
犬に『離せ』を教えよう。しつけの方法のコツをご紹介。
犬とおもちゃで遊んでいるとき、ほとんどの飼い主がこの悩みを持っていると思います。それは、犬がおもちゃをずっと離さない。飼い主が犬に何をしようがおもちゃを離さない犬に、「離せ」を教える方法を伝授いたします!

離せのしつけ方法
さて、本題の犬の離せのしつけ方法です。まず犬とボール遊びをし、ボールを自分のところに持って来させます。
この際、自ら犬のところに行きボールを奪い取るような方法は厳禁です。そうすると、犬はボールを取られると思い、逃げてしまいます。 そのため、犬の名前を呼びながら後ろに下がっていくと犬は少しずつ寄って来るようになります。
ボールのヒモをつかむことが出来たら、「離せ」とコマンドします。犬はもちろんボールを離しませんので、ボールをつかんでないほうの手で犬の口に手を入れ、犬の口をこじ開けます。
ボールと口との隙間を作り、ボールを離したところで、思い切り犬を褒めてあげ、ご褒美としてまたボールを投げてあげましょう。
この方法を行うことで、犬は「ボールを奪い取られたわけではなく、ボールを離したらまたボールで遊んでくれる」と認識をします。 この方法を続けることで、犬は何をくわえていようが、離せのコマンドで物を離すようになります。
犬の力が強い場合
成犬や大型犬の子犬では、犬の噛む力が強く手で口をこじあけることが難しいことがあります。
このようなとき、口をこじ開けることに手間取っていると犬に噛まれるおそれがあるばかりか、犬は急所である口に触られる不快感やボールを取られてしまうという不安から、ムキになってしまうことがあります。
しつけは飼い主も犬も楽しみながら行うことが大切ですから、犬の気持ちを逆撫でするような事態は避けた方がよいのです。
もし簡単に犬の口をこじ開けることができないのであれば、もう1つボールを隠しておき、それを犬の近くに投げてやります。 すると引っ張りっこをしていても犬は新しいボールに興味を引かれますから、くわえていたボールを放して新しいボールを取ろうとします。
ここで犬がくわえていたボールを離す瞬間に「離せ」というコマンドを言います。 または、新しいボールのかわりに数粒のフードをばら撒く方法でも構いません。このときもタイミングよく「離せ」とコマンドを入れましょう。
新しいボールとフードをランダムに入れ替えながらしつけの練習をしていると、犬は「離せ」と言われたら口にくわえていたものを離すようになります。
しつけを終わる際は「おしまい!」と犬に合図を
このしつけで大事なことは、いつまでも離せのしつけの練習を行わないことです。犬がボールに飽きてしまい、ボールの価値が薄れていってしまうためです。
犬がボールに飽きると、他のしつけ方法を行う際にも、影響が出てしまうため、犬がボールに興味があるうちにやめておきましょう。大体7~8回程が限界です。
犬が飼い主とのやりとりやボールに魅力を感じていて「もう少し遊びたい」と思っているところで切り上げることが、数日間あるいは数か月間も繰り返してしつけの練習を続けて行くためのポイントです。
しつけは、あくまでも犬にとっては楽しい遊びなのです。
「離せ」が上手にできるようになってからも、散歩の帰り道にヒモつきボールを隠しておいてサプライズで引っ張りっこ遊びや「離せ」の練習をすることで頻繁に短時間のしつけを行うことができるのです。
また、離せのしつけを終える際は、犬を思い切り褒めたあとに、犬の身体をポンと叩き、「おしまい!」としつけの終わる合図をしてあげましょう。
この方法はほかのしつけにも応用でき、この方法で犬はしつけとのメリハリがつき、集中してボール遊びやしつけを行ってくれるはずです。
おわりに
しつけは1歳までが勝負だと多くの人が思っていますが、トイレトレーニング以外は成犬になってからでも可能です。
特にコマンドに従うことは、ある程度の集中力ができる成犬になってからの方が覚えが速いものです。
口にくわえた物を「離せ」という命令に従って離すことは拾い食い防止の観点からもぜひ覚えさせたいしつけです。
けれども、改まってしつけの時間を設けて厳しく教えるよりは、日常生活の中や散歩の帰り道で遊びながら練習した方が効果的です。
散歩の帰りというのは、犬がほどよく疲れているので興奮しすぎないので恰好のしつけタイムです。しつけタイムはさりげなく開始して、はっきりと「おしまい」と告げることでメリハリをつけることで終わるようにしましょう。