犬はどんな時に抱っこが必要になる?正しい犬の抱き方を体型や年齢別に解説!
犬は抱っこをされるのが大好きな動物です。抱っこは人間と犬とのコミュニケーションやスキンシップに欠かせませんし、危険回避のために抱っこが必要になる時もあります。ですから抱っこはいろんな機会や状況で必要になってくると言えるでしょう。それでここでは、正しい犬の抱き方を体型や年齢別に見ていきます!
犬を抱っこするのが必要なのはどんな時?
Mangostar/shutterstock.com
犬は抱っこをされるのが大好きな動物です。抱っこは人間と犬とのコミュニケーションの手段の1つであり、スキンシップに欠かせない行為といえるでしょう。
しかし単に人間と犬の心の距離を縮めるための抱っこだけではなく、危険回避のための抱っこが必要になる時もあります。ですから抱っこはいろんな機会や状況で必要になってくる事があると言えます。
ですから犬の抱っこの仕方もですが、それと共に抱っこが必要になる状況についてよく知っておく必要もあります。ではまずその点から見ていきましょう。
愛情表現のための抱っこ
犬は人と関わりを持って生きてきた歴史がありますし、そもそも飼育用として飼われてきた動物ですので、人からの愛情が必要不可欠です。どの犬種も、程度の差こそあれ人からの愛情を欲しています。
ですから愛情表現のひとつとして実際に触れてあげることは大切と言えるでしょう。特に体全体で触れることのできる抱っこは、愛情表現の最たる例となるわけです。
とはいえ誰から構わず抱っこされても大丈夫ということではありませんので注意が必要です。初めての人や慣れていない人が急に抱っこしようとすると、嫌がるかひどい場合は攻撃してくることも考えられます。
ですから家族であっても、最初のうちは短い抱っこに留めておいて、少しずつ抱っこに慣れさせるようにしましょう。初めて抱っこする人は急に抱きかかえるのではなく、少し撫でてあげながらスキンシップを取りつつ抱っこを試してみるのが良い方法です。
人混みの中での抱っこ
愛情表現のひとつとしての抱っこだけではなく、しつけの一環として抱っこを覚えさせるのが必要な時もあります。例えば人通りの多い通りを歩くときは、愛犬が人に興味を持って近づいていってしまうこともあります。
もし噛み癖があったりしたら大変ですね。抱っこを覚えていれば人に向かう傾向を抑える事ができます。
また、ドッグランなどで同じ犬同士が集まる場所で犬同士の喧嘩や求愛が始まることもありますので、危険回避などのために抱っこは覚えさせておいた方が良いでしょう。
さらに車通りの多い場所を通らなければならないときは、リードをつけていたとしても犬を歩かせるのには危険が伴います。ですからその時だけは抱っこが必要になりますので、普段から抱っこできる癖を付けておくと良いでしょう。
犬の体型別で見る抱っこの仕方
抱っこは基本的には体の前の部分で持つものですのでどの犬でも同じですが、体型に合わせた抱っこの仕方を覚えることで、より安定した抱っこをすることができるようになります。
持ち上げ方や腕の位置によって安定性も変わってきますので、しっかり覚えるようにしましょう。
小型犬の場合
Olena Kondratenko/shutterstock.com
小型犬は体が小さいので持ち上げやすいのですが、前足を持って持ち上げてしまうのはやめたほうがよいでしょう。この方法は足を脱臼させてしまう恐れがあるからです。
そうではなく、自分が体の態勢を低くして愛犬を真横に引き寄せます。そして胴体の部分に触れながら手をお腹の方へ回していきます。そうすると簡単に持ち上げることができます。
ただ、持ち上げただけでは小型犬ですと体が不安定になりますので、持ち上げた肘は愛犬を軽く押さえ込むようにするとしっかりホールドすることができるでしょう。
その後お腹で支えている手のひらは、前足の部分と胸の部分に引っかかるように調整します。そうすることでより安定感が増します。
通常愛犬を持ち上げる時はリードが付いていたりするものですが、リードをブラブラと下げたままにして歩いていると、リードを踏んで転んでしまう危険がありますのでやめましょう。リードはしっかり巻いて手に持つか、首に引っ掛けて地面につかないようにするなどの対策を講じておくと良いです。
ただ片手で持つだけだと、小型犬の場合持つことはできるものの、長時間持ち続けるのは手が疲れてしまいます。
それで対策としてはもうひとつの腕で支えることができますが、空いている手は愛犬のおしりの部分に当てて、こちらの手に愛犬の体重を乗せるようにしながら両腕で支えるようにすると、長時間持つことができるようになるでしょう。
しかしこの方法のデメリットは、小型犬の場合は簡単に飼い主の腕から上部へ上ることができてしまうことです。とくに興奮していたり抱っこに慣れていなかったりする愛犬ですと、飼い主の体を登ってしまいがちです。
興奮している時はできれば片手でもち、四足ともにぶら下がったフラットな状態にして、飼い主の体をよじ登ることができない状態にしてあげると安定して持つことができるでしょう。
小型犬にとって抱っこされている状態は、飼い主の身長差を加味してもかなり高い位置で持ち上げられていることになります。もしかすると不安に感じるかもしれませんし、怯えてしまうことも考えられます。
