
猫が警戒しているときの仕草とは?顔や体の動きから猫の気持ちを読み取ろう
猫は用心深い生き物です。犬やうさぎなどと比べてはるかに周囲への警戒心が強く、長年猫を飼っている方でもなかなか打ち解けられないと感じることもあります。それほど警戒心の強い性格を持つ猫ですが、警戒している時はどんな仕草をしているでしょうか。また、そこから読み取れる猫の気持ちを考察してみましょう。

猫の警戒心の対象となるもの

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猫が警戒心を持っていること自体は何ら不思議なことではありません。元来野生動物として生活していた猫は、さまざまな脅威と戦って自分の身を守らなければなりませんでした。なぜなら、野生の環境ではほんの少しの油断や隙が死につながったからです。
猫の場合、こういった傾向が他の愛玩動物に比べて強いようで、犬やウサギ、ハムスターなどのペットよりも人間に懐きにくく、警戒心をいつまでも持っている傾向にあります。
そういった事情から、何か新しいものや見慣れないものに見たり触れたりした時に警戒心を働かせます。
見慣れないおもちゃや他の動物はもちろんのこと、今まで見たことはなかった果物やおやつを与えようとする時、新しい家に引っ越した時やキャリーバッグやプレートで新しい場所に移動した時にも、警戒心ゆえに様子を伺ったり物陰に隠れようとしたりします。
座って毛づくろいをしていることもありますが、それはもうすでにその環境に馴染んだからではなく、自分の体を触って気持ちを落ち着かせながら周囲を観察したり警戒したりしているからです。
それらのものや環境に少しずつ触れることで、猫は自分のペースでそれらに慣れていこうとします。少しずつ行動範囲を広げたり、少しずつ口に入れたり触ってみたりすることによってです。そうして自分の身の回りにある見慣れないものや新しいものに慣れていくと、今度は好奇心や探究心を持つようになります。
犬と違って、猫が家の中のいろんなものにちょっかいを出したり壊したりするのはそれが理由です。犬も留守番中に放っておかれると家の中のものを割ったり破ったりすることはありますが、猫よりも好奇心は少ない光景が多く見られます。
見慣れないものに少しずつ好奇心を感じてちょっかいを出そうとするのは、猫が猫であるゆえの特徴と言っても差し支えないでしょう。
これにより、猫除けのトラップは効かなくなることがあります。CDやDVDのディスクや、水の入ったペットボトルをぶら下げて猫や小動物が入らないようにするトラップを見かけることがありますが、いずれ猫が恐怖を克服して好奇心を感じ始めるともはや効果はなくなります。
家の中を駆け巡るのも警戒心や好奇心から
猫は、家の中の高いところによじ登ったりクローゼットの中を探検したりします。もちろんこれも個体差があり、中には1日20時間以上寝ていて全く動かない猫もいます。
しかし一般的な傾向から言って、猫は動き回ったり何かに興味を示して行動したりすることが比較的多い生き物です。家の中を行ったり来たりするのは、自分の縄張りをパトロールするためのようです。
家具の配置や、いつも置かれているカバンが無くなっていること、台所の調理器具の配置が変わっていることや、いつもと違う新しいものの匂いがすることなども、彼らにとっては警戒心や好奇心を抱く対象となります。
家の中をパトロールしていつもと違った様子はないか、あるとすればそれは何なのかを知ろうとしているようです。
何気ない買い物をしてそれを家に置いておくと、それもいつもと違う変化であるために、猫は警戒心や好奇心を抱きます。
家具や電化製品はもちろん、花や衣服でさえもそうした対象となり得るため、慣れないうちは粗相をして抗議したり、どこかに隠れて近づこうとしなかったりするかもしれません。
猫にも愛情は伝わる

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猫を飼っていると、自分が甘えたい時は寄ってくるものの、そうでない時は非常に冷たくそっけないと感じることもあります。これは猫という生き物の特性であり、特に犬と比べると全く違う気質であるため、猫を飼う際には受け入れなければならない現実です。
ずっと毎日世話してきたのに、自分の気分次第でかみついたりひっかいたりすることも日常茶飯事です。自分の愛猫に付けられた生傷は数えきれないかもしれません。
しかしそんな猫でも、飼い主と訪問客を同じとみなすことはありません。時折寄って来ては前足でちょいちょいと体を叩いてくることもあり、それは飼い主を信頼しているゆえのスキンシップです。
猫が行うスキンシップや仕草の意味については各種議論があり、現在でもそれぞれの仕草の明確な理由は分かっていません。
しかし猫は、信頼関係さえあれば誰に対しても甘えたり冷たく突き放したりする不思議な一面を持つ一方で、自分が脅威と感じていたり信頼していない人に対してはスキンシップを取ることはありません。
飼っている猫や触れ合う機会のある猫が、何らかのスキンシップを取ろうとしたり寄って来たりする場合は、その猫なりの愛情表現と捉えて良いようです。
「猫は、飼い主のことを“大きい猫”だと思っている」とよく言われるように、猫との付き合いには様々なトラブルや不思議な行動がつきものです。私たち人間が猫の気持ちを正確に理解することは永遠に不可能なのかもしれませんが、表情や行動から猫の気持ちをより汲み取ることは可能です。
むやみな刺激を嫌がるのは猫だけではありません。猫にとってできるだけ穏やかで落ち着ける環境を用意し、猫の気持ちに合わせて向こうのペースで距離を縮めるようにしていくならば、いずれ家族の一員として欠かせない存在となり、数え切れないほどの笑いや愛しい思い出を残してくれるでしょう。