犬に玉ねぎは絶対にダメ!その理由や食べてしまった時の症状・対処法まですべて解説!

犬に玉ねぎは絶対にダメ!その理由や食べてしまった時の症状・対処法まですべて解説!

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犬を飼育されている方全ては、犬に絶対に食べさせてはいけない食材を把握しておくことは大切です。犬の命を危険にさらす食材の代表例は”たまねぎ”です。ここでは、たまねぎを犬に食べさせてはいけない理由や、食べてしまった時に現れる症状や対処法など、犬とたまねぎに関することを徹底的に調べました!

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犬に玉ねぎを食べさせてはいけない!

犬と玉ねぎ

Liliya Kulianionak/shutterstock.com

今や「犬には人間用のご飯を食べさせるのではなく、犬専用に作られたドッグフードやお菓子を食べさせる」ことが常識とされているので、犬に食べさせてはいけない食材があると聞いてもあまりピンとこないかもしれません。

むしろ「犬に人間のご飯を食べさせるなんて信じられない、うちは大丈夫」と思う方がほとんどでしょう。

しかし、メインフードはドッグフードしかあげていないとしても、家族団欒の食卓に愛犬がやってきておねだりした時などに、「ほんの少しだけなら」と一口食べさせたことのある飼い主さんも多いと思います。

他にも、飼い犬が食べられるものが限られていたり、飼い主さんのこだわりゆえに手作りドッグフードを食べさせていたりする場合や、床に置いていた食材や落ちていたご飯を犬がこっそり食べてしまうこともあります。

このように、犬が少量とはいえ人間のご飯を食べたり、犬にとっては有害な食材を意図せずに口にしてしまったりするケースは意外と多いのです。

ですから、犬を飼育されている方全ては、犬に絶対に食べさせてはいけない食材を把握しておくことは大切です。特に、ただ具合が悪くなるだけではなく、命を危険に晒すほどの食材はしっかり覚えておきましょう。

犬の命を危険にさらす食材の代表例は”たまねぎ”です。犬にたまねぎを食べさせてはいけないということは、日本人の90%以上が知っているというアンケート結果があるほど、よく知られている事実といえます。

ただ、ダメなのは知っているのだけど「どうして犬に有害なの?」「加工してあったり加熱している場合はどうなの?」「少量なら大丈夫では?」などという疑問が残っている方がほとんどでしょう。

そこで今日は、たまねぎを犬に食べさせてはいけない理由や、どんな状態のものでもダメなのか、食べてしまった時に現れる症状や対処法など、犬とたまねぎに関することを徹底的に調べていきたいと思います。

食べさせてはいけない理由

犬はダメ

rnl/shutterstock.com

人間の場合は血をサラサラにしてくれたり、老化防止の効果があったりするなど、健康と美容に良い食材として知られている玉ねぎですが、犬の場合はなぜ有害になってしまうのでしょうか?

なぜなら犬の場合は、たまねぎに含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という有機硫黄化合物が体内に吸収されると酸化障害を引き起こし、赤血球を破壊してしまうからです。

赤血球は、体に必要な栄養素を各組織に運び、不要になった老廃物を運ぶという、健康と命を保つのに欠かせない役割をしています。

その大事な赤血球が破壊されると、溶血性貧血を起こしたり、呼吸困難などの中毒症状が誘発されたりして、最悪の場合は死に至ることもあるのです。

「アリルプロピルジスルフィド」は、たまねぎを含むネギ類に見られる、ツンとくるニオイの元にもなっている成分です。

ですから、長ネギ・小ねぎ・わけぎなども、犬が食べるとたまねぎと同じように「アリルプロピルジスルフィド」が酸化障害を引き起こし、赤血球が破壊され、深刻な症状が現れることが多いです。

さらにたまねぎには、「有機チオ硫酸化合物」という犬にとって中毒性物質が含まれていますが、犬はこの有毒物を適正に消化するための酵素を持ち合わせていません。

酵素があれば、中毒物質を分解して自分の体を守ることができるのですが、酵素がなければ、影響をダイレクトに受けてしまいます。

もっと悪いことに、「アリルプロピルジスルフィド」が「有機チオ硫酸化合物」の吸収力を高めてしまうので、中毒症状が酷くなってしまうのです。

どんな症状が現れるのか

元気がない犬

WilleeCole Photography/shutterstock.com

たまねぎによる中毒症状は、犬の個体差や食べたたまねぎの量にもよりますが、一般的に発症までに1日〜5日ほどかかると言われています。

まずは元気が無くなって、食欲不振になったり、嘔吐や下痢をしたり、フラフラ歩くなどの初期症状が見られるようになります。脈や呼吸が早くなることもあります。

他にも、鼓膜が白くなったり、黄色くなったり(黄疸)することもあります。歯茎が白くなる可視粘膜蒼白も起こすので、鼓膜や歯茎の色の変化に注目することも大切です。

たまねぎによる中毒症状は、時間が経過するごとに悪化していくので、初期症状が見られているのにもかかわらずそのままにしておくと、痙攣や震えが始まり、ヘモグロビン尿と呼ばれる赤い尿がでたりし始めます。また、血便や吐血をすることもあります。

さらに酷くなると、溶血性貧血がはっきりと現れ、呼吸困難や最悪の場合は命を失う結果になります。

迅速な行動がカギ!

