猫はどんなときに『たぬきしっぽ』になる?しっぽの動きから分かる猫に気持ちとは

猫はどんなときに『たぬきしっぽ』になる?しっぽの動きから分かる猫に気持ちとは

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猫の『たぬきしっぽ』とはどのようなしっぽのことをいうのでしょうか。また、猫はどのような時にたぬきしっぽになるのでしょうか。猫はしっぽによって感情を現します。『たぬきしっぽ』も猫の感情表現の一つとして表れるものです。『たぬきしっぽ』には猫のどのような感情が現れているのか詳しく解説します。

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猫の『たぬきしっぽ』とは

たぬきしっぽの猫

Eric Isselee/shutterstock.com

ねこちゃんの『たぬきしっぽ』とはどのようなしっぽのことをいうのでしょうか。それは、細く垂れ下がったしっぽがなんらかのきっかけで太く膨らみ、毛が逆立ち、しっぽだけがたぬきに変身してしまったように見える時のことを言っています。

姿形は猫なのにしっぽだけがなんだか『たぬき』のようになっている……なんで?って思ってしまいますよね。でもよくあるんです、猫の「たぬきしっぽ」って。

猫はどのような時にたぬきしっぽになるのでしょうか? 猫を飼っている方はすでにご存知かと思いますが、猫はしっぽによって感情を現します。『たぬきしっぽ』もねこちゃんの感情表現の一つとして表れるものです。

では、『たぬきしっぽ』にはねこちゃんのどのような感情が現れているのか、見ていきましょう。

怒っている時

猫が『たぬきしっぽ』になっている時は、攻撃態勢になっていて「怒っている」時です。「シャーッ!!」とか「ウー!!」とうなるのであれば、今にも限界で飛びかかり、噛みついたり引っ掻いてきたりする可能性があります。

考えられる状況は、自分自身の縄張りに他の猫が侵入して来た時などです。外猫であるなら自分自身のテリトリーを見守るためのパトロール中に、見知らぬ猫が来た時などです。言葉で表すのなら「誰だお前! 縄張りから出て行け!」といった感じでしょう。

また、家の中で飼っているねこちゃんであるのなら家の中が縄張りです。新たにねこちゃんを迎え入れた時などに、先住猫ちゃんは自分自身の縄張りに侵入者が来たと怒って『たぬきしっぽ』になるでしょう。

基本的には喧嘩はしたくないというのが本音かもしれませんが、攻撃体制のスイッチが入ってしまっているのも事実です。しっぽは膨らみ、全身の毛が逆立ち、威嚇しているのです。また、背中が弓なりになっているのも特徴の一つです。そうすることにより自分の身体を大きく見せ、効果的に威嚇しているのでしょう。

猫はイライラがマックスになったときに、このような『たぬきしっぽ』になるのです。

怖がっている時

何らかのことで不安や恐怖を感じて怖くなっている時にも、猫はたぬきしっぽになります。

こちらも縄張り争いの時などによく見られます。自分自身のテリトリーに知らない猫などが侵入してきた時など、けん制の意味を込めてたぬきしっぽになります。「お前なんか怖くないからな!!!」と強気な態度で威嚇してはいるものの、内心ドキドキしながら侵入者を近づけないようにしっぽを膨らませて頑張っているのです。

怒っている時と同じように見えるのですが、怖がっている時はややうずくまりがちの低めの姿勢になっています。どちらかというと怖さを隠すために怒ったふりをして、相手を退散させようとハッタリをかましている時といえるかもしれません。

また、新たにねこちゃんを迎え入れた時など、たとえまだケージの中であったとしても新しいねこちゃんは新たな環境ゆえに怖がってたぬきしっぽになることもありますし、先住ねこちゃんは「縄張りを荒らされる!!!」という怒りの気持ちがいっぱいになってたぬきしっぽになるでしょう。

しかし対象は猫に対してだけではありません。自分自身の縄張りともいえる自宅に知らない人が来た場合にも、侵入者だと思い怖くなりたぬきしっぽになることがあります。

家猫ちゃんであっても弱い物が狙われてしまうということをきっとを分かっているのかもしれませんね。しかし実際のところは、恐怖のあまりたぬきしっぽのまま後ずさりをして、ベッドの下など物陰に隠れてしまうようです。

お客さんが来るたびに愛猫ちゃんがたぬきしっぽになるようならストレスになっています。来客時は猫が隠れる場所を作ってあげるか、ねこちゃんのいない部屋にするなど配慮してあげてください。

