犬ににんにくを食べさせるのは有りなのか?無しなのか?!犬に与える影響とは

犬ににんにくを食べさせるのは有りなのか?無しなのか?!犬に与える影響とは

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人間にとっては健康食品である「にんにく」ですが、ワンちゃんにとっては中毒を引き起こしかねない危険な食材と考えられています。ワンちゃんが「にんにく」を食べるとどんな影響があるのでしょうか。また万が一「にんにく」を食べてしまった場合どんな対処をすると良いでしょうか。詳しく解説していきます!

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「にんにく」は犬にとって危険なのか

犬とにんにく

sobakabarobaka/shutterstock.com

「にんにく」が犬に与える健康上の影響には様々な見方があります。たまねぎと同じネギ属に属しているため、中毒症状を引き起こす危険な食材で、犬には絶対に食べさせてはいけないと警告する専門家もいます。

一方で、「にんにく」には疲労回復や肝臓の機能を向上させるなど、犬にとっても有益な成分が含まれているいるので、少量であれば犬の健康にも良い影響があると考える人もいます。公平を期すために、この記事では両方の主張について取り上げます。

犬に「にんにく」を与えることの危険性について

犬がにんにくをじっと見ている

Igor Normann/shutterstock.com

ワンちゃんにとって「にんにく」が有害だと言われるのは、「硫化アリル」という成分が含まれているからです。「にんにく」はたまねぎと同じユリ科ネギ属の植物であり、ワンちゃんが食べてしまうと「たまねぎ中毒」と呼ばれる中毒症状を引き起こします。

「たまねぎ中毒」になったワンちゃんには、さまざまな健康被害があらわれます。例えば、下痢や嘔吐などをあげることができます。症状が悪化すると痙攣などもおこすようになり、最悪の場合そのまま死に至ることもあります。

加えて「たまねぎ」中毒が慢性化すると、肝機能が低下したり、黄疸が生じたりします。愛犬の黄疸は、被毛の影響で皮膚を見ても識別しにくい症状ですが、愛犬の眼を見ると白目が黄色く変化しているのを確認することができます。

さらに深刻な「にんにく」によって引き起こされる中毒症状として、「溶血性貧血症」や「血色素尿症」を引き起こす可能性が指摘されています。

「溶血性貧血症」とは、血液の主要成分である赤血球が損傷することにより、酸素を全身に送り届けることができなくなる症状です。溶血性貧血症が引き起こされる原因には、遺伝や自己免疫の異常などさまざまな要因があります。

ワンちゃんが「にんにく」を食べてしまった時に生じる溶血性貧血症は、正式には「ハインツ小体性溶血性貧血症」と呼ばれています。

「にんにく」などのネギ類に属する野菜に含まれている「硫化アリル」には、赤血球にある「ヘモグロビン」を変化させ、ハインツ小体を構成する作用があります。

ハインツ小体が構成されてしまった赤血球は破壊されやすく、本来の働きを失ってしまいます。結果として、全身に酸素を送り届けるという赤血球本来の働きが失われてしまいます。そのため、ワンちゃんに貧血の症状が現れます。

ハインツ小体性溶血性貧血を発症したワンちゃんは、貧血状態のために元気を失い、脱力感が見られるようになります。

この溶血性貧血症と併発する形で生じるのが、「血色素尿症」です。おしっこに「ヘモグロビン」が混じってしまい、おしっこの色が茶色や黒褐色になってしまう症状です。

「硫化アリル」の作用によって赤血球が破壊されると、血液中に「ヘモグロビン」が遊離してしまいます。結果として、遊離した「ヘモグロビン」が糸球体を通って尿と混じって排出されるので、尿の色に異常が生じます。

この血色素尿症は、「血尿」とは異なる症状です。血尿とはおしっこに血が混じった状態で、おしっこの色が赤くなります。血色素尿症は「ヘモグロビン」が混じるので、赤色ではなくおしっこが茶色や黒褐色になります。

「にんにく」に含まれている硫化アリルは、たまねぎなどの他のネギ属の野菜と比べると非常に少量です。そのため、にんにくを食べても、ワンちゃんが中毒症状を引き起こさないケースも多いようです。

しかし、どれほどの量の「にんにく」を食べても愛犬が大丈夫なのか、という事は分かりません。愛犬の犬種や体格、食べた時の健康状態などによっても常に変化します。愛犬の状態によっては、たとえ少量であっても深刻な中毒症状を引き起こしてしまう可能性は否定できません。

犬に「にんにく」を与えるメリットについて

にんにくに興味を持つ子犬

CooperP/shutterstock.com

では、愛犬に「にんにく」を与えるメリットはあるのでしょうか。中毒症状に注意しつつも少量であれば、「にんにく」を摂取させた方が愛犬の健康に役立つと考える人もいます。

例えば、中毒作用のある「硫化アリル(アリシン)」ですが、一方でコレステロールの抑制や血栓予防などの効果があるとされています。

また「硫化アリル」には、「ビタミンB1」と結合することにより「アリチアミン」という成分を作り出す働きがあります。この「アリチアミン」には、スタミナ効果があるので、運動量の多い犬には、運動量をサポートする働きが期待できます。

加えて「にんにく」には、ビタミンB1の吸収を促進させたり、愛犬の体内でビタミンB1を増やしたりする働きも確認されています。このビタミンB1は愛犬の疲れを解消し、疲労回復に効果があります。

他にも「にんにく」に含まれる解毒作用は、体内に有害物質が蓄積されるのを防ぐ効果を期待できるとされています。結果として肝臓を保護し、肝機能を向上させるのに役立ちます。

「にんにく」には血管を拡張して、新陳代謝を高める働きもあります。結果としてエネルギー代謝が向上し、神経痛や筋肉痛の改善にもつながります。ドックショーに出場するような競技犬や活動犬には嬉しい効果です。

さらに「にんにく」には、ワンちゃんにとっても、人間と同じようにガンを予防する効果があると期待されています。「キラー細胞」と呼ばれるガンを退治する細胞を増殖させ、がん細胞の増殖を抑えるだけでなく、老朽化した細胞を正常な細胞と入れ替える働きもあると言われているのです。

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