【獣医師監修】犬に麦茶を飲ませても大丈夫?麦茶を与えるメリットと注意点を解説【2023年版】

【獣医師監修】犬に麦茶を飲ませても大丈夫?麦茶を与えるメリットと注意点を解説【2023年版】

update

この記事の監修者(185件監修)

頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

暑い日が続くと、愛犬もバテ気味になってしまいます。そんな様子を見ていると、自分が飲んでいる麦茶を愛犬にも飲ませてあげたくなるかもしれませんね。でも犬に麦茶を飲ませても大丈夫なのでしょうか。今回は、犬が麦茶を飲むメリットや与える際の注意点を解説したいと思います。

update

麦茶パックの誤食に気を付けよう

テーブルの上に置かれたお茶のパック

pu_kibun/shutterstock.com

麦茶を作る時に、麦茶パックを利用して水出ししたり、煮だしたりするご家庭が多いことと思います。麦茶を作ろうと思って出しておいたパックや、作った後に捨てようと思ってちょっと置いておいたパックを、犬が間違ってパクリと食べてしまわないように注意が必要です。

犬はどんなものにでも興味を示します。麦茶の香ばしい香りにつられて、「なんかおいしそうなものかもしれない」と興味本位で口にしてしまうかもしれません。麦茶が大好きな犬なら、なおさら気を付けたいものです。

作る前のものにしろ、作り終わった後の麦茶にしろ、麦茶そのものを飲み込んでしまうと、胃の中で消化されず、消化不良を引き起こしたり、腸に詰まってしまって最悪の場合腸閉塞を引き起こしたりしてしまう危険も考えられます。

誤飲や誤食というのは、飼い主がちょっと目を離したすきに、あるいは飼い主が留守の間に起きるのがほとんどです。

誤飲を防ぐためには

「ちょっとの間だけ」でも、犬はあっという間に口に入れてしまいます。ですから、犬の目の前や、手が届きやすい場所、登れるような場所などに、食べさせたくないものは置いておかないようにしましょう。

ここなら安全と思った場所でも食べられてしまう可能性があります。犬が取り出せないように、麦茶のパック等も開けられない容器などに入れておくといった工夫も大切です。

また、誤飲や誤食を防ぐためにもう一つできることは、日頃から人間の食べる物を勝手に食べないように、愛犬のしつけをしておくということです。

きちんとしつけさえしていれば、たとえ目の前に美味しそうなものがあっても、犬は飼い主の言いつけを守ることを優先しますから、決して食べようとはしないでしょう。

誤飲誤食を防ぐことは、愛犬の健康や命を守るのに非常に大切なことと言えます。

では、万が一犬が麦茶のパックを丸ごと飲み込んでしまったなら、どうしたらよいでしょうか。

もし誤飲してしまったら

口にしてしまったものをなるべく早く吐かせて、体の中から異物を取り出す必要があるわけですが、飼い主が素人判断で無理やり吐き出させるのは難しいですし、危険も伴います。

犬に不必要なケガを負わせたり、苦しい思いをさせたりしてしまう可能性もありますから、そうした場合は慌てずに、まずはかかりつけの獣医師に連絡を取って、指示を仰ぐようにしてください。

「いつ、どれくらいの量の麦茶パックを食べてしまったか、現在の症状はどうか」といった状況を、なるべく詳しく説明します。もし痛がっているとか、苦しい様子を見せている、元気がなくぐったりしているなどの症状が見られるのであれば、なるべく早く病院で適切な処置をしてもらうことが大切です。

麦茶以外に飲ませても良いお茶

器に盛られた色々な種類のハーブとハーブティー

AndreyCherkasov/shutterstock.com

では、麦茶以外で、犬に与えることができるお茶はあるのでしょうか。まず冒頭でも取り上げたように、紅茶や緑茶、ココアなど、カフェインが含まれている飲み物は、犬にとってたいへん危険ですからぜったいに与えてはいけません。

カフェインが含まれている飲み物は他にも、煎茶、ウーロン茶、ほうじ茶、コーヒー、栄養ドリンクなども含まれます。そうした飲料にも気を付けましょう。

では、カフェインが含まれていない、いわゆるカフェインレスのお茶で、犬に飲ませても良いお茶があるでしょうか。下記のようなものが挙げられます。

  • ルイボスティー
  • 黒豆茶
  • そば茶
  • 杜仲茶
  • タンポポ茶
  • はと麦茶
  • どくだみ茶
  • ハーブティー

基本的にこれらのノンカフェインのお茶は、犬に与えても大丈夫です。ただし犬によっては大豆がアレルギーだとか、そばにアレルギー反応を示すといった犬もいます。

何にアレルギー反応を示すかは、個々の犬によって異なります。それで初めて与えるものに関しては特に、ほんの少しの量だけ与えるようにし、その後なんの変化もないか様子を見守るようにしてください。

もし飲ませた後で愛犬に下痢や嘔吐の症状が見られたり、皮膚にかゆみ反応が出ていたり、目の充血や元気がないなどの症状が見られたりするなら、それはアレルギー反応の可能性があります。

すぐに獣医師に見てもらって、適切な処置を施してもらうようにしましょう。そして、少しでもアレルギー反応が見られた飲み物は、今後は与えないようにしてください。

まとめ

犬に麦茶を与えることは基本問題ありません。また麦茶以外にも飲ませられるお茶はたくさんあります。しかし基本的には、麦茶も含めてすべての飲み物に関して言えることですが、日常的にあるいは習慣として飲ませる必要はありません。

犬にとって必要な栄養素は、犬が食べるドッグフードの中にバランスよく配合されていますから、それを食べるだけで十分栄養は摂れていますし、飲み物も水で十分です。

もし、犬がなかなか水を飲んでくれないとか、暑くて夏バテ気味になっているのであれば、麦茶で試してみるのは良い方法です。実際、夏バテして水をあまり飲まないワンちゃんに麦茶をあげたら喜んで飲んでくれて、元気になったという例もあるようです。

“暑い夏の水分補給”という程度を意識しつつ、麦茶を取り入れてみるのも良いかもしれません。

ご意見、ご感想ありましたらコチラ! この記事のコメントへ (0件)
桜 フォトコンテスト 全国のドッグラン一覧
編集部PICKUP
関連する記事

mofmo掲示板