猫の耳が「イカ耳」になるのはどんな時?耳から読み取れる猫の心理を解説

猫の耳が「イカ耳」になるのはどんな時?耳から読み取れる猫の心理を解説

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猫はよく、「何を考えているのか分からない動物」とか「常にポーカーフェイスの生き物」というイメージがありますが、実は耳の動きから猫の様々な感情を読み取れるということをご存知でしたか?今回は、猫の「イカ耳」について取り上げます。どんな時にイカ耳になるのか、その時の猫の心理について解説したいと思います。

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猫の耳の作り

猫の耳

Sunat.P/shutterstock.com

人間は眩しいと感じれば目を閉じることができます。においを嗅ぎたくなければ息をとめることができます。しかし,聞きたくないと思っても,耳を閉じることは実際にはできません。「耳をふさぐ」という言葉はあるものの、その言葉は比喩的な表現に過ぎません。

しかし猫は耳を後ろに倒したり、横に倒したりすることができます。なおかつそれによって感情表現までできてしまうわけですから、猫の耳は一体どのようになっているのだろうと思ってしまいます。

猫の耳介の筋肉

耳介(じかい)とは耳のひらひらとした部分のことです。空気中の音波を集め,それを耳の奥に送り込む働きをしています。音のする方向に向け、パラボラアンテナのように集音する役割を果たします。この耳介の筋肉のおかげで耳は以下のような色々な動きが可能になります。

◆耳を前方に向ける 耳を前方に向ける時に使う筋肉は、「前頭筋」と「頬骨耳介筋」(きょうこつじかいきん)が主な筋肉として使われます。

◆耳を後方に向ける 耳を後方に向ける時に使われる筋肉は「頚耳介筋」(けいじかいきん)と「側頭筋」(そくとうきん)が主な筋肉として使われます。

◆耳を下方に向ける 耳を下方に向ける時に使われる筋肉は、「耳下腺耳介筋」(じかせんじかいきん)が主に使われます。

このように猫には耳を動かすための耳介筋があるので『イカ耳』にして感情表現をすることができるのです。

縁皮嚢

猫の耳の付け根には、小さな袋状のものが付いています。これは「縁皮嚢」(えんひのう)といって、猫だけでなく、犬などにもあります。

詳しいことは分かっていないのですが、「縁皮嚢」は耳を動かしやすくするための器官だと言われています。猫は周りの音を聴き取るために耳をアンテナのように横に動かしたり、後に動かします。また、倒したりすることもあります。このような耳の動きをサポートしているのが「縁皮嚢」だと考えられているのです。スカートのスリットやズボンのタックのようなものだと考えるとわかりやすいかもしれません。

猫の耳の位置とその名称

猫の耳はいろいろな方向に向けられますが、実は猫によって色々な耳の向きがあり、その向きや形状を指した言葉もあります。代表的なものをご紹介しましょう。

◆プリック(Prick) ピンと立った耳のことで、最も一般的にみられるタイプです。『立ち耳』とも言います。

◆ルースフォールド(Loosely Folded) やや前方に折れ曲がった耳で、『半折れ耳』とも言います。

◆フォールド(Folded) 前方に完全に折れ曲がった耳のことで、『折れ耳』とも言い、スコティッシュフォールドがその代表格です。

◆カール(Curled) 『巻き耳』ともいわれ、後ろへ巻き上がった耳のことです。アメリカンカールが代表格です。

◆フラッピー(Floppy) 軟骨が柔らかいため形が一定しない耳です。『floppy』とは英語で『だらりとした』を意味しています。

猫って無表情なの?

無表情でカメラを見る猫

gillmar/shutterstock.com

「猫って何を考えているのかわからない……」、「怒っているのか、喜んでいるのかわからない……」と感じる方も多いと思います。

確かに犬などと比べると、犬は表情が豊かで楽しんでいる、喜んでいる、寂しそうにしているなど飼い主さんに感情が伝わってきます。

ではなぜ犬は感情を顔の表情で表すことができるのに猫はできないのでしょうか。それには表情筋が関係しています。犬にはおでこ、頬、鼻、口周りなどに、人と同じくらいの表情筋があると言われています。それに比べて猫には表情筋が少ないと言われています。そんな理由から表情が作りずらいのです。

しかしだからと言って超ポーカーフェイスというわけではありません。感情を表現するために耳は自由自在に動くことができますし、目の瞳孔やヒゲの動き、また顔の表情ではありませんが、しっぽからもねこちゃんは多くの感情を発信しています。

常に一緒にいる飼い主さんなら、ねこちゃんの全体をみて今どんな気持ちでいるのかほぼわかるのではないでしょうか。

でも、猫を飼ったことのない方であっても猫の耳を見てください。『イカ耳』になっていたらどのような状況でそうなったのか観察してみるのも楽しいかもしれませんね。

まとめ

今回は猫の耳にフォーカスをあててみました。猫はいろいろな感情の時に耳をイカ耳にします。

例えばストレスが溜まっている時や遊びがヒートアップしている時は『イカ耳』になっているのではないでしょうか。

飼い主さんに甘えたくて『スリスリ』、『ゴロゴロ』していますか? そんな時も頭を撫でられやすいように『イカ耳』になっているのではないでしょうか。

ねこちゃんは無表情に見えがちですが、『耳』だけを見ても色々な感情が現れています。猫の耳の周りの筋肉は非常に発達しています。そのため猫は耳の動きで自分の感情を伝えようとしています。今度猫と触れ合う時は、耳の動きをいろいろ観察すると楽しいでしょう。

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