アメリカンピットブルテリアってどんな犬?性格と特徴から考えるしつけと飼い方のコツ

アメリカンピットブルテリアってどんな犬?性格と特徴から考えるしつけと飼い方のコツ

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人を襲うイメージ、闘犬のイメージだけがついてしまっている、アメリカンピットブルテリア。 しかし実は、その外見とは裏腹に、飼い主に忠実で愛らしい一面も持っています。 今回はアメリカンピットブルテリアの性格、しつけ方、飼いかたについてご紹介したいと思います。

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アメリカンピットブルテリアの歴史

White and Grey Pitbull laying down with head between paws

CD_Photography/shutterstock.com

闘犬として名高いアメリカンピットブルテリアとは、どんな犬種なのでしょうか? 人間が勝てる可能性はないのでは?と思えるほどのその闘争心、力のあるアメリカンピットブルテリアのルーツとは一体どこにあるのでしょうか? アメリカンピットブルテリアは、アメリカで闘犬用に開発された犬種です。 アメリカンピットブルテリアという名前以外にも、「ピットブル」、「ブルテリア」、「スタッフォードシャー・テリア」などの名前でも呼ばれています。

スタッフォードシャー・テリアと呼ばれているのは、イギリスから来たスタッフォードシャー・ブルテリアから交配された犬種だからです。 スタフォードシャー・ブルテリアにブルドッグなど闘争能力の高い犬を交配し、さらに闘犬として能力の高い犬種が作出されていきました。

その交配は1870年代に始まったとされています。

闘犬は1800年代に爆発的に広まり、賭博のひとつとしても人気が高まりました。

闘犬により死亡する犬は毎年増え、動物愛護団体からは次第に禁止を求める声が募るようになります。 実際、1900年代にアメリカで人間により闘わせられて、その命を落としたアメリカンピットブルテリアは、なんと一年で1500頭にも及んだと言われれています。

アメリカンピットブルテリアたちは好きで戦っていたわけではなく、殺し合っていたわけではないでしょう。

しかしながら、闘犬が盛んに行われていた時代において、アメリカンピットブルテリアたちは殺し合いを強いられていた、ということになります。

さらに賭博の違法性も高く、1900年にはとうとう闘犬が禁止になります。

ですが裏の世界では違法な賭博闘犬がその後も続き、それにより死亡するアメリカンピットブルテリアが後を断たなかったようです。 そのことから絶滅が心配されましたが、愛好家により守られて存続しています。

アメリカンピットブルテリアは闘犬として誕生した犬のため、非常に闘争心が強い性格です。 普通、犬種の繁殖が行われるさいには、その家庭犬として人間との共同生活を送るのに適した性格や性質も重視して行われ、改良されていきます。

しかし、アメリカンレットブルテリアの場合、そのような家庭犬としての資質は重視されずに、闘犬としての凶暴性が重視されてきました。

それでその性格から、飼い主やその他の人間に危害を加え、負傷させたり死亡させたりする事故が多発しました。

そのことを懸念したイギリス政府は、「危険犬法」を成立させます。

危険犬法とは、アメリカンピットブルテリアの輸入、所有を禁止する法律です。 ここでもアメリカンピットブルテリアの存続が危ぶまれましたが、名前を変えて取引したりした愛好家がいたため、またも守られることとなります。 アメリカンピットブルテリアは闘犬としてだけでなく、牧畜を行う家で忠実で勇敢な作業犬として活躍していました。

食肉用の家畜を飼育している家では、その大切な家畜をオオカミやクマなどから守る事が必要でしたが、そのときに、勇敢に立ち向かって行けるアメリカンピットブルテリアはとても優秀な人間のパートナーでした。

家畜を屠殺するさいにも、自分よりも大きな牛や豚を押さえつけるだけの度胸と力を持っていました。

それでも、どれだけ興奮状態にあるとしても、飼い主が一言命令するだけで、噛み付いている大動物からすぐに離れるといった訓練が施されていて、とても忠実で賢い犬種だったのです。

しかし、20世紀にはそのような忠実性や力強い面、そしてもともと持っている凶暴性を悪用されるようになり、犯罪者によって飼育されることも多くなりました。

それで、今でも凶暴な犬種、あるいは悪い人たちが飼育している抑えの利かない犬、といったイメージが定着してしまっているのですね。

アメリカンピットブルテリアの性格

Portrait of a puppy on the nature close up. Pitbull. 4 months of age.

Voltgroup/shutterstock.com

アメリカンピットブルテリアはじつは、とても飼い主に対して愛情深くて、非常に服従心が強い性格をしているんです。

本来は、明るくて無邪気な性格で、とても愛らしいです。

物覚えが良くて、甘えん坊です。

子どもたちとも忍耐強く一緒に遊んでくれるほど、優しくてフレンドリーな性格をしています。

とはいえ、アメリカンピットブルテリアは非常に注意の必要な性格の持ち主です。

闘犬として攻撃性が強い個体もいます。

飼い始めるときには、その性格を理解してしつけに全力を注ぎましょう。 気性が荒く、警戒心の強い性格です。

闘争心が強い性格で、敵だと思うと容赦なく襲ってくるでしょう。 むやみに人を襲うことはありませんが、敵だと判断したときには、その相手が自分よりも大きかろうと攻撃的になります。

しっかり社会性を教えた個体だと思っても、何かのことでその攻撃性が出てしまうこともあります。

その性格を抑えるためには、小犬のときからのしつけがかなり重要です。

初めから主従関係をはっきりさせ、逆らった時には厳しく罰を与えます。 アメリカンピットブルテリアは飼い主には愛情深く服する性格も持っているので、主従関係を認識するまでは辛抱強くしつけを続けましょう。

