猫の歯って何本あるの?猫の歯が生え変わるタイミングと健康な歯を維持するための方法とは?

猫の歯って何本あるの?猫の歯が生え変わるタイミングと健康な歯を維持するための方法とは?

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猫の歯の構造がどのようになっているかご存知ですか?猫を飼っている人の中でも知っているという人はあまり多くないことでしょう。でも飼い主として猫の歯についてよく理解しておくことは大切です。それで今回は猫の歯の構造について、また歯が生え変わるタイミングや健康な歯を維持するためにできることを解説します。

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健康な歯を維持するには?

動物病院で歯磨きをしてもらう猫

Africa Studio/shutterstock.com

生え揃った永久歯の健康を維持するためには、飼い主さんのサポートが必要です。

愛猫のために何をしてあげることができるでしょうか?以下のような点を心がけましょう。

①歯ブラシで歯みがきをしてあげる

特に飼い猫の場合、ごはんがやわらかいものだったり、ドライフードの細かい粉が歯に付着しやすため、お口の中が汚れやすくなっています。

口の中が汚れていると、細菌が発生しやすくなり、歯の病気につながります。健康な歯を維持するために、人間同様、歯磨きをするようにしましょう。

歯磨きには猫専用、もしくは小児用の歯ブラシと、猫専用の歯磨き粉と使われることをおすすめします。人間用の歯磨き粉にはキシリトールが入っており低血糖を引き起こす可能性があるので、絶対にNGです。

②歯磨きシートやデンタルおやつをあげる

愛猫が歯磨きを嫌がるなら、綿棒や指で磨くタイプの歯磨きシートを使って、お口の中をキレイにしてあげましょう。また、歯磨き効果のある猫用のデンタルおやつを与えるのもおすすめです。

ただし、猫用のデンタルおやつでは臼歯の根元などに対しての歯磨き効果はほとんどないので、気休め程度の感覚で使用することができるかもしれません。

③子猫のときから歯磨きを習慣にする

子猫の時から歯磨きをし、歯の手入れをすることを習慣とするなら、成猫になっても容易に歯磨きができるでしょう。

歯垢が溜まり、歯石になるまで2~3日と早くできてしまうので、可能であれば毎日、歯磨きすることをおすすめします。

④ウエットフードからドライフードへと切り替えてみる

ウエットフードは柔らかくて水分も多く含まれているため、歯の隙間や歯ぐきと歯の間に食べカスが溜まりやすいので、歯が汚れやすくなります。

もちろん、どんなでも歯の歯石は溜まり、歯の病気になる可能性もありますが、ウエットフードよりも歯は汚れにくいです。

⑤お口の中を定期的にチェックする

猫は免疫力が低下すると、口の中の細菌の働きを抑えることができずに増えてしまうため、さまざまな病気の発症の原因となります。

また、口の中や歯ぐきに傷ができた場合にも、炎症が広がって歯周病につながることもあります。よだれや口臭、歯ぐきの腫れなどがないか、普段から愛猫のお口の中をチェックするようにしましょう。

成猫で歯が抜けるなら病気の疑いがあるかも!

猫の口をチェックする医師

sirtravelalot/shutterstock.com

乳歯から永久歯への生えかわりの時期が過ぎているのに、成猫になってから歯が抜ける子もいます。そのような場合は、病気の疑いがあるので注意が必要です。気を付けたい病気をいくつかあげましょう。

「歯周病」が悪化すると歯が抜ける

成猫で歯が抜ける病気の多くは、歯周病です。猫の口の中はアルカリ性で、虫歯の原因となる虫歯菌は酸性で増殖しやすいので、猫は虫歯になりにくい性質をしています。

しかし、3歳以上の約8割は、歯周病になっていると言われています。早い猫の場合は、永久歯に生え変わる時期に、すでに歯周病になっている子もいるようです。

歯周病は、歯垢の中の細菌が原因で発症する病気です。歯垢が歯と歯茎の間の歯周ポケットに溜まり、石灰化して歯石になることで、歯垢がたまりやすい状態に少しづつなっていきます。細菌は歯の周囲の組織に炎症をおこし、歯ぐきが腫れたり、出血を引き起こしたり、歯がグラグラして最悪の場合は抜け落ちることもあります。

これらは歯周病が原因で生じることです。もし歯周病が原因で歯が抜けた場合、歯周病はすでに重度まで進行している可能性があります。そのまま放置しておくのではなく、動物病院を受診しましょう。

歯周病は、ドライフードを食べている猫よりも、ウエットフードを食べている猫の方が歯周病にかかりやすい傾向にあります。なぜなら、ウエットフードは猫の歯にくっついたまま口の中に残りやすいからです。ですから、普段からウエットフードを食べている猫は歯周病に注意しましょう。

歯周病を予防するために、毎日歯磨きをすることを習慣とするように心がけましょう。

「破歯細胞性吸収病巣(はしさいぼうせいきゅうしゅうびょうそう)」の可能性も!

破歯細胞性吸収病巣とは、歯の組織にある破歯細胞が、猫の歯を壊していくという病気です。「歯根吸収」、「歯頚部吸収病巣」とも呼ばれています。

猫の乳歯が永久歯に生え変わる時、破歯細胞という細胞が乳歯に働きかけて溶かすことで乳歯が抜けるという仕組みになっています。この破歯細胞が、永久歯まで溶かしてしまう状態が破歯細胞性吸収病巣です。

まずエナメル質の欠損から始まり、症状が進行すると歯の上の方に広がり、歯が溶けたように小さくなってしまうことがあります。また、猫の歯の付け根部分に吸収病巣という穴があき、歯茎を残して歯が折れてしまうこともあります。

歯が完全に欠損してしまうと、歯茎を覆っている根元部分が盛り上がってしまい、虫歯のように見えるだけでなく強い痛みも伴うことがありますが、虫歯ではありません。成猫になってからなる進行性の病気で、純血種猫で約80%、雑種猫でも約40%が破歯細胞性吸収病巣になるリスクがあると言われています。

猫の破歯細胞性吸収病巣に見られる代表的な症状には、よだれが増えること、出血すること、痛みで食欲が落ちることなどが挙げられます。

高齢になると歯が抜けやすくなる

猫も人間同様、年齢を重ねと歯を支えている土台が緩くなり、歯が抜けやすい状態になってきます。ですから、愛猫が10歳を過ぎたら定期的にお口の中をチェックし、フードを見直すことができるかもしれません。

高齢ゆえに自然に歯が抜けた場合は特に問題はありませんが、痛がったり、歯肉が腫れたりしているなら炎症を起こしている可能性があるので早目に動物病院を受診されることをおすすめします。

まとめ

猫の乳歯から永久歯への歯の生えかわりや、その仕組み、歯の病気など歯に関してみてきましたが、いかがでしたか? 乳歯から永久歯に生え変わることは、人間同様、成猫へと成長する第一歩ですので、温かく見守ってあげましょう。

また、生えてきた永久歯の健康を維持するために、子猫の時から歯磨きを習慣にしたり、お口の中を定期的にチェックするようにしましょう。

そしてお口の中に何らかの異変を感じたら、すぐに動物病院を受診受診して、適切な治療を受けることをおすすめします。

愛猫の歯の健康は、飼い主さんにかかっています。普段から愛猫の歯を清潔に維持するよう心がけるなら、病気の予防につながります。是非、普段から歯の手入れを積極的に行っていくようにしましょう。

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