猫にナスを与えるのはNGだった!?ナスに含まれる危険成分を詳しく解説!

猫にナスを与えるのはNGだった!?ナスに含まれる危険成分を詳しく解説!

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夏野菜の代表ともいえる「ナス」。味にクセがなく様々な料理に使われるナスは、私たち人間にとってとても身近な野菜の一つです。しかしナスには猫が食べると中毒を起こす成分が含まれています。ナスに含まれる危険成分と、猫がナスを食べてしまった時の対処法を解説します。

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ナス科の野菜には要注意

新鮮なトマトとじゃがいも

Bildagentur Zoonar GmbH/shutterstock.com

私たちの周囲にあふれているナス科の野菜ですが、ネコちゃんの飼い主さんは注意しなければいけません。なぜなら、ナスに含まれているソラニンはナス科の植物にも同様に含まれているからです。

毒性はどんなところに含まれるの?

ナスには、全体的にソラニンが含まれていると言われています。ですから、ナスはどの部分であっても食べるべきではありません。

では同じナス科の食物であるトマトはどうでしょうか?トマトにもソラニンが含まれているのですが、しっかりと熟したトマトにはソラニンが含まれていません。ですから少量であれば熟したトマトを食べたとしても何ら問題はありません。

トマトには有用な成分も含まれているので、場合によってはネコちゃんに与えるのを考えてみても良いでしょう。しかしトマトの緑の部分にはソラニンが含まれています。トマトの葉や茎、また未熟状態の青いトマトにはソラニンが多少なりとも含まれているので絶対に与えないでください。与えれば中毒症状になってしまう可能性があります。

ジャガイモも注意すべき野菜と言えます。正確に言うとジャガイモそのものは与えることができますが、ジャガイモの芽(芽そのものと芽の根元)にはソラニンが含まれているので危険です。

またジャガイモの皮は日に当たって緑色になってしまうことがありますが、それが観察されたらソラニンが含まれているかもしれないサインとなります。ですから家庭菜園などで作られた未熟で小さいジャガイモにはより注意が必要です。それらにはソラニンが含まれていることが多いです。

ソラニンは人間にも悪影響を与えることがあります。「ジャガイモの芽は食べてはいけない。取り除くように」と言われているのは、実はソラニンが関係しているのですね。

ここまで見てきたように、ナス科の野菜にはソラニンが含まれているので注意が必要です。ソラニンが含まれていない部分を食べることはできますが、しっかりとした分別が必要になります。もし区別がつかないということであれば、そもそもナス科の植物は全体としてあげない方が無難でしょう。

野菜の中でのナスの立ち位置を知ることが出来ましたね。またナス科の植物についても知ることが出来ました。ナス科全体に注意が必要ですが、そのなかでもさらにナスはネコちゃんとの相性が悪い野菜です。

さてここまで「ソラニン」という名称がたくさん出てきましたが、ソラニンは具体的にどんな性質をもつ物質なのでしょうか?ネコちゃんとソラニンの関係性についてさらに詳しくお伝えしたいと思います。

ソラニンの実態

ソラニンとは主にナス科の植物に含まれる「ステロイドアルカロイド」の一種です。なんだか名前からして危険そうなイメージがありますよね。前述のように、ソラニンはジャガイモの表皮や目、トマトの葉や茎などに含まれます。ソラニンには神経毒性があり、食べることによって様々な悪影響を引き起こしてしまいます。

例えばソラニンには血液を溶かす作用や神経を麻痺させる作用があります。人間の子どもが微量摂取したことで中毒を引き起こした例もあるほど、強力な毒性があります。微量でも悪影響が観察されていますので、多く摂取すればするほど、その危険性は増します。

人間にも悪影響を与える物質ですから、動物たちにも悪影響を与える可能性は高いです。特に身体の小さいネコちゃんたちには、強い影響を与えることがあります。

ネコちゃんたちはもともと野菜の消化が得意ではないので、ソラニンを含む野菜を与えてしまうなら様々なトラブルが生じると思われます。面白半分にあげるのは論外ですが、無造作に野菜を放置するようなこともあってはなりません。好奇心が強い猫ちゃんを飼っているのなら、チルド室やその他猫が簡単にアクセスできない場所にナスやナス科の野菜を保管するようにしてください。

ソラニンは加熱してもなくならない

ソラニンという物質を取り除くことはできないのでしょうか?残念ながらソラニンは加熱しても性質が変化したり、なくなったりはしません。ですから仮に熱処理したとしてもナスを食べることはできません。トマトやジャガイモのように可食部以外の部分に含まれているだけなら、その部分を取り除くことで対応できます。