アメリカンピットブルテリアの飼いやすさ

アメリカンピットブルテリアを飼育する人には、アメリカンピットブルテリアの特性に関する深い性格な知識と、強い気質を制御し、管理できるだけの技術と責任が求められます。

海外ではとても人気の犬種であり、飼い主に対する愛情や服従心は、とても魅力的で愛すべき犬種です。

しかしながら、相手を殺すほどの力と、闘犬として生み出された強い攻撃性があります。

もし、管理が行き届かなくてなにか事故が発生した場合、最悪相手を死に至らせるほどの重大な結果になることもある、ということを理解する必要があります。

もし何かが起きてしまったとき、犬にとっても人間にとっても最悪の自体になる可能性があること、そしてアメリカンピットブルテリアにさらなる悪評をもたらすことになることを覚えておきましょう。

それで、この犬種を飼育する場合には、とにかく厳しいしつけと訓練、そしてこの犬種を適切に管理するという決意と責任を持てる人でなければいけません。

体力と噛む力は相当のものです。

生半可な気持ちで飼育ができる犬種ではありません。

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mofmo掲示板

12 名無しさん
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アメリカンピットブルテリアとは初めて聞いた名前でしたが、実際に飼うとなるとかなりハードルが高いようですね。特性に関する深い性格な知識と、強い気質を制御し、管理できるだけの技術と責任が求められるとは上級者向けかもしれません。

11 土俵入り
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アメリカンピットブルテリアという種類は、よく聞くピットブルと同じですか?まぁこれはさておき、怖いイメージがありますが、本当はいい性格の持ち主なんですね。怖い怖いとばかり言ってて悪かったです。きちんとしつけをしないから怖いということですかね

10 名無しさん
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現在6歳のピットブルを1年程前に引取り飼育しています。ネット等では不安や恐怖を煽る記事が多く悪いイメージを持つ方が多い犬種ですし確かに突破的な攻撃性はあります。しかしトレーニング次第でかなり抑制できます。この犬種を飼うには普通の家庭犬以上の覚悟と体力が必要になります。犬種特性と個性を理解して向き合えば良い家庭犬になります。ウチのピットは普段とても無邪気だし従順で可愛いですし家族と先住犬に何をされても気にしません。が、スイッチが入った時は私にも牙を剥きます。そうなったらスイッチが切れるまでガチバトルです。トリガーさえわかればそれを引かなければ良いだけなので…

興味本位の飼育は絶対にやめてください

9 がま口バッグ
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イギリスには犬危険法という法律が制定されているということは、ピットブルはそれだけ凶暴で、危ない犬であるからですよね。私も怖い・恐怖といったマイナスなことばかり思ってしまっています。もしも、ご近所にピットブルを飼っている方がいたらと想像するだけで・・・

8 琥珀糖
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アメリカンピットブルテリアは飼い主で忠実なの?ということは人を襲ってしまうような事故も犬本来の凶暴性ではなく、飼い主のしつけが行き届いていなかったってことなのかな?どうしてもやっぱり怖いイメージばっかりで、犬は好きだけど、怖いなと思ってしまう犬種ですね。

7 田中
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大抵の犬は可愛いと思うし、何かしらの魅力があると思うんだけど、アメリカン・ピット・ブル・テリアだけは犬に見えないというか猛獣にしか見えないなー。ちゃんと飼育すれば恐くないんだろうけど、やっぱり凶暴そうなイメージが払拭できないよね。

6 やまぬ
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アメリカン・ピット・ブル・テリアは気性が荒く警戒心が強いと書いているのに、愛すべき性格もあるので触れてみましょうとは、どういうことでしょうか。容赦なく噛みついて襲ってくる犬に触ってみようってのは無理な話でしょう。どうみても子供なんかだと噛んで怪我したら取り返しつかなくなるよ。記事の内容には責任を持ってもらわないとダメなので、適当なことを書かないでほしいなぁ

5 名無しさん
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アメリカンピットブルテリアのような闘犬に出くわすと、たとえ太いリードで飼い主さんが引っ張っていても、ちょっとこっちは引いてしまいますね。それでも見ていると本当に飼い主さんに忠実な様子が分かりますね。歴史の中で、ただの人間の娯楽として闘犬として用いられてきたなんて悲しいです。

4 名無しさん
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アメリカンと名前が付くだけで、大型でなんか恐ろしいイメージがありますね。はたしてちゃんとしつけができるんだろうか考えてしまいます。飼い主に忠実で従順な反面、ほかに危害を加えてしまうケースも報告されているので闘犬を飼う場合には慎重にならないといけませんね。

3 三杯酢
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アメリカン・ピット・ブル・テリアは強そうな見た目の通り、気性も荒いんですね。「敵だと思うと容赦なく襲ってくる」と聞くと、街中でピットブルを見かけたら恐怖で身震いをしてしまいそうです。初めて会う人にも「敵だ!」と思うことってあるんですか?

2 さく
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こうした犬種は愛らしいところもたくさんありますが、確かにしっかりしつけしないと大変なことになりますね。危険犬法ができるほど危険なら、しっかりとした条件のもとに飼育して欲しいなと思います。

1 いぬがみ
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闘犬と言えば土佐犬を思い出してしまいましたが、アメリカン・ピット・ブル・テリアも同じような顔つきをしていますね。警戒心が強く、気性が荒いというのは飼う側としては注意しなければいけないことが多いので苦労するかもしれません。でも、それだけの犬だからこそ飼いたいと思う人もいるでしょう。子供や人を傷つけないことが、一番求められることではないでしょうか。生半可な気持ちでは飼えない気がしますね。