犬が首を傾げる理由や考えられる病気について詳しく解説!

犬が首を傾げる理由や考えられる病気について詳しく解説!

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ある日突然、愛犬が首を傾けたまま元に戻らない。その理由にはどういったものもしくは病気があるのでしょうか?また、傾いた首は元に戻るのでしょうか?今回は、犬が首を傾けたまま戻らない理由とそんな状態から考えられる病気について紹介したいと思います。

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犬が首を傾げる理由

pomeranian small dog cute pets friendly in home, question face

Suti Stock Photo/shutterstock.com

前述のように犬の首を傾げるかわいらしいしぐさは、普段と違う何かを感知した時におこなう犬のアンテナのようなものでした。

普段との違いに好奇心を感じたり、警戒心や集音のためにおこなう場合もあるとのことでしたね。

また飼い主さんが喜ぶのでサービス精神から行うこと、犬らしい飼い主愛に溢れた理由もありました。

しかし注意したいのは、犬の健康状態のサインとしておこなっている場合があることです。

急に首を傾げるようになったり、ほかにはふらつきやめまいの時の症状などを起こしていないでしょうか?

いつもの場所なのに、物にやたらとぶつかったりしていませんか?

立つのが億劫そうになったり、すぐに立ち上がれないなどの普段と違う様子はありませんか?

もしずっと首を傾げたままになっている場合は、すぐ動物病院を受診してくださいね。

犬が首を傾げる理由となる病気

犬が首を傾げる「斜頸」には、病気以外に先天的な理由で起こる場合もあります。

先天性の斜頸の原因としては、犬が母犬の胎内や生まれる時によくない姿勢だったことなどが理由となることがあり、その結果として首やその周囲の筋肉に問題が出てしまい、先天的に斜頸が起こりやすくなるという傾向があるとのことです。

また後天性な斜頸の病気以外の原因としては、打撲や落下などのケガをした時に、強い負荷が首の頸椎やその周辺にかかってしまい、外傷性の障害として後天的に斜頸が引き起こされることがあります。

その他にも内耳炎や突発性前庭疾患、パグ脳炎なども首を傾げる症状を引き起こすことがあります。

この3つを詳しく見ていきましょう。

内耳炎

内耳は、聴覚と平衡感覚をつかさどる三半規管などから構成されていて、健全な日常生活を送るうえで欠かせない大切な器官です。

犬の内耳炎は、中年期~高齢期の犬に発症しやすいといわれています。

内耳炎の原因としては、ウイルスや細菌からの感染症や、外耳炎や中耳炎の治療の際に使用する洗浄液が内耳に入ってしまい、その結果として炎症を起こしてしまい内耳炎になってしまう場合もあります。

