【獣医師監修】犬にアジはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点【2023年版】

【獣医師監修】犬にアジはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点【2023年版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

アジを犬に与えても問題はありません。アジには犬が中毒症状を起こすような危険な成分は含まれていないので、安心して与えることができます。アジにはたくさんの栄養素が含まれていますが、与え方や量には注意が必要です。ここでは、犬にアジを与える際の注意点やメリットを解説します。

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犬にアジを与えても問題ない?

アジ

K321/shutterstock.com

アジは日本の家庭の食卓では上がりやすい、なじみのある魚の一つです。日本でよく食べられているのはマアジで、刺身やお寿司など生で食しても、焼き魚や煮魚、から揚げやフライ、つみれにしても美味しい魚です。アジは5月頃から11月頃までがシーズンですが、冬でも穫れるので比較的年中手に入りやすい魚といえるでしょう。

アジは人だけでなく、犬が食べても安心な食材です。アジには犬が食べると中毒を引き起こしかねない成分は含まれていないので、アレルギーを持っていない限り安心して与えることができます。アジにはたくさんの栄養素が含まれているので、犬にとってもある程度の健康効果を期待することができます。

犬にアジを与えてもいい量

魚を食べる犬

thecottonhill/shutterstock.com

犬にもアジを与えて問題ありませんが、与える量を守ることは大切です。犬は基本的には毎日食べるドッグフードで、1日に必要とする栄養素をすべて摂取することができています。ですから、栄養をいっぱい摂らせることを目的としてアジを与える必要はありません。アジを与える時は、ドッグフードのトッピングやおやつ程度の量で十分といえます。

犬に与えていいアジの量は、犬の大きさや体重によって異なります。一般に副食は1日の食事量の10%程度で良いとされています。では、1日にどれくらいの副食を与えてもいいのか、犬の体重別に見てみましょう。

超小型犬の場合

超小型犬とは体重が4kg未満の犬のことです。ポメラニアンやマルチーズ、マメシバ、ヨークシャーテリア、チワワやトイプードルといった犬種が含まれます。

体重1~3kgの超小型犬は100g~200gが1日の食事量の目安です。ゆえに、副食を与える時は10%の10g~20gでちょうど良いといえます。ちなみに、小さめのアジの重さは120gほど、可食部は55g程度です。可食部の1/5から2/5程度を目安にできます。

小型犬の場合

小型犬とは体重が10kg以下の犬種のことです。ミニチュアダックスフンドや狆(チン)、ボストンテリア、柴犬、パグやシーズーといった犬が含まれます。

体重5~10kgの小型犬の場合、1日の食事量は300g~500g程度です。ゆえに、副食は30g~50g程度が適量となります。小さめのアジで3/5から1匹程度を目安にできます。

中型犬の場合

中型犬は体重が25kg以下の犬種のことです。テリアやジャーマンピンシャー、バセンジー、ビーグル、日本スピッツやボーダーコリー、ブルドッグなどが含まれます。

体重10~25kgの中型犬は、500g~1000gの間で食事量を調整します。ですから、副食は50g~100gがちょうど良い量といえます。小さめのアジ1匹から2匹程度を目安にしましょう。

大型犬の場合

大型犬は体重が25kg以上の犬種を指します。ゴールデンレトリバーやラブラドルレトリバー、秋田犬、ダルメシアン、ドーベルマン、ボクサーやロットワイラーといった犬種ボクサーやロットワイラーといった犬種のことです。大型犬は1000g以上で食事量を調整していくので、副食も100g前後で調整できるでしょう。

子犬の場合は注意が必要

子犬は成犬と違ってまだ消化器官がきちんと発達していない状態なので、アジを与える時は注意が必要といえます。子犬の犬種や体重に関わらず、ごく少量のアジを与えるだけで十分でしょう。また、骨が喉や内臓に刺さらないようにきちんと取り除いてあげるといった配慮も特に必要だといえます。

犬にアジを与えることで期待できる効果

アジの開き

jazz3311/shutterstock.com

アジには上質なたんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどの成分が豊富に含まれています。また、DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸も多く含んでいる魚です。

たんぱく質は人間や動物が健康に生きていくうえで欠かせない栄養素です。血液や筋肉、骨、爪を作ったり丈夫に保ったりするのに欠かせません。

また、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸は血液の流れを良くしたり、脳を活性化したりする働きをしてくれる栄養素です。血中のコレステロール値を下げ、動脈硬化を抑制する効果も期待できます。さらに、ガン予防や炎症を抑制する働きも持つといわれている栄養素です。

他にも、アジに含まれる「セレン」というミネラルには強い抗酸化作用があるので、免疫機能を高めたり老化を防止したりする効果を期待できます。さらに、ガンやアレルギーの予防にも効果があるといわれています。

犬にアジを与えるときの注意点

犬にアジを与える時は生ではなく、加熱したものを与えた方が良いでしょう。絶対に生はダメというわけではありませんが、生の場合は刺身として販売されている新鮮なものを与えるようにしましょう。なぜなら、生のアジはアニサキス中毒の心配があるからです。

また、生の魚にはチアミナーゼという酵素が含まれています。この酵素はせっかく摂り入れたビタミンB1を分解してしまうので、犬に与える時は生よりも加熱した方が良いとされています。

さらに、アジは小骨が多いので喉に引っかかってしまわないようにきちんと取り除いてあげてください。身をよくほぐしてから与えるか、骨ごと与えたいならすり潰してつみれにして与えましょう。

すべての犬にアジが大丈夫という事はありません。中には、アジにアレルギー反応を示す犬もいます。アジを食べた後で体調に異変が見られる時はすぐに獣医師に相談するようにしてください。

アジの干物やアジフライは与えても問題ない?

アジの干物は塩分が高いので、犬には与えないようにしてください。アジフライは油分を多く含んでいます。犬にはカロリーが高く、肥満につながるので与えない方が良いでしょう。

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