猫がチョコレートを食べると危険なのはなぜ?食べた時に起こる症状や対処法を紹介していきます!

猫がチョコレートを食べると危険なのはなぜ?食べた時に起こる症状や対処法を紹介していきます!

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チョコレートが大好き!という方は多いことでしょう。甘くておいしいチョコレートですが、猫がチョコレートを食べてしまうと大きな害を与えてしまうと言われています。なぜ猫にチョコレートがダメなのか、食べるとどんな症状が出るのか、食べてしまった際の対処法に至るまで、すべて紹介します!

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猫にチョコレートは絶対にダメ!

チョコレートを食べる猫

kuban_girl/shutterstock.com

猫は人間と体のつくりが違うため、人間にとってはなんともないものでも猫が食べると危険な食べ物もあります。その代表的なものが「チョコレート」です。

チョコレートが大好き!という方は多いことでしょう。特に女性であれば好きな方は多いに違いありません。甘くておいしいチョコレートですが、猫がチョコレートを食べてしまうと大きな害を与えてしまう、と言われています。

チョコレートは猫だけでなく犬も食べてはいけない食品に挙げられていますね。絶対与えてはいけない食べ物です。

では、どうしてチョコレートがいけないのか詳しく見てみくことにしましょう。チョコレートを食べてしまうとどんな症状が出るのか、万が一食べてしまったらどうしたらよいのかも紹介したいと思います。

なぜ猫はチョコレートを食べてはいけないの?

チョコレートで書かれた×マーク

timquo/shutterstock.com

ではなぜ猫にチョコレートを与えてはいけないのでしょうか?

チョコレートの含まれている成分のひとつが、猫にとっては有害物質になるからです。その成分とは、カフェインに似た成分でもある「テオブロミン」です。

カカオ由来の苦み成分でカフェインとよく似ている成分です。

テオブロミンって何?

ではこのテオブロミンについて詳しく見てみましょう。

テオブロミンとはチョコレートの原料のカカオに含まれている成分のひとつで、カフェインによく似た成分です。

苦み成分の一つでもあり、テオブロミンには自律神経を調整する働きやリラックス効果もあります。さらに中枢刺激作用があり、気管支拡張や利尿作用、心臓の活発化などにも効果があります。つまり覚醒作用があるといっても良いでしょう。実にカフェインとよく似た作用といえますね。

こうした作用があることから、チョコレートを食べるとホッとしたり、ゆったりした気分になったりすると言う方も多いのではないでしょうか。また、疲れた時にチョコレートを食べると頭がすっきりしたり集中力が高まったりもします。これはすべてテオブロミンの作用によるものでしょう。

そのため、適度なテオブロミンの摂取は私たち人間にとっては良いことなのです。適量のチョコレートを食べる分には全く問題がありません。

しかし私たち人間にとっては体に良くても、猫にとっては別問題です。

どうして猫にとってテオブロミンは良くないの?

どうして人間にとっては問題のないテオブロミンが、猫にとっては良くないのでしょか?それには人間と猫の違いが関係しています。

■致死量の違い そもそも人間と猫とでは体の大きさに違いがあります。ですから人間と猫とでは致死量も違いがあります。

私たち人間の場合も、テオブロミンを大量に摂取するのは体に良くありません。しかし市販のチョコレートの場合、砂糖や牛乳、その他の物が加わって甘くて食べやすいチョコレートとして売られています。

ですからチョコレートに含まれているテオブロミンの量も少ないことになります。混ぜ物がされていないカカオ100%のチョコレートは別にして(全く甘くないのでとても食べにくいです)、市販の普通のチョコレートを致死量まで食べるには相当量を食べなければいけません。実質致死量のチョコレートを食べることは不可能でしょう。

ところが猫の場合は致死量はとても低い値で、人間にとってわずかな量も猫にとっては致死量となるのです。ほんのひとくちのチョコレートも猫に健康被害を及ぼす場合があります。

■代謝の違い もう一つは代謝機能の違いです。

猫はテオブロミンを排出する機能を持っていません。私たち人間の場合は、肝臓でテオブロミンを分解してメチルキサンチンへと変化させます。その後メチル尿酸へと分解されて体外に排出されていきます。人間はこの分解作用を速やかに行うことが可能です。

ところが猫の場合は、代謝が遅いためにテオブロミンの分解に時間がかかってしまい、体内に長時間とどまることになります。体内に長時間あるということは、中枢神経に刺激を与え影響を与えやすいことにもなります。猫はテオブロミンに対する感受性が高いので、なおのことそう言えるでしょう。

ちなみにカフェインを肝臓で分解するときにも、最終的にはテオブロミンに変化するため、テオブロミンのみならずカフェインの摂取も危険といえます。

猫がチョコレートを食べることで起きる中毒症状

ぐったりする猫

JJ IMAGE/shutterstock.com

では、猫がチョコレートを食べるとどんな中毒症状が出るでしょうか?

