犬は抱っこがお好き?正しい犬の抱き方をマスターしよう!

犬は抱っこがお好き?正しい犬の抱き方をマスターしよう!

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愛犬を抱きかかえる際、幸せを感じない飼い主はいません。しかし中には、抱っこを嫌がる犬や、間違った抱き方が原因で健康に支障を来たすというケースもあります。意外と奥の深い犬の抱っこについて、参考になる情報を集めました。正しい犬の抱き方をマスターしていきましょう!

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犬を抱っこする

犬を抱っこする女性

Branislav Nenin/shutterstock.com

愛犬を抱きかかえる際、幸せを感じない飼い主はいません。犬を抱くという行為は、犬好きであればあるほど至福の行為です。しかし中には、抱っこを嫌がる犬や、間違った抱き方が原因で健康に支障を来たすというケースもあります。意外と奥の深い犬の抱っこについて、参考になる情報を集めました。

犬は抱っこが本当に好きなのか

犬が抱っこを好むかどうかは、個体差や今まで受けてきた扱いに大きく左右されるようです。

そもそも自然界では、犬の足が意図せずに宙に浮くことはありません。いつも自分でまっすぐ立っているのが普通であり、自分より大きな捕食者に捕まえられた時や、滑落などで体が宙に浮いてしまった時は体の中で警報が鳴り響いているはずです。

人間に飼育される現代社会では、自然界ほど危険を感じることは少ないものの、やはり本能的に体を持ち上げられたり何かに覆われたりすることに警戒心を感じるのも納得できます。慣れているために抱っこを好む犬もいますが、最初から見知らぬ人に抱っこされても何も感じない犬は存在しない、ということを覚えておく必要があります。

可愛さのあまり、あるいは飼い主に懐いているのを見た雰囲気で自然と手が伸びるかもしれませんが、犬にとって部外者に体を持ち上げられるのは普通ではないのです。

抱っこに慣れさせる

まずは飼い犬のケースで考えましょう。他人の犬や野良犬には、よほど気に入られない限り攻撃対象として受け取られかねないからです。

まず、ご自分の愛犬は抱っこされても嫌がりませんか?嫌がらないようであれば、もうすでに慣れてくれています。しかし嫌がるようであれば、トレーニングでスキンシップに慣れてもらわなければなりません。不必要に体に刺激を与えるためではなく、何らかの事情で突然抱きかかえなければならない状況でもスムーズに抱っこするためです。

最初はエサやおやつで誘導しながら、ひざの上で食べるか受け取るようにします。この時、食べている最中に抱き上げるようなことはしないでください。そうすると、警戒しておやつも受け取らなくなることがあります。

次に、撫でるなどしてスキンシップを一つ加えてからおやつを与えます。おやつを受け取ってからどこかに行ってしまっても構いません。これを繰り返し、おやつを受け取ることとスキンシップを結び付けていきます。

触られると褒められる、おやつをもらえると覚えてくれれば、その内スキンシップを嫌がらなくなります。おやつを複数用意して、ひざの上で食べている間に次のおやつをちらつかせてその場に留まらせるなどの工夫も有効です。

まだ嫌がるようであれば、スキンシップの量をさらにゆっくりとしたペースで増やしてください。嫌がらなくなってくれば、おやつを待たせている間にスキンシップの量を増やしたり、持ち上げたりするなどして慣れさせていきます。

抱っことご褒美や誉め言葉を結びつけ、体に触っても嫌がらない状態を目指します。

しかし、慣れた後も“こちらの都合”で無理やり抱っこするのは避けましょう。犬にはいつでも従ってもらいたいものですが、何かを食べている最中や他の何かに集中している時に無理に抱き上げると、飼い主との信頼関係にひびが入る可能性もあります。

また、犬が抱っこをせがむたびにそれに応えるのも避けましょう。抱っこを気に入ってくれるのは嬉しい限りですが、要求をいつも受け入れていると主従関係が逆転してしまいます。

また、抱っこしすぎることで分離不安症(離れると過度の不安に襲われ、問題行動を起こす)になる危険性もあります。抱っこは愛情表現の一部にとどめておく自制心が必要です。

