犬のしっぽにはどんな機能があるの?しっぽの動きから分かる犬の気持ちや感情とは

犬のしっぽにはどんな機能があるの?しっぽの動きから分かる犬の気持ちや感情とは

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犬はしっぽを小刻みに振ったり、ゆったり大きく動かしたり、くるりと内側に丸めたりなど器用に動かすことができます。では、犬のしっぽにはどんな機能があるのでしょうか。今回は、意外と知られていない犬のしっぽの機能について、またしっぽの動きから読み取れる愛犬の気持ちや感情について取り上げたいと思います。

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しっぽの動きで分かる犬の気持ちや感情

しっぽが上に伸びた状態で立ち止まっている犬

Przemek Iciak/shutterstock.com

犬のしっぽは横に小刻みに振ったり、ゆったり大きく動かしたりなど表現力が非常に豊かです。しっぽの動きからどんな気持ちや感情を読み取ることができるでしょうか?いくつか代表的な心理状態を紹介します。

しっぽを素早く振っている

犬がしっぽを素早く振っているときは、とても興奮している状態です。振り方の速度や振り幅が大きければ大きいほど、興奮の度合いが強いと言われています。

しかし、興奮している状態であって、嬉しいという気持ちではありません。ですから、犬の性格やどんな状況なのかなどトータル的に考え、気持ちや感情を読み取りましょう。

もし嬉しくてしっぽを振っているなら、思いっきり撫でたり、遊んであげることができるでしょう。

腰を落としてしっぽを大きく振っている

腰を落としてしっぽを大きく振っているなら、飼い主さんやその家族、そのお友達に対して最大限の愛情と敬意を表現しています。

このしっぽの状態は、飼い主さんが帰宅したときや仲のよい犬にあったときによく見られる状態です。

しっぽが真っ直ぐ上に伸びている

しっぽが真っ直ぐ上に伸びている状態は、近くで何かが起こったときや誰かが遠くから近づいてくるときなどによく見られる状態です。

何かに注目していますが、恐怖心や不安、威嚇などの気持ちや感情はありません。また、散歩の途中に突然、しっぽを真っ直ぐに伸ばして立ち止まった場合は、遠くの何かが気になっている証拠です。

しっぽの先が斜め上を向いている状態

しっぽの先が斜め上を向いているときは、自分の方が偉いなど優位性の気持ちを表しています。そして、上がったしっぽが背中側に曲がっているなら、すべてが自分の思い通りになることを期待していることのあらわれです。

しっぽが高く上に上がり曲がっている

シェパードなどのオオカミに外見が似ている犬種によく見られるしっぽの状態で、攻撃する気持ちがあるときに見せる状態です。

しっぽが垂れてゆっくりと揺れている

しっぽが垂れてゆっくり動いているときは、精神的に不安になっています。特に左側にしっぽを振っているなら、不安やストレスを感じているサインなので、その原因を取り除いてあげましょう。

しっぽが後ろ足の間に巻き込んでいる

しっぽが後ろ足の間に巻き込んでいる場合は、何かに恐怖を感じています。また、攻撃的な犬に対して降参しているサインでもあります。

さらに犬を叱った際、しっぽを後ろ足の間に入れてお腹を見せる仕草も、降参していることを表しています。

お尻ごとしっぽを振っている

お尻ごとしっぽを大きく振っているときは、甘えたい気持ちがマックスになっているときによく見られる状態です。

長時間のお留守番の後に飼い主さんが帰宅したとき、信頼しているときなどに見せます。犬同士で見せる場合は、自分よりも優位な相手に自分を低く見せるために行います。

目が合ったときに小刻みにしっぽを振る

飼い主さんやその家族、その友達などを少し離れたところから見つめ、目が合った時に小刻みにしっぽを断続的に振ることがあります。

これは自分の存在をアピールしており、遊んでとか、構ってほしいなどの気持ちを表現しています。

飼い主さんの気持ちと連動する犬のしっぽ

犬はしっぽを使って自分の気持ちを表現しますが、それに加えて、飼い主さんの表情に合わせてしっぽの動きを連動させることもします。つまり、犬は飼い主さんの顔をよく見ながら、自分もその気持ちや感情になってしっぽを動かすのです。たとえば、飼い主さんが笑顔で嬉しい気持ちでいると愛犬もしっぽを大きく振ります。

一方、飼い主さんが怒った表情をすると、しっぽの動きは止まります。

愛犬は飼い主さんの顔の表情をよく観察しています。ご自分の愛犬のしっぽの動きを観察してみてくださいね。

生まれたばかりの子犬はしっぽを振らないのはなぜ?

