犬が鼻を「フン!」と鳴らすのは何故?鼻の音から分かる愛犬の心理とは一体?
愛犬が「フン!」と鼻を鳴らすのと聞いたことがありますか?あの「フン!」には実は色々な犬の心理状態が投影されていると言われています。犬の心理状態が分かると信頼関係はさらに強まるので、ぜひ参考にしてください。
「フン」と鼻を鳴らすのが病気による場合もある
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リラックスしていたり飼い主に何かを要求していたり、嗅覚をリセットして何かのニオイを嗅ぎたがろうとしているわけでなく、ひたすら鼻を「フン」と鳴らしているようなら何かしらの病気が潜んでいる恐れがあります。
考えられる病気をいくつか挙げてみましょう。
鼻腔狭窄症
「鼻の短い犬種がよく鼻水を飛ばすために「フン」と鼻を鳴らすことが多い」と述べましたが、その回数が多くて呼吸が苦しそうな場合は鼻腔狭窄症かもしれません。その場合は「フン」と鼻を鳴らすだけでなく、「ブーブー」とか「ガーガー」と聞こえることもあります。
大きなイビキを毎日かいている場合や、ちょっとした運動をしただけでハアハアと息を切らしている場合、暑くもないのにハアハアと息苦しそうにしていたら鼻腔狭窄症の可能性があるので動物病院で診察してもらうようにしましょう。
鼻腔狭窄症は先天性である場合がほとんどだといわれています。鼻の短い犬種はもともとブーブーと鼻を鳴らしたりイビキをかいたりすることが多いですが、鼻腔狭窄症にかかっている場合はかなり苦しい思いをしていますので、飼い主による観察が非常に大切です。
ちなみに鼻腔狭窄症にかかりやすい犬種にはフレンチブルドッグ、ブルドッグ、パグ、ボストンテリア、ボクサー、シーズーなどを挙げることができます。これらの短頭犬種を飼っている場合は、鼻の鳴らし方をよく観察して、動物病院に連れて行くかどうかの判断をする必要があります。
そのまま放っておくと熱中症にかかりやすくなったり、呼吸困難になったりしてしまうので早期発見は非常に大切なポイントです。症状によっては外科手術が必要になります。早めに対処するようにして愛犬が楽に呼吸できるようにしてあげましょう。
フィラリア症
フィラリア症は、フィラリアという寄生虫が寄生して起こる病気のことで、蚊によって感染します。ゆっくりとじわじわ犬の体をむしばんでいく危険な病気ですが、フィラリア症の初期症状で軽い咳をするようになります。それが鼻を「フン」と鳴らしているように聞こえるんです。
フィラリア症は放っておくと心臓やその周りの組織を破壊する危険な病気なので、すぐに対処する必要があります。フィラリアは予防薬を正しく投与するとかかることはないといわれている病気なので、獣医師さんに相談して予防をしっかりするようにしましょう。そして蚊の季節には愛犬が刺されないように気をつけてくださいね。
僧帽弁閉鎖不全症
左心房と左心室を区切っている僧帽弁が閉まらなくなり、血液が逆流してしまうのが僧帽弁閉鎖不全症です。心臓の働きを低下させてしまうので、放っておくと命にかかわることもある危険な病気です。
この病気の特徴として、「散歩の途中で疲れて座り込むようになったり」、「ゴロゴロと寝ていたりすることが多くなる」という点があげられます。こういった場面を見ると「老化現象だ」と勘違いすることもあるので注意が必要です。
僧帽弁閉鎖不全症の場合、運動後に咳をするようになったり、安静時にも咳が出るようになったりします。それが「フン」と鼻を鳴らしているように聞こえることがあるようです。もし普段とは違う状況が観察されたら、それが単なる鼻の「フン」なのか、あるいは咳なのかどうかをしっかりと確認しましょう。
頻繁に「フン」と鼻を鳴らすようになり、散歩を嫌がったり食欲がなくなったりするようでしたら、僧帽弁閉鎖不全症の可能性もあるのですぐに動物病院で診察してもらうようにしましょう。
気管虚脱
気管が押しつぶされて上手に呼吸ができなくなることを気管虚脱といいます。この病気になると呼吸困難が起きるだけでなく、呼吸による体温調整ができなくなるので危険な病気であるといえます。特に夏場は気をつける必要があります。また再発しやすい病気でもあるので非常に厄介だとされています。
気管虚脱になると咳をするようになりますが、これを「フン」と鼻を鳴らしているのと勘違いしてしまう可能性があります。ガーガーといった咳が一緒に出ていて呼吸が苦しそうだと気管虚脱の可能性があるのですぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。治療が遅れると脳や肺に障害が残ることもあるので、早期治療が必要です。