もちろんそれらの野菜も、リスクを背負って与えるかどうかは考えものですね。繰り返しますが、ネコちゃんは本来野菜を必要としないので、無理して与えないという決定を下す飼い主さんも多いことでしょう。

ソラニンを摂取した場合の症状

ネコちゃんがソラニンを摂取してしまった場合、どんな症状があらわれるのでしょうか?さきほど少しだけ触れましたが、もう少し詳しく見ていきましょう。

軽い症状としては、下痢や腹痛などが考えられます。しかし摂取量が多いなら、もっと重い症状があらわれるようです。ひどい下痢や腹痛、中枢神経の抑制、心拍数低下、呼吸困難などに陥ることがあります。また、麻痺や痙攣、心拍数上昇、血便などの症状があらわれることもあります。

ソラニンによる中毒は非常に幅広いです。ですから他の病気や誤食と勘違いしてしまうのも無理はありません。ただもし家庭菜園でナス(科)を育てていたり、直近の買い物でナスを買ったなど「思い当たるふし」があるのなら、ソラニンの摂取を疑ってみるとよいでしょう。買い物袋や菜園のナスを観察してください。もしかじられた跡が残っているのならナス(科)による中毒の可能性があります。

誤ってソラニンを与えてしまったら

ネコちゃんがナスを食べてしまったり、上記の症状だったりする場合はどのような対応がふさわしいのでしょうか?

すぐに獣医さんに連絡を取るようにしましょう。応急処置の仕方を教えてくれるかもしれませんし、すぐに病院に向かうよう指示するかもしれません。

ナスを食べて時間が経っていないのであれば吐き出させることも可能ですが、その場合も獣医さんに連絡してアドバイスをもらった方が良いでしょう。間違った仕方で吐き出させようとするならネコちゃんに強い負担を与えてしまうこともあります。パニックになった猫に噛みつかれてしまう恐れもあります。

愛猫に手作りごはんを与えるには?

ごはんを食べる猫

Aaron Amat/shutterstock.com

ナスはネコちゃんにとって危険な野菜であることが分かりましたね。ナスだけでなく、ナス科の植物も注意が必要です。ネコちゃんには注意すべき野菜がたくさんあるように思えるでしょう。こうなると手作りごはんを作るのは大変です。

それでも使用する材料をきちんと調べていくなら、少しずつ知識も深まり安全なごはんづくりに慣れてくることでしょう。

手作りごはんの基本

手作りのごはんの基本もお伝えしますね。ネコちゃんのごはんを作る時には、「肉や魚」などのタンパク質、「穀物や芋類」などの炭水化物、野菜類という3つの食材の大まかな割合を知っておくようにしましょう。

基本的には「肉:穀物:野菜=7:2:1」のバランスが良いでしょう。人間であればもっとたくさんの炭水化物と野菜を摂取しますが、ネコちゃんのごはんにはあまり必要ありません。野菜はほんの少し加える程度で十分です。

手作りごはんに加える野菜は、基本的には加熱したものが良いです。中には生でも良いものがありますが、加熱したほうが柔らかく食べやすくなるものが多いです。それに安全上その方が無難ということも多いでしょう。

野菜は細かく刻んでごはんに混ぜる方法がベストです。場合によっては、ミキサーなどでペースト状にするのも良いかもしれませんね。

手作りごはんの基本を抑えつつ、安全な野菜を上手に活用してくださいね。

まとめ

「猫はナスを食べても良いのか?」という疑問にお答えすることが出来ました。ネコちゃんたちにはナスを与えるのはNGです。ナスにはソラニンという物質が含まれており、神経毒性があります。食べてしまうことで、胃腸に負担をかけてしまいます。症状が重い場合には、麻痺や呼吸困難など非常に苦しい思いをさせてしまうこともあるのです。

ナスだけでなく、ナス科全般の野菜に気を付けるようにもしましょう。トマトやジャガイモなどは基本的に食べても問題ありませんが、葉や茎、芽の部分などにはソラニンが含まれています。

最後にもう一度繰り返しておきますが、ネコちゃんは肉食なので無理して野菜を与える必要はありません。注意すべき野菜は避けるようにした方が安全です。もっと言えば必要でもない限り野菜をあげる必要はありません。栄養素が気になるのは質の良いキャットフードを与えれば十分です。猫がかわいいあまり手作りのごはんを作りたくなるのも分かりますが、その場合はしっかり知識を取り入れてからにしましょう。野菜を用いるとしても全体の一割程度加えるだけで十分です。

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