知っておきたい！保健所と動物愛護センターの違いとは一体？？

動物愛護センターなどでの殺処分はどんなプロセスで行われる？

動物愛護センターに収容されていて行き先がない動物は殺処分されることになりますが、動物によってその扱い方は異なります。先述の東京都動物愛護相談センターの例から具体的なプロセスについて見てみましょう。動物愛護相談センターは以下のような法律に基づいて業務を行います。

「狂犬病予防法」 「動物の愛護及び管理に関する法律」 「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」 「化製場等に関する法律」

これらの法律を遵守するために仕方なく動物を殺処分するようです。 どのように行うかですが、まず飼い主不明の動物に関しては収容を行って原則７日間待ちます。 負傷している動物については必要な治療を行います。 また咬傷事故を起こした飼い主の不明な犬については狂犬病検診を行います。 もし収容している間に飼い主から連絡があった場合は、飼い方についての指導を行ってから返還します。 また希望者がいれば講習会を実施してから譲渡を行います。 愛情や責任をもって終生飼養できるかどうかが譲渡のポイントとなります。

このどちらも起きない場合は殺処分されます。 つまり飼い主不明の動物については、引き取り希望者がいるか飼い主が名乗り出るかどうかで生き残れるかどうかが決まります。 最大７日間の命となるので、いわばセミの一生のような残り時間を過ごすことになります。

ちなみに以下のようなケースでは譲渡してもらえません。

・飼養管理が困難な生後間もない子犬や子猫 ・治療が困難な著しい苦痛を伴った負傷動物 ・著しい攻撃性等、問題行動を持ち矯正が困難な動物 ・飼育管理が困難な高齢動物

では飼い主から引き渡された場合はどうかというと、実は原則即日処分になってしまいます。 ７日間の猶予はなく、いきなり殺します。 そのため愛護センターでは、引き取りをする前にまずは話を詳しく聞いてから判断を下します。 事前に電話で相談する必要があり、やむをえず引き取る場合は日時や場所を指定してから有料で引き取ります。 いずれにしても飼い主から「捨てられた」場合は即座に抹殺されてしまうので、非常に痛ましい状況と言えるでしょう。

動物愛護センターや保健所の職員の精神衛生

ALPA PROD/shutterstock.com

動物愛護センターで働いている人、あるいは働いていた人は、本心ではないにしても殺処分の現場に居合わせることがあります。こういった場所で働く人はどのような気持ちで業務を見守っているでしょうか。実際の職員の声としては以下のようなものがあります。

好きな動物を助けたいと思い獣医師になったのに、なぜ動物を殺しているんだろうって。今まで（犬や猫）100匹以上は手にかけました……注射器のシリンダーの目盛りが減っていくんですけど、手が震えて力が入らなくなったこともありました。閉じた目は2度と開かないんです。仕事なので誰かがやらなければならない。悔しい気持ちだけでは何も変わらない。殺処分される動物を少しでも減らすために変えていかなければと思うようになりました。

出典:http://news.livedoor.com/article/detail/13761678/

数が多すぎるのが一番の問題。当センターも、現状はぱんぱん。どうしても殺処分せざるをえない。昨年度は399頭の猫を殺処分しましたが、“やりたくない”と涙を流す職員もいます

出典:http://news.livedoor.com/article/detail/13761678/

昔はここにいっぱいの犬が収容されていました。電話で、心ない言葉を言われたこともあります。職員たちはみな、なぜ殺さなければならないのか葛藤していました。最後は、処分室の箱の中に二酸化炭素を注入して窒息死させます。幼い犬や猫は呼吸が浅いので死にきれない場合がある。そのときは、麻酔などを打って殺すんです

出典:http://news.livedoor.com/article/detail/13761678/

このようなコメントを見ていると、やはり殺処分に携わる人の心のうちは苦しいようです。誰も好きでやっているわけではなく、業務上仕方なくやっているのでしょう。