なるべく落ち着いている状態で持ち上げるか、飼い主との信頼関係を築きながら抱っこするなどして安心感を与えるように心がけましょう。
中型犬の場合
Branislav Nenin/shutterstock.com
まず愛犬を横にした形で立ちます。そして腰を下ろして膝をつき、片方の腕を愛犬の胴体に差し入れて抱きかかえるような姿勢になります。
そのときもう片方の腕は、愛犬を支えるようにしてお尻の方を持つようにします。その際腰に負担がかかりますので、なるべく愛犬との体を密着させるようにしたほうが良いでしょう。
そしてお尻の方を持った手で後ろ足も抱え込みながら、自分の体に引き寄せます。その体勢でもちあげることができます。片方の膝をついて体勢を整えてから立ち上がるようにしましょう。
この方法だと腰に負担がかからず持ち上げることができます。中型犬とはいえ25kgの成犬がその範囲に入ってきますので、やはり重さは感じるものです。
しっかり抱え込んで立ち上がることができればあとは大丈夫でしょう。愛犬を胸の位置まで持ってきて、片方の腕は愛犬の前足の胸のあたりでしっかりホールドし、後ろ足はもう片方の腕で支えている体勢になります。
しっかりホールドされていれば愛犬も安心して身を任せることができますし、多少動いたとしてもバランスを崩さずに抱っこを続けることができるでしょう。
やはり愛犬を怖がらせないで抱っこすることが、一番抱っこしやすく暴れさせない抱っこのスタンスになりますので、日頃から同じ姿勢で抱っこにまで持っていくように心がけ、抱っこした後でも声を掛けるなどして安心させるようにしたほうが良いでしょう。
大型犬の場合
Maksym Azovtsev/shutterstock.com
ゴールデンレトリーバーやラブラドールなどはかなりの大型犬ですね。小型犬や中型犬のようにサクッと持ち上げることはかなり難しいでしょう。しかし持ち方のコツがありますので、それさえつかめば大型犬でも抱っこすることは可能なんです。
大型犬は25kg以上で、超大型犬になると40kgを超えることになりますので、おおよそ30kgの米袋を持つのと同じになります。これはかなり腰に負担がかかるため、一番難しいのは抱きかかえて持ち上げる作業になります。
ですから持ち上げる距離を少しでも短くするために、ソファーやテーブルなどの高さのあるものの上に愛犬を誘導してから持ち上げるのが良いでしょう。
まずは、犬が立った状態でないと抱きかかえられませんので愛犬を立たせます。そして中腰になって片方の腕をお尻の方へ持っていき、体に密着させるようにしながらしっかりホールドします。その後もう片方の腕を前足と喉元の中間に持っていって、これも体に密着させるようにしながらホールドします。
この体勢のまま立ち上がるわけですが、40kgもの体重ですのでバランスよく持つことがかなり重要になってきます。それでお尻の方を持った腕はしっかりと脇を絞めて体重を支えられるようにし、愛犬の体重をお尻の方へ持っていくような体勢に整えていきます。
そうすることで、愛犬も体が前のめりになることなく安心して抱っこを任せることができます。
もちろんこの体勢が難しいようなら無理をしないほうが良いでしょう。なにしろ体重がかなりありますので、腰を痛めてしまう原因になるだけでなく、愛犬も不安定な体勢になって抱っこが嫌いになってしまいますし、ストレスが増えてしまうことにもつながります。
日常の中で車に乗せなければならないときや、街中でエスカレーターやエレベーターに乗せなければならないときなど、どうしても必要に迫られて抱っこするときがあるかも知れません。そのような時にはソファやテーブルに愛犬を立たせてから抱っこするといったことはできませんね。
必要に迫られて抱っこするときなどは高い位置から抱きかかえることができませんので、自分が膝をついて持ち抱える姿勢にならなければいけません。それで、可能な限り自分の体に引き寄せてから持ち上げるようにしましょう。
年齢に合わせた抱っこをしましょう
WilleeCole Photography/shutterstock.com
人間が年齢を重ねるとともに体に老いが生じるのと同じように、愛犬も年を重ねれば体が弱ってくるものです。ですから年齢に合わせた抱っこが必要になります。
小型犬と中型犬、大型犬の年齢は年月が経つにつれて大型犬の方が早く年を取っていきますが、大まかに言って7歳を超えればシニア犬の部類に入るといって良いでしょう。
大型犬が12歳にもなれば、もう90歳ですので介護のレベルになるわけです。そうなれば愛犬にも病気が出てきたりするものです。
特に抱っこの大敵なのが、体重の増加と椎間板ヘルニアです。体重が重ければ腰に負担が来て、抱っこの体勢が悪ければヘルニアになりかねません。またすでにヘルニアになってしまっているなら、どうしても必要な時だけ抱っこする程度に収める必要もあります。
ですから、若いときの愛犬のようにいきなり持ち上げたり、適当な体重バランスで抱っこしたりするなら、愛犬が痛がって抱っこを嫌がってしまうでしょう。
歳を重ねた老犬を抱っこする際には優しく持ち上げ、決して縦抱っこにならずに水平に、地面に対して垂直になるようにして支えてあげるようにしましょう。
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