
【獣医師監修】猫にじゃがいもはOK!じゃがいもの知られざるメリットを解説!【2023年版】
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獣医師
日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/
じゃがいもは子どもから大人まで広く愛されている食材です。そのため好奇心旺盛なネコちゃんがじゃがいもに興味を持ってパクリと食べてしまうとしても不思議ではありません。でもそうなると気になるのは安全性ですよね。 今回はネコちゃんにじゃがいもをあげても大丈夫かどうかを解説していきたいと思います。


Ks7794/shutterstock.com
猫にじゃがいもを食べさせても大丈夫!
じゃがいもは、茹でても、焼いても、蒸しても、揚げても美味しく調理することができるので子どもから大人まで広く愛されている食材です。そのためじゃがいもを使った料理の種類もとても多く、毎日の食卓に欠かせないという人もいることでしょう。
ところで猫にじゃがいもを与えても大丈夫なのでしょうか?結論から言うと猫にじゃがいもを食べさせても問題はありません。なぜなら、じゃがいもには鉄分やマグネシウム、ビタミンC、ビタミンB6といった猫に必要な栄養素が豊富に含まれているからです。
さらに、じゃがいもは水溶性の食物繊維が含まれているため、猫にとって消化に良い食べ物とさえ言われています。しかし一口にじゃがいもと言っても色々な種類がありますよね。どんな種類のじゃがいもでも一様に与えて大丈夫なのでしょうか?
どんな種類のじゃがいもでも問題ない?
アレンジ豊富なじゃがいもですが、意外にもじゃがいもはナス科の多年草の作物です。じゃがいもの原産国はアンデスですが、世界中でたくさん栽培されています。
日本でも、男爵やメークイン、紅丸、農林一号などたくさん種類があります。煮物に最適な型くずれしにくいじゃがいもなど、料理の用途によってじゃがいもの種類を選ぶことが出来ます。では、どんな種類のじゃがいものでも猫に与えることはできるのでしょうか?
嬉しいことに、猫にはどんな種類のじゃがいもでもOKです。じゃがいも、さつまいもといった基本的に芋類とされる食材はどれも猫が食べても大丈夫とされています。しかし猫にじゃがいもを与える時には注意しなければならない幾つかの点があります。どんなことでしょうか?詳しく見てみましょう。
じゃがいもの芽などには気を付けて!
じゃがいもはナス科のため、ナス科植物に含まれる「チャコニン」や「ソラニン」といった中毒を引き起こす天然毒素が含まれています。
これらの天然毒素は、じゃがいもの芽や緑色になった部分の皮、傷んだ部分に含まれおり、神経に作用する有機化合物の一つです。
他にもソラニンには、サポニンやトキシン、アルカロイドといった有害な成分が含まれており、アルカロイドは重度の徐脈を引き起こすこともあります。また、ソラニンには胃腸の運動を阻害してしまう成分も含まれています。これらのじゃがいもの天然毒素は、人間の体だけでなく猫の体にも悪い影響を与えるため、芽や皮はきちんと取り除く必要があります。
「じゃがいもの芽や皮を取り除かなくても、十分に加熱すれば天然毒素がなくなるのではないか?」と思う方もいることでしょう。しかし残念ながら、加熱したとしてもじゃがいもに含まれるチャコニンやソラニンの量が減ったり、全く毒素がゼロになるということはありません。
じゃがいもに含まれるチャコニンやソラニンといった天然毒素によって食中毒が起きると、どんな症状があらわれるのでしょうか?人間の場合、吐き気や下痢、嘔吐、頭痛、腹痛、めまいなどの症状があらわれます。人間と同じように猫も下痢や嘔吐などの症状があらわれることがあります。中毒症状がひどくなるならば、昏睡状態に陥ったり、最悪死に至るケースも考えられるでしょう。
愛猫が食中毒で苦しむ姿は見たくないですよね。ですから、じゃがいもを調理する時は芽や皮、傷んでいる部分をきちんと取り除いてあげることによって食中毒のリスクを減らすことができます。また芽の周りにもソラニンが含まれていますから、包丁で取り除く際は少し範囲を多く取り除いてあげると良いでしょう。
もし、飼っている猫に中毒症状があらわれた場合はどうすればよいでしょうか?致死摂取量は、猫の体重や状態などによっても異なるため、すぐに動物病院に連絡をして先生に診てもらうことをおすすめします。病院に連れて行く際は、猫が食べたものや状況を飼い主の方が詳しく先生に説明できるようにしておく必要があります。そうするならスムーズに治療をおこなうことができるでしょう。
味付けされたじゃがいもは食べさせない!

