犬に牛乳や乳製品は安全?危険?乳製品の影響を徹底調査!

犬に牛乳や乳製品は安全?危険?乳製品の影響を徹底調査!

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乳製品は私たちにとって身近な食べ物ですが、「犬に乳製品を与えるのは良くない」という意見を聞いたことがある人もいると思います。犬に乳製品を与えても大丈夫なのでしょうか?今回は牛乳やヨーグルト、チーズなどの代表的な乳製品が犬に与える影響についてまとめました。

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犬と乳製品は合うのか

牛乳をコップに注いでいる

NaturalBox/shutterstock.com

牛乳やヨーグルトは、ビフィズス菌などの善玉菌を取り入れるのに有効な、様々な健康効果を持った食品として知られています。しかし、犬は乳製品を食べても大丈夫なのでしょうか?人間と同じように役立つ食品となるのか調べてみました。

基本的には合わない

乳製品は犬には基本的に良いものではありません。「乳糖」と呼ばれる炭水化物の存在によって不適切な食品となっています。乳製品そのものが有害という訳ではありません。牛乳でもヨーグルトでも、犬が食べた途端に中毒症状を起こすことはありません。

しかし、犬は乳糖を消化・吸収できず、下痢や消化不良を起こしてしまいます。

人間でも、まれに乳糖不耐症を治療しなければならないことがありますが、犬も牛乳を飲んで問題を抱えることが少なくありません。中にはお腹が張って苦しんでしまう犬もおり、極力牛乳は与えない方が賢明です。

乳糖とは?

乳糖は、ブドウ糖やデンプンなどと同じく炭水化物・糖質に数えられる成分で、哺乳類の母乳の中に含まれています。牛乳100ml5gほど含まれており、ほんのりとした甘みを持っています。砂糖に比べると5分の1程度ですが、「糖」と呼ばれるだけあって甘みが特徴です。

炭水化物であるため、その基本的な性質はエネルギーです。乳糖は小腸まで届き、乳糖を分解する酵素によってエネルギーや腸内細菌のエサとして利用されます。小腸で分解されることにより、腸内細菌が乳酸や酢酸を生成し腸内環境を整えます。

適度な酸性を保つことで、有害な細菌は駆逐され清潔な腸内環境を維持されます。さらに、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの吸収効率を高める効果もあり、乳製品からカルシウムを吸収するのを効率的にしています。

人間が牛乳を飲むとカルシウムをたくさん吸収できるのは、このように乳糖が腸内でしっかり機能しているからです。

しかし前述のように犬は乳糖を分解できません。人間が牛乳を飲んでお腹を壊すことがあるのも、実は同じ理由によります。人間でも、「乳糖不耐症」などにより乳糖分解酵素が少ない場合、乳糖が分解されずに大腸まで達してしまい、それが下痢や消化不良などの原因となります。

そのような場合、人間でも無理せずに牛乳を飲まない方が良いでしょう。消化不良をいつも起こしていると、本来の腸内環境まで崩してしまいます。

犬にあげても大きな問題はない乳製品

テーブルに並べられたミルク、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品

Dream79/shutterstock.com

牛乳はやめたほうがよいですが、乳製品についてはこの限りではありません。いくつか犬にあげられる乳製品をご紹介します。

ヨーグルト

ではヨーグルトはどうかというと、ヨーグルトはお腹を下しにくいので大丈夫だと言われています。

実はヨーグルトの乳糖の量は、牛乳とさほど変わりません。それでも、不快な症状や消化不良を起こしにくいことが知られています。

はっきりとした理由は分かっていませんが、ヨーグルト中の乳酸菌が酵素として小腸に届き、乳糖を分解しているのではないかと言われています。そのため、乳糖を分解する酵素を持っていなくても、腸内で乳酸菌を保持することで乳糖を処理できるようになると考えられます。

いずれにしても、ヨーグルトは乳製品の中でもあまり消化不良を起こさずに摂取できる食品です。栄養素も豊富で整腸作用があります。無糖の物であれば、毎日少量与えても問題ありませんが、個体差を考えてお腹を壊さないかどうか見守ってやりましょう。

山ヒツジのミルク

同じように山ヒツジのミルクも犬の胃腸に優しく、乳脂肪や乳タンパク質を消化しやすい構造になっています。含まれる乳糖の量も少ないため、牛乳に比べてリスクの少ない食品です。

ですが、やはり乳糖が含まれていることに変わりはないため、お腹を壊すようであれば控えるのが最善です。

チーズ

チーズは、製造時にホエイ(乳から脂肪分を除いた水溶液)を除去することで乳糖が除去されるので、チーズの状態では乳糖はほとんど残りません。薬を与える際やご褒美としてチーズを与える飼い主もいますが、チーズを食べても犬はほとんど消化不良を起こすことはありません。

しかし、注意しなければならないのは、チーズには塩分や脂肪分が多く含まれていることです。塩分や脂肪分を過剰に摂取すると、心臓病や高血圧などの様々な疾患を引き起こしてしまいます。「乳糖がほとんど含まれていないから」、「チーズを好むから」という理由で与え過ぎないようにしましょう。

薬を与える際は、チーズに含まれるカルシウムが薬理効果を妨げないかどうか、処方してくれた動物病院で確認するのが最善です。

個体差を意識しよう

大きさ順に並んでいる色々な種類の犬たち

Erik Lam/shutterstock.com

飼い主の中には「日常的に牛乳を愛犬に与えていて特に問題がない」という人もいるでしょう。逆にほんの少しヨーグルトを舐めただけですぐに下痢になってしまう犬もいることでしょう。

犬にも個体差によって牛乳をある程度消化できる子がいます。ですから最終的な判断は個々によって異なるのも事実です。ただしあえてリスクを冒してまで牛乳やその他乳製品を与えるメリットもないため、犬用のミルクやカルシウムサプリなどを買って与える方が良いでしょう。

愛犬が乳糖不耐症かどうかを知る

個体差の話をしましたが、自分の犬が乳製品を食べられるかどうか知るために乳糖不耐症の有無を知るのは大切です。不意の体調不良や消化不良を防ぐためには、普段から愛犬の調子や特性を知っておかなければならないからです。

犬が乳糖不耐症かどうかを知るには、まず乳製品を食べさせてみなければなりません。犬が乳製品を食べて12時間以内に症状が現れる場合は、乳糖不耐症の可能性があります。

現れる症状としては、下痢や鼓腸(お腹にガスが溜まって脹れる症状)、お腹がゴロゴロと鳴る、違和感や腹痛による震えなどが挙げられます。いきなり大量の乳製品を与えるのは危険なため、まずは少量で様子を見ましょう。

発酵した乳製品から与えるのが安全です。発酵すると乳糖が分解されるためですが、例えばチーズやヨーグルトから始めるのが良いでしょう。

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