ちなみにこの病気にかかりやすい犬種は、トイプードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャーテリアだとされていますが、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーのような大型犬もかかることがあるようです。
精神疾患
不安やストレスが原因で「フン」と鼻を鳴らしているかもしれません。このような状況が長期間にわたると、うつ病などの精神疾患にかかってしまうことがあります。「フン」とため息をつくことが多くなったら精神疾患も疑ってみるようにしましょう。
精神疾患の場合、まずは生活習慣を見直す必要があります。犬にとっては長時間の留守番が多かったり、散歩や遊びに連れ出す時間が少なかったりすると大きなストレスをためてしまうことになります。また家庭内で喧嘩が多いなど雰囲気が悪いことがうつ病の原因になることもあります。
愛犬にストレスがかからないように生活習慣を見直して、ストレスがたまらないような生活ができるようにしてあげましょう。精神疾患を放っておくと、最初は元気がないだけに見えたとしても、病気がどんどんと悪化して最終的に体調を崩してしまうこともあります。
また飼い主との信頼関係も崩れてしまうので、ストレスには気をつけるようにしましょう。「犬がうつ病なんて」と思うかもしれませんが、うつ病は人間だけのものではないのです。
「フン」以外に鼻を鳴らすこともある
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犬が鼻を鳴らすときには、「フン」以外の音が出ることもあります。いかにそのほかの音をあげてみましょう。
「ピーピー」
高い音で「ピーピー」と鼻を鳴らすことがあります。この場合、愛犬は何かに不安や恐れを感じているのかもしれません。そういう時は怒らないで何に怯えているのかを確認してあげましょう。不安や恐れの原因を取り除いてあげれば「ピーピー」と鼻を鳴らすのをやめるでしょう。
甘えている時や遊んで欲しくて鼻を「ピーピー」と鳴らすこともあります。散歩に連れて行って欲しい、おやつが欲しい、相手にして欲しいと要求しているのです。要求が通ると、次からさらに「ピーピー」とうるさくせがむようになります。
鼻を「ピーピー」と鳴らせば言うことを聞いてもらえると考えるようになると、飼い主としてはちょっと大変ですね。そうならないために、愛犬が「ピーピー」と鼻を鳴らして来たらやめるまで無視するようにしましょう。鼻を鳴らすのをやめてから要求通りにしてあげると、しつこく「ピーピー」と鼻を鳴らすことはなくなるでしょう。
「ブーブー」
愛犬が「ブーブー」と鼻を鳴らすのは興奮している時に多いといえるでしょう。遊んでいるときや、留守番をしていて飼い主が帰ってきたときに興奮しやすくなります。そういう時は優しく撫でてあげて興奮が収まるようにしてあげましょう。
一時的な興奮によって鼻が「ブーブー」となるだけならいいのですが、頻繁に起こるという場合は前述のように病気の可能性もあるので注意が必要です。愛犬の様子をしっかりと確認し、必要であればすぐに動物病院に連れて行って受診してください。
まとめ
犬は人間の言葉を話すことができませんが、鼻を「フン」と鳴らすことで心理状態を表面化することがあります。鼻の音だけで愛犬の心理を知ることができるのはとても興味深いですね。
散歩中に鼻を「フン」と鳴らして嗅覚をリセットしたり、気持ちをリセットしたり、リラックスしていて思わず鼻を「フン」と鳴らしたりと、実に様々なシーンで犬の鼻はなります。
楽しく遊んだ1日の終わりに、愛犬が「フン」と鼻を鳴らして眠りについているのを見ると、飼い主としては思わず笑顔が出てしまいますね。愛犬が満足そうにしていると飼い主もうれしくなります。
不満を感じていたり何かを要求したりするのに「フン」と鼻を鳴らすことがあることもわかりました。無理な要求でなければ言うことを聞いてあげて、ストレスがたまらないようにしたいですね。
その一方で、「フン」と鼻を鳴らすことが何かの病気によることもあると知ることができました。中には命にかかわるほどの危険な病気もあるので、愛犬の様子をしっかりと観察したいですね。いつもより元気がない、「フン」と鼻を鳴らすことが多くなったという場合は注意が必要です。
犬はコミュニケーションの手段として鼻を鳴らしていることが少なくないので、普段から愛犬のことをしっかりと観察するのは大切です。愛犬の心理を知ろうと努力することによって、信頼関係をさらに強く築いていくことができるでしょう。
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