
犬が犬を嫌いになる理由や嫌いになった犬への行動とは一体?
犬が犬を嫌ったり、一緒に遊びたがらないことがあると聞くと、同じ動物同士でそんなことがあるのかと不思議に思われる方もおられるかもしれません。 そこで今日は、犬が犬を嫌いになってしまう原因や、嫌いな犬にする仕草、また犬嫌いを克服する方法などをご紹介したいと思います。

犬が犬嫌いになる原因

alexei_tm/shutterstock.com
昔は、群れを構成してお互いに助け合って生きていた犬達ですが、人間にペットとして飼育されることが一般的になった現代では、犬同士の関係性も異なってきています。
以前も、縄張り争いや、群れの中の順位争いなどで、犬同士で喧嘩をしたり牽制し合うことはありました。ただ現代では、縄張りを犯されるから怒るというより、とにかく自分以外の犬が苦手という子が増えているようです。
どうしてそのような傾向が見られるようになってきたのでしょうか?考えられる4つの原因について見ていきましょう。
母犬と引き離される時期が早い
子犬が産まれてから数週間の間、どんな環境で過ごすかは、その後のその子犬の人生を左右するような大きな影響を及ぼします。
特に、どれほど母犬の元で他の兄弟犬と一緒に過ごしたかは、犬が心身ともに健全に成長するのに不可欠な要素です。
生後4週間〜6週間で母犬から引きされてしまうと、恐怖を感じやすくなり、警戒心や攻撃性が高くなる傾向があり、一方、生後7週間〜9週間たってから母犬と離れた場合、より落ち着いた精神状態になることがわかっています。
産まれてすぐは、まだ五感も発達しておらず、母親にベッタリですが、生後3週間〜7週間の間に、母犬のそばで、甘えたり時には怒られたり、兄弟どうしてじゃれついたり喧嘩することによって、子犬は社会性を学んでいきます。
その大事な時期に、母犬のそばにいないと、パピー期にしかない社会性を身につけるチャンスを失い、怖がりで怒りっぽい犬になってしまうのです。
今の日本で飼育されている犬の80%がペットショップから家庭に迎えられています。皆さんもご存知のように、ペットショップでは小さな子犬達、生後2ヶ月〜3ヶ月の子犬が主流で扱われています。
ペットショップにくる子達は、ブリーダーの元で産まれ、ネットオークションなどにかけられて購入されている子達がほとんどです。
つまり、生後2ヶ月でお店に既にいるということは、その随分前に、母犬のもとから引き離されているということになるわけです。
そして、それぞれがゲージに入れられて展示されるお店では、犬同士の触れ合いによってのみ体験できる、幼児期に感じるべき愛情や身につけるべき感覚を経験することができずにそのまま成長してしまいます。
これが、犬嫌いの犬が増えている大きな要因と言われています。母犬から引き離される時期が早すぎるのです。
だからこそ、子犬が生後数週間の大事な時期に、母犬や兄弟達と過ごすことが与える深刻な影響を考慮して、動物愛護法でも、生後49日を過ぎるまで子犬を販売してはいけないと規制されてはいますが、どこまで守られているかは疑問が残っています。
犬同士のふれあいがない
犬嫌いになる二つ目の要因は、一つ目の要因と少なからず関係していますが、子犬の時から成長して大人になるまで、全ての過程で犬との触れ合いがないことです。
先ほどご紹介したように、ペットショップで販売されている犬達は、適正な時期以前に母犬や兄弟犬と引き離されて販売され、その後も飼い主さんとしか接しないような犬が増えています。
日本では、ワンルームマンションや集合住宅などの小スペースでも飼育でき、一人暮らしの方でもお世話に困らない小型犬が人気があります。そんな小型犬は「運動量が少ないので、お家で放し飼いにしておけば散歩がいりませんよ」などと言われています。
その影響もあり、飼い主さんに引き取られた後も、外にほとんど出ることなく、飼い主さんとその家族やお友達など、人間の世界だけで成長する子が増えています。
