い気温は避けることができないため、夏バテしにくい体作りや体調管理が重要になります。

人間の場合と同じく、ワンちゃんも夏バテしにくい生活習慣のポイントを押さえていくことで、できるだけ体調を維持して夏を乗り切ることができるでしょう。

水分量の多い食事

食事の水分量を増やすことで、脱水症状などの夏バテに有効な対策ができます。ワンちゃんが自分で水を飲んでくれれば問題ありませんが、喉が渇いていなかったり水が常温だったりするとあまり水を飲んでくれないこともあります。

夏場には、普段の食事から水分量を増やしていくことで体温調節しやすいように体を整えてあげましょう。

ドライフードを与えているところをウェットフードに切り替えたり、ウェットフードをドライフードの上に追加することで水分量を増やしたり、ドライフードに水を含ませることで直接水分を与えたり等の方法があります。

ワンちゃんはあまり汚れた水を飲みません。新鮮な水があればそちらの方を飲みたがります。水はこまめに交換して新鮮さを保ち、温度も室温になってしまわないように注意しましょう。

飲みやすい水をいつも準備しておくことで脱水症状を予防できます。

食欲不振に対処する

いつもはフード喜んで食べているのに、夏場になるとフードを残したりいつものタイミングで食べなくなったりすることがあります。人間と同じで、適切なトッピングを加えることで食欲を維持できるかもしれません。

ウェットフードは、食感がより生の食材に近く香りも生きているため、ワンちゃんの食欲を刺激するのに最適です。

1回の食事で、1パックのウェットフード全てを与えなければならないわけではありません。ワンちゃんの食事量や体調などを考慮して様子を見てください。

ウェットフードは新鮮に保管しなければならないため、複数回に分けて与える場合は、サランラップに包んで冷蔵庫で保管する、同日中に使い切るなどして、ウェットフードが痛まないように注意しましょう。生食に近いため、一度開封してしまうと常温ではすぐに傷んでしまいます。

ウェットフードでなくても、旬の果物や野菜を加えることで食欲を刺激できるかもしれません。

注意しなければならないのは、果物や野菜はワンちゃんにアレルギー反応や中毒症状を起こさせたりするものがあるため、何を食べられて何が食べられないのかを事前に調べてください。

玉ねぎ、ネギ、アボカド、ぶどうは中毒症状を引き起こす代表的な食材です。

ブラッシング

基本的に、ワンちゃんは夏用と冬用で毛の生え方が変わります。

毛が抜ける種類のわんちゃんを飼っておられる方なら、いやというほどご存知かもしれませんが、夏や冬が到来する前は驚くほど毛が抜けていきます。

自然に全てが生え変わってくれればいいのですが、毛量が多いワンちゃんの場合、毛が絡まって綺麗に生え変わってくれないものです。このような場合には、毎日丁寧にブラッシングしてやることでアンダーコートをしっかり除去してやりましょう。

夏毛にしっかりと生え変わっていれば、ワンちゃんも幾分快適に過ごせるようになります。生え変わろうとしている毛を無理やり引っこ抜くのは言語道断ですが、丁寧にブラッシングすればあまり皮膚を傷めずに毛の生え変わりを手伝ってやることができます。

散歩の時間帯には十分に注意を

夏バテを防ぐには、散歩のために出歩く時間にも工夫が必要です。直射日光がガンガンと照らしている日中はもちろんのこと、日が沈んできた夕方もワンちゃんには暑過ぎるかもしれません。

黒いアスファルトやコンクリートは、日が沈んでからもかなりの高温を維持しているため、注意しなければ肉球をかなり痛めてしまうでしょう。日が沈んでしばらくしてから、地面の温度がある程度下がったのを確認して散歩に連れ出しましょう。

どうしても日中に散歩に行かなければならない場合は、可能な限り日陰を歩いたり側溝を覆う鉄板の上を避けることで、ワンちゃんが足を火傷しないように配慮してあげてください。

すでに夏バテで体力が低下している場合、無理やり散歩に連れ出してしまうとさらに体調を悪化させる危険性があります。調子が悪そうに見える時は、そのまま涼しい環境で休ませるのが賢明です。

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