チョコレートに含まれているテオブロミンで中毒を起こした猫に現れる中毒症状には、以下のようなものがあります。

・下痢 ・おう吐 ・発熱 ・脱水症状 ・興奮、精神不安定 ・けいれん ・呼吸が早くなって、苦しそうにする ・不整脈、頻脈 ・頻尿 ・尿失禁 ・昏睡 ・心停止 ・最悪死に至る

軽い症状でしたら下痢やおう吐で終わるかもしれませんが、最悪死に至りかねない危険な状態になる可能性もあるのです。

一般的にチョコレートを食べてから4時間以内にこれらの症状が現れるといわれています。しかし空腹状態でチョコレートを食べたり、チョコレートの食べた量が多かったりするともっと早く症状が出る可能性もあります。さらに症状が重い場合は24時間以内に死に至ってしまう可能性もあるのです。

中には症状が数日続く慢性中毒になって、突然心不全などで死に至るというケースもあります。

いずれにしても、チョコレートを食べることによって大変危険な状態になる可能性があるので、愛猫がチョコレートを食べないように気をつけたいものです。

中毒を起こす致死量は?

では猫にとっての致死量はどの程度なのでしょうか?

体重1キロに対してテオブロミン250~500mgが致死量とされており、90~100mgの摂取で中毒症状が出るとされています。つまり、体重4キロの猫の場合は、1000~2000mgのテオブロミン摂取で死に至る危険性があるということになります。

とはいえ普通のチョコレートにはどれほどのテオブロミンが含まれているのかパッと思いつきませんよね?私たちが食べるチョコレートで考えてみましょう。一般の板チョコは1枚50gですので、100gは板チョコ2枚と思ってください。

・ベーキングチョコレートの場合、100g中テオブロミンは1300~1600mg ・カカオ70%の高カカオチョコレートの場合、100g中テオブロミンは580~1100mg ・ブラックチョコレート、スイートチョコレートの場合、100g中テオブロミンは460~650mg ・ミルクチョコレートの場合、100g中テオブロミンは150~540mg

このようにテオブロミン量はチョコレートによって違います。砂糖を使用していないパン焼き用チョコレートであるベーキングチョコレートの場合は、混ぜ物が少なくカカオの含有量が多いためテオブロミン量も多くなっていますし、砂糖や牛乳が多く使用されているミルクチョコレートとなるとテオブロミン量も少なめになっています。

こうして考えると体重4キロの猫がミルクチョコレートを8枚以上食べると致死量に至るということができるでしょう。とはいえ、猫が一度に8枚もチョコレートを食べるということはめったにないはずです。

しかしベーキングチョコレートの場合でしたら、テオブロミン量が多いため、わずかな量でも致死量に至り死亡してしまう可能性が高くなります。また、たとえミルクチョコレートであったとしても、猫はテオブロミンを排出できず体内に蓄積されるため、一回の量は少量であっても少しずつ舐めたり食べたりすれば徐々に体内に蓄積されていき、慢性的な中毒症状を起こす可能性もあります。

ココアも危険?

猫にとって危険なのは「チョコレート」だけではありません。

チョコレートの何が良くないのかというと、チョコレートに含まれているカカオ成分の「テオブロミン」です。つまりチョコレート以外にも、カカオを使用している「ココア」にもテオブロミンは含まれています。

ココアも各家庭にある食べ物、飲み物といっても良いでしょう。ココアパウダーに含まれているテオブロミン量は100g中500~2100mgといわれています。お菓子作りに使用するような純ココアパウダーでしたらテオブロミン量も多いかもしれませんね。

クッキーやパンに入っているようなチョコレートやココアパウダーにも注意が必要です。飼い主さんが食べたケーキにかかっているココアパウダーなど、チョコレートの形をしていなくても猫にとって危険なテオブロミンはたくさんあるのです。

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