Iryna Kuznetsova/shutterstock.com
基本的に、猫の健康によくないので人間用に味付けされている食べ物は与えないようにします。
またじゃがいもを使ったものでも、油で揚げられたフライドポテトや、ポテトチップス、ハッシュドポテトは、油だけでなく、塩分や香辛料が多く含まれています。油や塩分を多量に猫が摂取するなら、糖尿病などの病気を引き起こす可能性があり健康上よくありません。
ですから、ポテトフライや、ポテトチップスなどを猫が欲しがったとしても絶対に猫に与えないようにしましょう。少しぐらいだったら大丈夫と思うかもしれませんが、一度与えてしまうと猫は味を覚えもっと欲しいと要求してくることでしょう。猫のことを家族のように愛しているのであれば、猫の健康を思って与えないようにします。
じゃがいもを猫に与える際は猫用に調理をした味付けされていないものを与えるか、じゃがいもが含まれている市販のキャットフードをチョイスすると良いでしょう。
加熱していないじゃがいもは猫に与えないで!
穀類や芋類は、加熱しないと消化しにくい食材なので、人間であってもじゃがいもを生では食べたりはしません。猫も同じです。猫にじゃがいもを生で食べさせると、腹痛、下痢、軟便、嘔吐などの症状が出る可能性があります。
また、生のじゃがいもは硬いため、生のまま与えてしまうと喉にじゃがいもを詰まらせてしまうことがあります。ですから、じゃがいもを食べやすい大きさにカットし柔らかくなるまで火を通すなどしてから猫に与えるようにしましょう。
茹でたり、蒸したり、電子レンジを使うことでじゃがいもを柔らかく調理することができます。できれば、じゃがいもはマッシュすると猫は食べやすくなります。加熱後のじゃがいもを与えてしまうと、熱さで猫の舌が火傷してしまうので十分冷ましてから与えましょう。
しっかりと冷ましてから猫に与えることはもちろんのこと、調理前にじゃがいもを水にさらすことでアクを減らすようにすることもできます。じゃがいもを水にさらすことにより、じゃがいものえぐみや苦みがなくなり食べやすくなることでしょう。じゃがいもを生のままで食べたがる猫もいるようですが、きちんと飼い主が食べないようにしつけをするようにします。
じゃがいもを冷凍する際は、じゃがいもに火を通し冷ましてから小分けにして冷凍にしておくと良いでしょう。じゃがいもは、茹でると水分を多く含みます。茹でたじゃがいもをたくさん食べさせると水分の摂りすぎてしまいますし、食物繊維がたくさん含まれているため、便が緩くなる可能性があります。そのため、猫にじゃがいもを与える際には分量にも気を付けます。
キャットフードにじゃがいもをマッシュしたものを添えるだけで、猫も喜ぶことでしょう。しかし飼い主がご飯を準備している時に、誤って猫が生のじゃがいもを食べてしまった場合、どうすれば良いのでしょうか?猫がじゃがいもを食べた量にもよりますが、動物病院の先生に診てもらうと良いでしょう。
じゃがいものアレルギー反応には用心!

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人間にも食物に対してアレルギー反応があるように、猫にも食物に対してアレルギー反応が出るケースがあります。そして、飼っている猫がじゃがいもに対してアレルギー反応を出すケースがあります。原因はまだ解明されていませんが、じゃがいもに含まれているデンプンや、栄養素を分解できないからではないかと言われています。
プレミアムキャットフードなどには、小麦や大豆、米、トウモロコシなどの穀物を使用しないものの、じゃがいもやさつまいもなどを使用しているものがあります。そのため稀にキャットフードに含まれているじゃがいもによってアレルギー反応を出すケースがあります。そのため、飼っている猫に初めてじゃがいもを与える際は一度にたくさん与えるのではなく、アレルギー反応が出ないか様子をみながら少しずつ与えるようにしましょう。
もし猫にじゃがいものアレルギー反応がある場合、じゃがいもを少し食べただけでも体中かゆがったり、嘔吐したりすることがあります。
また、吐き気、じんましん、腫れ、発疹、下痢といった症状があらわれることもあります。飼っている猫にじゃがいもを初めて食べさせる際は、猫の体調に変化がないかをきちんと観察するようにし、少しでも異変を感じたら直ちに与えるのをやめます。
与える量に気を付ける
じゃがいもは低カロリーの食材ですが、たくさん食べると炭水化物の大量摂取になってしまいます。もし、猫がじゃがいもを大量に摂取してしまうならば、血糖値が上がりやすくなり糖尿病になる可能性も生じるでしょう。
猫が美味しそうに食べている姿を見ると飼い主はうれしくなり、ついついたくさん与えたくなってしまいますが、飼い主が猫にじゃがいもをたくさん与え続けるなら猫の肥満の原因になるので、与えすぎはよくありません。飼っている猫の体格に応じて、じゃがいもの与える量を調整して与えるようにしましょう。
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