このように、たまねぎ中毒は犬に深刻な健康被害をもたらします。「少しお腹を壊す程度だろう」と考えているなら、今すぐに考えを改める必要があるでしょう。

もちろん、症状の現れ方は犬や状況によって異なり、すぐに症状が出る場合も、少し時間が経ってから現れることもあります。上記に記した症状以外の異変が見られたり、初期症状としてご紹介したものが見られずにいきなり貧血や痙攣が始まったりすることもあるでしょう。

ですから、たまねぎを食べたのを知っていながら、「もう少し様子を見てから、酷くなるようなら獣医さんに連れて行こう」とのんびり構えていたり、「記事にあったことがまだ現れていないから中毒じゃない」と自己判断したりするのは大変危険です。

大事な愛犬を苦しめ、二度と会えなくなるという取り返しのつかない結果になる前に、すぐに獣医さんに相談してください。

どんな状態でも与えてはいけない

たまねぎは、和食・洋食・中華料理・イタリア料理・エスニック料理など、ほとんどすべての種類の料理で使用される食材ですよね。

みなさんの家庭でも常備食材として常に保管してあり、ほぼ毎日使用されているのではないでしょうか?生のままシャキシャキ食べたり、トロトロに炒めて甘みやコクを出すのに使ったり、生地に混ぜてオーブンで焼くこともあるでしょう。

料理に欠かせない万能食材のたまねぎは、加熱されるだけでなくピクルスのように甘酢につけられていたり、オリーブオイルやごま油に漬け込んでドレッシングのように加工されたりしていることもあります。

このようにたまねぎは、生で食べるだけでなく、炒めたり煮込んだり、トーストされたり茹でたり、刻まれたりすりおろされたり、とにかく様々な方法で食べられています。日本の家庭料理の代表であるお味噌汁の具としてもよく使われていますよね。

そこで「たまねぎであっても加熱や加工をされていれば、犬が食べても大丈夫なのでは?」という疑問が湧きます。加熱された時点で主要成分に変化が生じることはよくあるので、そのような疑問はもっともなことでしょう。

しかし、答えは「NO」です。どんな状態であれ、たまねぎは先ほどご紹介したような中毒症状を犬に起こさせるので、絶対に食べさせてはいけません。

たまねぎ中毒を引き起こす原因になっている「アリルプロピルジスルフィド」は、加熱しても加工しても変性することはありません。どんな状態でも、生の場合と同じ酸化障害を引き起こします。

ご自分で料理したものならわかりやすいですが、一見たまねぎが入っているとは思えないお惣菜やパンなどもありますので、外食するときやお弁当などを購入して食べる場合は特に気をつけて、犬が口にすることのないように注意しておきましょう。

中毒・致死量はどれくらい?

加熱されていても加工されていてもたまねぎは犬にとって危険なことがわかりましたが、今度は「どれくらいの量から症状が出るの?」という疑問が湧いてくるかもしれません。

ダメなのはわかっていても、他の多くの食材と同じように「ほんの少量なら大丈夫なのでは?」「たまねぎにも許容量があるのでは?」と思うのものですよね。

これは、食べさせることを目的としてではなく、万が一犬が食べてしまった時の安心材料としても知っておきたいポイントでしょう。

たまねぎの場合、中毒症状が現れるのが「犬の体重1kgに対して15g」、致死量は「犬の体重1kgに対して20g」とされています。

一般的なサイズのたまねぎ1個が200gほどですので、3kgの小型犬の場合、たまねぎを約4分の1食べると中毒症状が現れてしまうことになります。

日本でペットとして飼育されている人気の犬種は、トイプードル・チワワ・ポメラニアン・ミニチュアダックスなど小型犬が主流ですし、一つの料理にたまねぎを2個ほど使うこともよくあるので、4分の1個で症状が出ると聞くとぞっとしますよね。

この数字を見ると、人間の食卓に並んでいるご飯を犬に食べさせたり、犬が誤飲する可能性のあるところにたまねぎを置いたりしておくことがどんなに危険なことかを思い知らされます。

たまねぎなどの常備野菜は、冷蔵庫に入れずに床にそのまま放置されていたり、犬が届くような高さのカゴに並べてあったり、吊るしてあったりすることも多いですので、保存場所をもう一度見直してみてください。

飼い主さんの気づかないところで、または留守中に犬がいたずら半分で食べてしまったら、それこそ一大事です。

遺伝子も玉ねぎの影響力を左右する

さらに大事なこととして、たまねぎが犬に及ぼす有害な影響は、犬の体の大きさや体重に対する量だけでなく、犬それぞれが持つ遺伝子が大きく関係するという報告もあります。

柴犬や秋田犬などは「HK型イヌ赤血球」という遺伝子を持っており、たまねぎ中毒にかかりやすく、症状もひどくなる傾向があるそうです。

「HK型イヌ赤血球」という遺伝子を持つ犬がたまねぎを食べると、激しい溶血がおきて、赤血球中のカリウムが大量に血液中に流出してしまい、心停止などの命に関わる致命的な反応を引き起こす可能性が高いそうです。

どの犬種が「HK型イヌ赤血球」を持っているか、どうしてその遺伝子は反応が激しいのかなどの詳しいことは判明していませんが、柴犬や秋田犬などの日本犬種は要注意犬種と言われています。

柴犬は中型ですし、秋田犬は非常に体の大きい個体もいます。でも、平均的に症状が現れるたまねぎ摂取量よりも少量でも過敏に反応したり、深刻な事態を引き起こしたりするわけです。

つまり、先ほどご紹介したような、犬の体重とたまねぎ量を対応させた中毒や死に至る摂取量の基準値だけではなく、犬種や個体の特性を考慮する必要もあるのです。

ですから自分の飼っている犬や、これから飼おうと思っている犬の遺伝的な特徴などを、ブリーダーさんやかかりつけの獣医さんに事前に確認することもできるでしょう。

いずれにしてもはっきりしていることは、どんなに少量であってもたまねぎは有害な健康問題を引き起こすので、絶対に犬の口に入ることがないようにしっかりとした予防策を取ることと、万が一食べてしまった場合には迅速なケアを心がけるようにしましょう。

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