内耳炎の初期は、耳に違和感を覚えて頭をしきりに振るなどの行動がみられるようです。

それから少し進行するとめまいなどが起こるので、うまく歩けなくなってふらついてしまったり、上手に歩けずに転んでしまったりします。

めまいのせいで吐き気や嘔吐、食欲不振が起こる場合もあるでしょう。

また首を傾げる斜頸や、めまいのせいでぐるぐる歩く旋回行動をしたり、眼球振盪なども見られるようになります。

さらに症状が進むと発熱する犬もいます。

上記のような症状が出てしまっていると犬にはかなり負担がかかっていて、身体的な苦痛もかなり感じているでしょう。

頑張れば歩けると思っても、かなりめまいが酷いと思いますので、極力安静に動物病院に連れていく必要があります。

「近くだから…」と犬を歩かせないで、車などで揺れが少ないように気を付けながら連れて行ってあげましょう。

小型犬でしたら、ペット用のカートなどを利用してもいいですね。

内耳炎の治療は、投薬と安静がカギになりますので、犬がゆっくり休養できるように移動距離が少なく食事やトイレまで行けるように工夫してあげましょう。

突発性前庭疾患

前庭の異常である「突発性前庭疾患」ですが、名前の通り突発的に発症し、中年期~老犬に起こることが多いそうです。

前庭の内部にはリンパ液が満ちていますが、おそらくこのリンパ液の循環障害が「突発性前庭障害」の理由と考えられています。

また様々な検査を行っても原因がわからない場合に「突発性前庭疾患」の診断がつくこともあります。

しかしなぜ罹ってしまうのかなど、詳しい原因などはいまだ解明されていないことがほとんどだそうで、どの犬種でも罹ってしまうリスクのある病気です。

症状としては、めまいやよろめきを起こしてしっかり歩けなくなり、症状が重い場合は歩けずに倒れこんでしまいます。

治療しないと、めまいやよろめきは3~6週間ほど続きますが、回復する場合と重症化する場合に分かれるそうです。

また歩こうとしてもふらついてしまい、しっかりバランスがとれないためグルグルと回転するように歩く「旋回運動」をすることもあるでしょう。

そのほかには首が片方に傾いてしまう「捻転斜頸」が起こることがあり、回復した後もわずかに首が傾いたままになる後遺症が残る場合があります。

眼球がグルグルと回転する「眼振」も出る場合がありますが、数日たてば治まる場合と、改善が見られない場合があります。

常に視野が回転しているので、その間は食欲不振や嘔吐などの症状も起こるでしょう。

人間も「耳鼻科関係の病気は発症してすぐに受診するかでその経過が分かれる。」といわれていますが、犬も発症してから24時間以内に症状のピークを迎え、症状は軽度から重度まで個体差はあるものの、すぐに病院受診できるかでその後の経過が変わってくるとされています。

パグ脳炎

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ProjectD/shutterstock.com

パグ脳炎と呼ばれるこの病気は、正式には「壊死性髄膜脳炎」という名称で、大脳を中心として犬の脳の広範囲に壊死が起こるという怖い病気です。

1980年に初めてパグで発症が報告されたばかりの新しい病気で、パグ犬に発症が多いことから通称「パグ脳炎」と呼ばれています。

しかしペキニーズやシー・ズー、フレンチブルドッグやチワワ、ポメラニアンなどの小型犬も発症例がありますので、パグだけが発症する病気というわけではないようです。

生後数ヶ月~10歳くらいの犬が発症するため、どの年代でも罹ってしまうことのある病気ですが、とくに1~3歳の犬に多く発症するとの報告があるそうです。

どんな症状が起こるかというと、発症初期では突然のけいれん発作・失明・まっすぐ歩けなくなる・クルクル回る旋回運動・壁に頭を押しつける、などの普段では行わないような異常行動が見られます。

運動機能が低下したり、首を傾げる斜頸やめまいなどが原因で起立不能を起こしたり、脳に異常が出て飲水障害や昏睡状態になるなどの神経症状の悪化を見せることもあります。

この病気についてはまだ十分に解明されておらず、原因やパグ脳炎の特効薬や治療法はまだ発見されておらず、特定の予防法もまだ見つかっていません。

血の繋がっていない多頭飼育の2頭の犬が同時に発症したケースもあるそうで、なんらかのウイルス感染の可能性も指摘されていますが、関連性などはまだ証明はされていないとのことでした。

今あげた症状だけでもかなり痛々しい、重篤なことがうかがえるものばかりですが、一般的にはこの病気を発症すると1日~数週間で亡くなるか、安楽死を選択せざるをえない状況になってしまうといわれている、大変進行スピードの速い恐ろしい病気です。 現状できる治療としては対処療法がメインで、発作を防ぐために抗けいれん薬やステロイド剤を投薬したり、症状を緩和したりすることだけだそうです。

しかし数ヶ月かけて徐々に症状が進行する慢性経過するケースこともあり、その場合にうまく薬が効力を発揮したら数年間延命できることもあるそうです。

パグ脳炎は治療開始が遅いと治療の効果が現れなくなることが確認されているそうです。

早期発見し早期治療を開始することが、その後の生存率を左右すると言っても大げさではありません。

パグ脳炎は予防も完治もできない病気なので、万が一愛犬に異常を感じたらすぐに対処療法が始められるように、直ちに動物病院に相談してください!

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20 名無しさん
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動画のワンちゃん、可愛い子ばかりでした。不思議がっているように見えました。「ナンダコレハ?」みたいな感じで傾げてます。音を聞き取るために傾げたりと、いろんな意味があって傾げていることが勉強になりました。

19 名無しさん
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犬が首を傾けている時は、周りの音を聞き分けようとか、なんだろう?とか、そういう意味があったんですね。人間も、クエスチョンマークが頭に浮かんだときは、頭を傾けるので、それと同じことをしているなぁと思いました。

18 名無しさん
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ワンちゃんが首かしげるのが可愛すぎて昔飼ってたワンコにいつも散歩?とおやつ?ってしつこいくらい言っていましたw散歩とおやつってワードにだけ反応して首を傾げてくるので病みつきでした。病気の可能性があるとは初めて聞いたけど本当にそんなことあるの?