そうすると当然のこととして、自分以外の犬を見ると、得体の知れないものとして認識し、接し方もわからず、ただただ恐怖心や警戒心が湧いてきて避けてしまうのです。
さらに今では、子犬期のワクチンが一通り終わるまでお散歩にも連れていかないことが常識ともなっています。
もちろん、子犬を感染症などから守るのに大切なことなのですが、他の犬と触れ合わせることが危険なことのように感じてしまっている飼い主さんも多いです。
そのせいか、ワクチンが終わった後も、あまり他の犬と遊ばせたくないという考え方の方もおり、そのような人に飼育されている場合は、そのまま犬と触れ合わないまま一生を送ることになってしまうのです。
トラウマ
野生の犬の場合は、子犬が生後7週間〜8週間になると、母犬は子供を巣穴に置いて出かけるようになり、子犬達も自分たちの世界を広げていきます。
この時期は、親離れの時期とも言われ、それまでは感じなかった警戒心や恐怖心が芽生えてくるようになり、外敵の存在を認識したり、厳しい自然界で生き抜くために必要な感覚を身につけていきます。
また、脳が最も発達する時期でもあり、強い恐怖体験をすると、一生トラウマとして残ってしまうこともあります。
ですからこの時期に、元々おとなしい性格の子がパピークラスで活発な犬に追いかけ回されたり、近所の犬に飛びつかれたり、ドッグランで大きな犬に吠えられたりした場合は、犬イコール危険・敵と脳に書き込まれてしまいます。
その幼少期の出来事がトラウマとなり、大きくなってからも、本当に危険な相手なのかを判断する余裕もなく、犬を見るだけで”怖い””危ない”というスイッチが入ってしまうのです。
新しく犬を飼うと、飼い主さんは嬉しくて色々なところに子犬を連れていきたくなるのですが、このデリケートな時期には、犬を含め新しいものに徐々に慣らしてあげなければなりません。
他の犬との良い出会いを良いものにするためには、飼い主さんのサポートが絶対に必要です。
無理やり挨拶させようとしたり、訓練されていない犬が近づいてきた時に好きにさせるのではなく、相手の飼い主さんともよくコミュニケーションをとって、犬の感覚や気持ちを考えてきちんと守って上げましょう。
はっきり言ってドッグランなどは無法地帯です。訓練された犬ばかりではなく、他の子と仲良くできない子や、攻撃的な性格な子もいます。さらには、せわしなく動き回る子犬のことを嫌がる成犬もいます。
犬の体格も様々ですので、子犬にとっては、自分よりも何倍も体の大きな犬と対面するだけでも衝撃的ですし、相手はじゃれているつもりでも、怪我をする場合すらあります。
ですから、いきなりそんな無法地帯で遊んでおいで、と放置したりすると、子犬にとっては恐怖体験でしかありません。
他の犬との触れ合いは、飼い主さんがしっかりコントロールしてあげながら、決して怖いを思いをすることなく、その子が他の犬と遊ぶことが楽しいと感じられるようにしてあげてください。
飼い主さんが犬を怖がっている
飼い主さんの気持ちをペットのワンちゃん達は鋭く感じ取ります。飼い主さんが他の犬のことを怖がっていると、飼い犬も同じように感じてしまう場合が多いです。
他の犬が近づいてくると、慌てて飼い犬を抱き上げたりすれば、”他の犬が自分に向かってくるのは危険な状態なのだ”と覚えてしまうのです。
また、抱き上げるまではいかなくても、犬同士が挨拶している時に、噛まれたりしないかとビクビクしていると、その緊張がリードを通して犬に伝わります。
そんな時は大抵飼い主さんはリードを短く持って、ピンと張った状態にしがちなので、犬も実際に行動が制限されて緊張した状態になってしまうのです。
犬は怖がっているかどうかも瞬時に判断できますので、逆に吠えてきたり、飛びつこうとしたりして、ますます恐怖心を煽られるような状況になりかねません。
ペットにとって絶対的な存在である飼い主さんが他の犬に対して抱く感情は、犬にも伝染することをよく明記して、過剰な反応をしないようにしましょう。
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