生まれて間もない子犬たちが、しっぽを振らないのはなぜでしょうか?それは、しっぽを振って社会的コミュニケーションをとる必要がまだないからです。

では、いつ頃からしっぽを振りだすのでしょうか?子犬は平均的には生後約1ヶ月経過すると、しっぽを振るようになります。

生後2ヶ月までには、すべての子犬がしっぽを振るようになると言われています。子犬は生後3週間程度まで兄弟たちと一緒に食事や寝て過ごします。そして、6~7週間目になると、兄弟同士で遊ぶようになり、犬言葉などの社交性を少しづつ学んでいき、しっぽを振る行為がスタートします。

犬のしっぽに見られるトラブル

自分のしっぽを追いかけ回している犬

sirtravelalot/shutterstock.com

愛犬のしっぽに以下のような状態が見られるなら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

しっぽが上がらない

しっぽが上がらず下がったままの元気がない状態が見られるなら、肛門周辺にトラブルを抱えていることが考えられます。

肛門に分泌物が溜まり過ぎ、肛門周囲に炎症を起こしていると、それをかばうようにしっぽを下げる場合があります。

また「馬尾症候群」という病気が発症すると、しっぽが上がらなくなることがあります。この病気は、犬の腰椎・仙椎の中を走る馬尾神経に障害を起こす病気です。症状として痛みや足腰のふらつきがあらわれます。

そのまま放置すると後ろ足が麻痺してしまうことがあるので早目の治療が必要です。

骨折や脱臼

しっぽを強くぶつけたり、噛まれたりすると、骨折や脱臼などをしてしまうことがあります。しっぽはよく動かす部位なので、安静にして治すことが難しため、完治までに時間を必要とします。

しっぽを追いかける

犬が自分のしっぽを追い回している状態が見られるなら、お尻周辺に何か違和感を感じているサインです。肛門周辺に炎症が起きていないか、ノミなどの害虫がついていないか確認してみましょう。

また、犬はストレスや退屈なときにもしっぽを追い回すことがあります。近年では、自分のしっぽを追い回すなど同じ行動を目的なく繰り返す病気、「常同障害」が注目されています。 愛犬がしっぽを追い回す行動が頻繁にみられるようなら、要注意です。

しっぽがハゲている

換毛期とは別に、しっぽがハゲてしまう場合は、以下のような病気が考えられます。

・ラットテイル 犬のしっぽがハゲてしまい、ラット(ネズミ)のようなしっぽ状態になっていることから、ラットテイルと呼ばれています。「甲状腺機能低下症」を発症している可能性があります。

・皮膚炎 アトピー性皮膚炎や細菌感染などで皮膚が炎症を起こすことでハゲてしまうことがあります。脱毛以外にも湿疹や強いかゆみ、皮膚の赤みなどの症状もあらわれます。

・クッシング症候群 クッシング症候群とは、副腎皮質ホルモンというホルモンの異常分泌によって生じる病気です。脱毛以外に水を飲む量が異常に増えること、異常に食欲が増えることなどの症状がみられます。特に高齢犬になると発症しやすくなると言われています。

・感染症 ノミやダニがしっぽに寄生することで、ハゲてしまうことがあります。その場合、皮膚の赤みや強い痒み、湿疹などの症状もみられます。

まとめ

犬のしっぽの役割についてみてきましたが、いかがでしたか?しっぽにはさまざまな役割や働きがあり、犬にとってしっぽはとても重要な部位であることが理解できたのではないでしょうか?

また、犬のさまざまなしっぽの動きから、感情や気持ちを読み取ることができることも分かりました。是非、愛犬のしっぽの動きから、愛犬の感情や気持ちを読み取ってあげてくださいね。

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