17 名無しさん
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ワンちゃんの首をかしげるポーズ可愛すぎる。あれって耳をそばだててるって聞いたことがあったけど、病気の可能性もあるのですね。でも変だったら別のところにも現れるのでは?気になるようだったら病院に行かせてあげたら良いと思うけど。

16 名無しさん
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首を傾けるってだけで病気認定ってことなの?ちょっとすごくないか、うちの犬も首かしげることあるけど病院つれていってみるか!

15 名無しさん
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首をかかげたままでいるっていうのは要注意ですね。どんな行動にしろ、異常に感じられるほどその行為をしているなら何かしら異変が起きていると考えた方が良さそうです。

15 Dカン
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パグ脳炎にかかると首を傾げるってあるけど、そのパグ脳炎っていう名前、勘違いしてしまいそうな名前ですよね。実は、私もパグがかかりやすいんだと思ったんですが、その後のパグ以外でも発症するというのを目にして、勘違いに気づいたんです。

13 フォックス
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犬が首を傾げたからといって、すぐに病気を疑う事ってなかなかないと思うので、すごく衝撃的でした。いろんな病気が考えられるそうですので、「あれ?首の向きがおかしいな」とちょっとでも感じたら、すぐに対応を取りたいと思いました。

12 じろ
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怖いいいぃぃ…。愛犬が首をかしげたまま元に戻らなくなることなんてあるんだ。うちの子はなったことないけど、もしなったら速攻で病院に連れていかなくちゃですね。こんなことがあるなんて先に知っておいてよかった~。知らなくてなんでだろ~って時間が経過しちゃったら怖すぎるもんね。

11 名無しさん
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うちの子は病気ではありませんが、小さいころに首輪が重かったのか、傾けたままの癖がついてしまって外しても少し傾いています。かわいそうなことをしたなと思いました。病気になって傾いていることも知ったのでこれからも注意してみてあげたいです。

10 ワッペン
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病気になることで、首を傾げるようになるケースがあるんですね。傾げる理由として挙げられる理由はどれも恐ろしいと感じたので、首の傾けには早く気づいてあげる必要があると思います。毎日、スキンシップを取っていたら、気づきやすくなりそうですよね。

9 ベンチ
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こわいこわい!傾けたまま戻らないことなんてあるんですね…。よく観察しててあげないと!!物音がした時に、一時的にかしげる物とは違いますよね??

8 ラッコ
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犬が首をかしげる理由って、記事にあるとおりならどれも放置できないじゃないですか。何とかしてあげないとダメなレベルですよね、理由とか言ってる場合ではありません。うちの子は首を傾げたりはしませんけど、今後は注意してみていきたいと思いました。

7 名無しさん
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犬が一時的に家事を傾げているのはよく見ますが、傾けたまま戻らないということが起こるんですね…しかも様々な病気の可能性があると怖いです。注意して見てあげて、早期治療してあげたいですね。

6 アルマジロ
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犬の首が急に傾いたままになったら驚きます。様々な病が引き金となって、この様な症状が現れるんですね。ちょっとした変化にいち早く気づける様、普段から様子を注視した方が良いと思います。手遅れにならないうちに、手を打つことが求められると考えます。

5 名無しさん
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読んでいて恐ろしい気がしました。病気の兆候が少しでもあったらすぐに気付けるように普段から、愛犬の歩行の仕方や耳や表情に違和感を感じているような素振りを見せたときに発見できるようにしてあげたいと思いました。深刻な状況にまで至らないように普段から見ていってあげたいと思います。

4 名無しさん
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人間と同じように、犬や他の動物たちにも色々な病気があるんですね…。病気にかかるかどうかは、飼い主にはどうしようもできない分野かもしれないですが、ペットのことをよく観察したり、お世話してあげて、少しでも早く変化や異常に気づいてあげれるようにしないといけないですね。

3 コップ
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首を傾けるのが病気のサインだっていうのは大事なことですね。我が家の犬は首を傾けるようなことはありませんが、というより傾けているのかどうか意識したことがないです。どっちにしても病気の可能性が高いというのであれば、見つけ次第動物病院へGOするしかないです。

2
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どの原因だとしても、早めに病院に連れて行って治療したいですね。自分のペットがそんなことになるなんて考えもしたくありませんが、何かが起こる前にこうした症状が出たらどうしたらいいのかあらかじめ考えて置くことが大切ですね…。よく観察していきたいと思います。

1 リボン
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病気を早期発見するためにも、普段から歩き方や食欲、顔色、体温などを注視しておいた方が良いかもしれないですね。犬の健康をサポートするのは飼い主さんの役割だと思うので、ちょっとした変化や異常に気づく事がポイントになると思います。