【獣医師監修】鼻がピクピクしているのはなぜ?犬の鼻が動くメカニズムと心理について【2023年版】

【獣医師監修】鼻がピクピクしているのはなぜ?犬の鼻が動くメカニズムと心理について【2023年版】

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mofmo編集部

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

犬と言えば嗅覚がとても優れた生き物として知られています。ではどんなメカニズムで鼻が機能しているか、他にどんなことに使われているのかご存知ですか?今回は犬の「鼻」に注目してみました。

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犬の嗅覚はどれくらい人間よりも優れている?

犬の鼻(アップ)

Nuttyme/shutterstock.com

上記でみた犬の鼻の役割は、人間の鼻の役割とほぼ変わりはありません。しかし、人間と犬の鼻で圧倒的に異なっていることがあります。それは、においを感じる能力、つまり、嗅覚です。

においを嗅ぐ力は、鼻腔の奥にあるる嗅上皮(きゅうじょうひ)という粘膜の広さと、そこに存在している嗅細胞(きゅうさいぼう)の数が関係しています。

人間の嗅上皮は3~4c㎡程度しかありませんが、犬の嗅上皮はヒダ状にすることで広い面積を確保することができるため表面積は人の10~50倍もあると言われています。

嗅細胞の数も人間の500万個に対し、犬は約2億個もあるため感度がわたしたちとは比べものにならないほど敏感です。

においの種類によって嗅ぎ取る能力は異なりますが、犬の嗅覚は人の1000倍~1億倍も優れていると言われています。

つまり、空気中に漂っているにおい分子の濃度が1000分の1になったとしても、何のにおいなのか嗅ぎ取れ判断できるということです。

においはどのように伝わっている?

では、犬はどのようににおいを感知しているのでしょうか?

次のようなメカニズムがあります。

1、まず鼻の穴から空気がはいります。それにより鼻腔内が空気で満たされます。

2、空気中のにおい成分が臭粘膜に触れることで、嗅覚細胞が刺激されます。

3、嗅覚細胞は刺激されることで、電気信号を発します。

4、においの電気信号が臭球を介して、脳に到達することでにおいを感知します。

臭粘膜は人間よりも広いため、犬は嗅覚が優れています。

犬のにおいの嗅ぎ方には種類がある!?

犬はクンクンとしきりににおいを嗅いでいるイメージがありますが、よく観察してみると2通りの嗅ぎ方をしています。

それは地面に鼻をすりつけるようにして、地面に残されているにおいをクンクン嗅ぐ方法と、鼻先を高くしてピクピクと空気中に浮遊しているにおいを嗅ぐ方法です。

犬はこの2つの方法を使い分けながら、目的を果たしています。

犬が鼻をピクピクしているときの心理とは?

犬の鼻と心理

Sarij/shutterstock.com

わたしたち人間は、何かを表現するときや他の人に伝えたいときには、言葉やジェスチャーを使います。また、何かをするときは手や道具を使うこともします。

一方、犬は「鼻」を使って表現をします。

鼻を使ってさまざまな動きをしますが、その中のひとつとして、「鼻をピクピクさせる」ことがあります。

あなたの愛犬も鼻をピクピクさせることがあるのではないでしょうか?

では、犬が鼻をピクピクさせる動きには、どのような心理が隠されているのでしょうか?

犬が鼻をピクピクしている時の7つの心理をご紹介しましょう。

心理①においに興味を抱いている

犬は人間と比較にならないほど嗅覚がとても優れています。それは人間の100万倍以上とも言われています。

そんな嗅覚に優れている鼻を持つ犬が、鼻をピクピクさせているときは、一生懸命においを嗅いでいることがあります。

なぜそこまでして必死ににおいを嗅いでいるのでしょうか?それは単純に、そのにおいに興味を持っているからです。

「このにおいは前にも嗅いだことがあるな」「何のにおいだろう?」などの心理を抱きながら、興味のあるにおいを嗅ぐことで、鼻をピクピクさせているのです。

心理②集中してにおいを嗅いでいる

犬は嗅覚や聴覚が優れているため、視力は人間よりも劣っていると言われています。人間の視力でたとえるならば、平均0.3ほどしかないと言われています。

そのため、目ではなく、鼻や耳を上手に使って周りの状況を把握しています。より周りの状況をしっかり把握したい時には集中するため、鼻をピクピク動かしてにおいを嗅ぐことがあります。

心理③においを嗅いでさまざまな情報を収集している

犬は周囲の状況を把握するためににおいを嗅ぎ、鼻をピクピク動かしながら情報収集をしています。

たとえばわたしたち人間も、初めてみる食べ物は目だけでなく、においも嗅ぐことでしょう。そうすることで、初めてみる食べ物の情報を少しでも多く得ようとします。

それと同様に犬の場合も、知らないものを見つけたときは少しでも多くの情報をキャッチしようと必死になるため、鼻をピクピクさせてにおいを嗅いでいます。

心理④安全の確認をしている

鼻をピクピクさせることで、そこが安全な場所なのか、安全な食べ物なのかを判断しています。

他の犬や猫などの動物のにおいや苦手なにおいがしないか、食べ物は腐っていないかなどを確認するために、鼻をピクピクさせて安全性を確かめています。

心理⑤飼い主さんのにおいをチェック

お出かけ先から自宅に着くと、愛犬がすぐににおいを嗅ぎにくるという経験をだれもがしたことがあることでしょう。

この行動は、飼い主さんがどこに行っていたのか?ほかの犬と一緒にいたのか?などを知るために、一生懸命においを嗅いで調べているのです。

心理⑥縄張りをチェックするため

愛犬が散歩中に立ち止まり、鼻をピクピクさせている場合は、自分の縄張りを確認していることが考えられます。

犬は縄張り意識が強い動物で、ほかの犬のおしっこのにおいがすると、その上から上書きをするかのようにおしっこをし、自分の縄張りをアピールする子もいます。

また、縄張りを以外にも、ほかの犬たちに自分の存在を知らせるためにおしっこをするとも言われています。

おしっこのにおいを嗅ぐだけで性別、年齢、その犬の体調、犬種などさまざまな情報を知ることができるようです。

そのため、愛犬が散歩中に鼻を動かしながら真剣ににおいを嗅いでいる場合は、縄張りの確認や他の犬の情報を調べているのでそっとしておいてあげましょう。

心理⑦寝ているときに鼻をピクピクさせていたら夢をみているかも?

愛犬が気持ちよさそうに寝ている姿はとても愛おしく癒されます。

そんな愛犬をずっとみていると、急に鼻や口がピクピクと痙攣したように動いている場面に遭遇したことはないでしょうか?

実は寝ている時に鼻をピクピクさせているのは、夢を見ていると言われています。またそれは鼻だけでなく、人間と同じように足が動いたり、寝言を言うこともあります。

目を半分白目にさせながら、鼻をピクピクさせている愛犬の姿は可愛いというよりもモンスターにも見えることがありますが、やはり愛おしい愛犬なので可愛いことに変わりはありません。

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