ビックリした時

「ビックリした時」は「怖がっている時」となんとなく重なる部分もありますが、ねこちゃんにとって「ビックリした時」もたぬきしっぽになる確率は高いといえるでしょう。

例えばインターフォンや電話などは、予期せずに突然音がするものです。そんな時もビックリしてたぬきしっぽになってしまいます。また、ねこちゃんの近くで何か物を落として大きな音がした時など、一瞬にしてたぬきしっぽになってしまいます。

私たち人間でさえ物静かな環境で急に大きな音がしたり、誰もいないと思っていたところから急に人が出てきたり……などということがあればビックリするはずです。

私たち人間よりはるかに小さいねこちゃんに、知らず知らずとはいえ大きなストレスを与えてしまうのは良くないことです。リラクスして平安に過ごすことができる環境を整えてあげてください。

「絶対嫌だ!!! 断固拒否!!! 騙されないぞ!!!」と感じている時

愛猫ちゃんが「絶対嫌だ!!! 断固拒否!!! 騙されないぞ!!!」と感じている状況を思いつくでしょうか。

例えば病院です。おやつに連れられてキャリーバックに入ってしまったものの、車に乗せられてついたところは病院……怒りと恐怖が膨らんだしっぽに現れているのでしょう。

また、お風呂に入れようとして風呂場に連れてきただけでたぬきしっぽになってしまうこともあります。飼い主さんにやめてほしいことをアピールし、伝えようとしているのでしょう。それでも必要に応じてお風呂にも入れなければならない時もありますし、病院に連れていかなければならない時もあります。そんな時にはできるだけねこちゃんのストレスにならないように対処してあげてください。

たぬきしっぽになる理由には、「絶対嫌だ! 断固、拒否!」ということもあるようです。

遊びで大興奮している時

若い猫や子猫によく見られる状態ですが、おもちゃなどで遊んでいるうちに楽しくて興奮してテンションが上がり、しっぽが膨らむ事があります。ねこちゃんが楽しくて楽しくて盛り上がっている時なので、周りの環境が安全ならばそのまま楽しませてあげてください。

年齢とともにしっぽが膨らむほど大興奮するような遊びはしなくなります。遊んでいてたぬきしっぽになるねこちゃんを見たら、「まだまだ若いんだなぁ〜」と見守ってあげてください。

猫がたぬきしっぽになる時からわかること

犬を怖がる猫

Liliya Kulianionak/shutterstock.com

猫がたぬきしっぽになる時をまとめてみると、下記のような状況が挙げられます。 ◆怒っている時 ◆怖がっている時 ◆ビックリした時 ◆絶対嫌だ!!! 断固拒否!!! 騙されないぞ!!! と思っている時 ◆遊びで大興奮している時

ねこちゃんがたぬきしっぽになる時の条件をこのように見てみると、どうやらねこちゃんが興奮し交感神経が刺激された時に膨らむことがわかります。つまり、怒りや恐怖、驚きや興奮など高まった感情の刺激によって『たぬきしっぽ』になるようです。ねこちゃんが意識的に膨らましているわけではなく、体が勝手に反応しているというわけです。

たぬきしっぽになる原理

ねこちゃんの毛は、『立毛筋』という筋肉の縮小によって逆立ちます。ねこちゃんが怒ったり興奮したりするとアドレナリンが分泌され、そのアドレナリンに反応して『立毛筋』が収縮し、皮膚が引っ張られた時に毛が逆立つ仕組みになっています。

人間で例えるのなら『鳥肌』です。立毛筋は皮膚の毛包から真皮へ斜めに走る不随意筋(平滑筋)の一種で、寒さや恐怖、驚きなどを感じると収縮し、毛のまばらな部分で起こると鳥肌が立ちます。毛が逆立つことや鳥肌を立たせる「立毛筋」は、自分自身の意思によってコントロールすることができない筋肉と言えるかもしれません。

ねこちゃんがたぬきしっぽになるのは交感神経が刺激されるような感情になった時、アドレナリンが分泌されて立毛筋が働き逆毛になる……こうしたことが原理になっているようです。

愛猫のしっぽが太くなった時どうすればいい?

野良猫同士が威嚇している時たぬきしっぽになっているのなら、いくら猫好きであったとしても反応しないようにした方が良いでしょう。噛みつかれたり、引っかかれたりして怪我をしてしまうかもしれません。

多頭飼いで家猫ちゃん同士が威嚇し合っているのなら、見守りながらもケガになりかねないように、まず視界を遮るなどして部屋を分けた方が良いかもしれません。

ビックリしてたぬきしっぽになっている時も、なだめるためであったとしても近づかないようにした方が良いでしょう。しかし、紐が絡まってしまったり、何かにはさまってしまったりなどパニックを起こしているようなら、ねこちゃんの体をバスタオルでくるむなどして安全を確保してあげてください。

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