ドッグフード「ビートパルプ」ってどんな成分?犬に悪いというのは本当?

ドッグフード「ビートパルプ」ってどんな成分?犬に悪いというのは本当?

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mofmo編集部

mofmo編集部です。

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ドッグフードの原材料欄を見るとよく見かけることがある「ビートパルプ」。みなさんはビートパルプがいったい何なのかご存知ですか?ビートパルプとはいったい何なのか?犬の体には良いものなのかどうか見ていきたいと思います。

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ビートパルプの危険性とは?

scared brown labrador puppy lying on the floor

otsphoto/shutterstock.com

ここまではビートパルプを使う目的、メリットについて見てきました。

メリットだけ見てみるとビートパルプは犬にとって良い原料に思えますが、ビートパルプの使用に関しては賛否両論わかれています。なぜならビートパルプの使用には三つの危険性、デメリットがあるからです。

・残留薬剤の危険性 ・残留糖分の危険性 ・健康状態が把握できない危険性

ではビートパルプの危険性、デメリットを詳しく見ていきましょう。

残留薬剤の危険性

一つは残留薬剤の危険性です。

サトウダイコンから糖分を搾り取る方法は二種類あります。

一つは圧力をかけてじっくりと絞り出す方法です。

もう一つは硫酸系の薬剤処理で絞り出す方法です。薬剤を使って搾り取ることで手間をかけず効率的に糖分を搾り取れます。しかし硫酸は毒物劇物取締法で劇物に指定されている危険な薬品です。しかも薬剤処理したビートパルプにはこの劇物薬剤が残留しているリスクがあります。

人間用に使用されているビートファイバーや、家畜のえさに使用されているビートパルプは圧力をかけて作ったものが使われていますが、ドッグフードに使用されているビートパルプは薬剤処理でつくられたものを使用している可能性が高くなっています。なぜならコストをかけずに作れるので安く入手できるからです。

すべてのドッグフードで使用しているビートパルプが、薬剤処理のものというわけではありません。しかしコストを抑えるために使用しているビートパルプの場合残留薬剤のビートパルプの可能性は高いといえるでしょう。

もちろん残留している薬剤の量は微量ですが、毎日残留薬剤のドッグフードを食べ続けていれば後々何らかの健康被害が出ることは想像できるのではないでしょうか?

残留薬剤の恐ろしいことはもう一つあって「便意を抑えてしまう」働きがあるのです。

薬剤がウンチを排出しようとする神経伝達を遅らせるのです。そのため便が腸内に長くとどまるようになります。そのためうんちの水分が吸収されてさらにうんちは硬くなります。

残留糖分の危険性

他には残留糖分の危険性です。

ビートパルプは砂糖を搾り取った残りカスですが、絞り切れなかった糖分がわずかに残っている可能性もあります。

実際にビートパルプ自体はかすかに甘い香りがするようです。中にはかなり糖分が残ったビートパルプもあり、カロリーも高いのです。

糖分がわずかでも残っているビートパルプを摂取し続けていると、肥満になる可能性もあります。糖尿病などの病気のリスクも高くなることでしょう。

健康状態を把握できない危険性

他には犬の健康状態を把握できない危険性です。

ビートパルプを使う目的のところでも見ましたが、ビートパルプ自体には犬のウンチをかためる作用があります。また残留薬剤のため腸内にうんちが長くとどまりうんちが硬くなる可能性もあります。いずれにせようんちが硬くなることは良いことばかりではないのです。

ウンチがかたくなることで掃除が楽になったと喜んでいる飼い主さんもいますが、実はこれは恐ろしいことなのです。なぜなら下痢をしていてもうんちがかたまってしまうからです。

どういうことでしょうか?

犬は自身の体調不良を言葉にして伝えられません。ですからうんちの状態によって健康状態を知れます。下痢をしていれば体調がよくないことがすぐにわかるでしょう。

ところがビートパルプを含むフードを食べていると、うんちがかたまるため本来なら下痢をするはずでも見た目は普通のしっかりしたウンチとなるのです。この時飼い主は健康だ!と感じることでしょう。つまり健康状態がわからなくなってしまうのです。

もしかしたら合わないドッグフードによって消化不良を起こすかもしれません。下痢しているのを見れば、ドッグフードが合わないのか?と思って違うものに変えることもできるでしょう。

しかしビートパルプの作用によってうんちがかたまると、そういった異変にも気付けなくなってしまいます。その結果愛犬の体調はますます悪くなるかもしれません。大きな病気も見過ごしてしまうかもしれません。

もう一つうんちがかたまるデメリットは、便秘になってしまう可能性があるということです。元々排便に何も問題のなかった犬もビートパルプを摂取することで、また大量に摂取することで便秘になることがあります。

ビートパルプは犬にとって悪いの?

ここまでビートパルプを使用する危険性についても見てきました。

では結果的にビートパルプは犬にとって良いものなのでしょうか?悪いのでしょうか?

ここまで見てきたようにビートパルプにはウンチをかためるというメリットもあるので、一概に悪いものとも言い切れません。少量のビートパルプと水溶性食物繊維をバランスよく摂取すれば腸内環境を整えられるでしょう。

しかし実際のところはどの程度ビートパルプを使用しているかわかりませんし、ビートパルプの質もわかりません。もしかしたら残留薬剤の可能性もあることなど総合的に考えるとあまり犬のためにはなっていないともいえますね。

またビートパルプの使用目的のところでも見たように、ビートパルプはかさ増し目的でも使用されています。かさ増しに使用するということはそれだけドッグフード自体の栄養価も低くなります。少食の犬は食べるフードの量が少ないため栄養摂取量も少なくなるでしょう。

こうして考えると、できればビートパルプが使用されていないドッグフードを選んだ方がベストといえるのではないでしょうか?

ビートパルプ以外に気をつけたいもの

市販のドッグフードの中には愛犬のおなかの健康をサポートしてくれるものも多く販売されています。

そんなドッグフードの多くには食物繊維としてビートパルプが含まれていることが多くあります。ですから「食物繊維が豊富!」と売り文句にしているドッグフードを見た時は、原材料欄をよく確認してください。

ビートパルプ以外にも気をつけてもらいたい原料があります。

セルロース

セルロースとは野菜や樹木に含まれている植物性繊維で、ビートパルプと同じく不溶性食物繊維です。ですからセルロースだけ摂取しているとビートパルプ同様にうんちが大きくなり硬くなって便秘になる可能性があります。

栄養価はなく、かさ増しとしても使用されています。

穀物

穀物もビートパルプ同様に食物繊維の補給、かさ増し目的で使用されてます。特に玄米や小麦などは食物繊維目的でよく使われています。安く入手でき加工も簡単なのでドッグフードにはよく使われています。

しかし穀物は犬が消化吸収しにくい食材です。消化器官に負担をかけて下痢やおう吐、またアレルギーを起こすこともあります。

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1 名無しさん
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未だにこのような記事が簡単に出回っているので「ビートパルプ=悪」という風潮が消えないのでしょうね。

「4Dミート」なんかもそうですが現状そんなものが簡単に使用されているはずがありません。

少し調べて少し考えればわかることなんですが。