正しい抱っこの仕方を知る

大型犬を抱っこする男性

Maksym Azovtsev/shutterstock.com

それでは正しい抱っこの仕方を見ていきましょう。基本的に、常にお腹が下に来るように抱っこします。立った姿勢をキープするように、下腹部全体や足を支える抱っこが理想的です。

小型犬の場合、腕全体で包み込むように下腹部を支え、背中はそのままオープンにしておきます。足をねじらせないように気を付けましょう。

中型犬はご自分の腕の長さと犬の体格に応じて抱っこしてください。小型犬を抱く方法でも、後述する大型犬を抱く方法でも問題ありません。

大型犬の場合、腕だけで全体を支えることはできません。まずは前足の後ろに手を入れ、上半身を片方の腕で支えます。下半身は後ろ足の前ではなくおしりの方から支えるように持ち、後ろ足で多少踏ん張れるように抱えます。

後ろ足の前に手を入れて支えてしまうと、重要な欠陥が通っている下腹部を圧迫し、犬にとって非常に不快で危険な状態になります。

逆に、前足は前から抱きかかえても構いません。腹部が苦しいようであれば前足の前から、より上向きの方が快適そうであれば前足の後ろから手を入れて支えます。

どのようなサイズの犬をどのような方法で抱くにしても、犬にとって快適な姿勢を見つけてください。可愛いと思った勢いや、テレビや映画でイメージする抱っこではなく、犬が快適で危険な姿勢にならない抱っこをすることが必要です。

理想的と思える抱っこをしても、犬が落ち着かなかったり苦しそうにしていたりすれば体勢を変えます。

一部の大型犬は、そもそも抱っこが不可能な場合もあります。腕で抱えきれない大きさの犬や、重みに耐えかねて不安定になるようであれば無理に抱っこするのは避けましょう。両腕に収まらないほど大きいと、足にかなりの負担をかける姿勢になりがちです。

長時間の抱っこが求められるような状況では特に、犬が苦しくない姿勢に変えてやる必要があります。

危ない抱っこは避けよう

犬の体に負担をかけない方法が正しい抱っこです。よく見るのは、子犬の両脇を抱えて持ち上げたり仰向けに抱えたりするような抱っこですが、これらは間違っており危険でさえあります。

まず、両脇で犬の全体重を支えてしまうと肩関節や腰に過度の負担がかかります。ダックスフントなどのヘルニアにかかりやすい犬種では、このような抱っこの習慣がヘルニアや関節痛の原因になることがあります。

加えて、両脇を圧迫することで呼吸が妨げられます。物理的な圧迫によって肺が十分に膨らむことが出来ないため、息苦しく感じて嫌がったり暴れ出したりすることもあるでしょう。

次に、仰向けで犬を抱えることも幾つかの危険を伴います。犬は安心できない環境で仰向けになることはありません。腹部は弱点であり、弱点をさらけ出すのは相手に支配されるときか、安心できる環境にある時だけだからです。

抱っこで強制的に仰向けにすると、よほど慣れていない限り本能的に危険を感じてしまいます。

また、柴犬やスパニエル系、シーズー、プードル、パピヨン、ビーグル、ダックスフントをはじめとする軟骨に異常を抱えやすい犬種は、腰を逸らせる姿勢に向いた体の作りではありません。長時間の仰向けで腰に負担がかかり、やはりヘルニア発症の危険性をいたずらに増やしてしまいます。

シーズーやフレンチブルドッグなどの短頭種は仰向けになることで気道が狭まってしまうため、息苦しくなったり気管の障害を発生しやすくなったりします。

さらに、子犬であれば仰向けにすると脱力します。リラックスという意味ではなく、体に力が入らなくなる状態になってしまうのです。

本来は親犬が体を加えて運ぶ時などにする身体反応です。しかし仰向けでの抱っこなど、不自然なタイミングや方法で脱力させてしまうと体の発達が阻害される恐れがあり、やはりあくまで自然な反応として行われる範囲にとどめる必要があります。

そもそも、犬は身体の安定と精神の安定が非常に密接に結びついている生き物です。体が物理的に不安定な状態に置かれれば、それに応じて精神状態も不安定になっていきます。

最後に、両腕で胴を抱き上げるように抱っこするのも危険です。腰への負担という意味で両脇を抱えるのと同じであり、やはりヘルニアや呼吸のしづらさの原因になります。

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