【獣医師監修】猫にさんまはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点を解説!【2023年版】

【獣医師監修】猫にさんまはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点を解説!【2023年版】

update

この記事の監修者(185件監修)

頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

さんまは秋を代表する魚です。脂がのっていて美味しいので、旬の時期には必ず食べるという人も多いことでしょう。では猫にさんまを与えてもいいのでしょうか。この記事では、猫にさんまを与えるメリットや与えるときの注意点を紹介します。

update

猫にさんまを与えても問題ない?

新鮮な秋刀魚

Nishihama/shutterstock.com

さんまは、ダツ目サンマ科サンマ属に分類される回遊魚で、オホーツク海から北太平洋、日本海、東シナ海に及ぶ広い海域に生息しています。

さんまには、「DHA」「EPA」などの脂肪酸が豊富に含まれています。他にも「カルシウム」「ビタミン類」「鉄分」などたくさんの栄養素が含まれているので、積極的に食べたい魚の一つです。

猫にとって中毒となる危険な成分はさんまの中に含まれていないため、基本的に猫にさんまを与えても問題ありません。しかし、猫にさんまを食べさせる場合、注意しなければいけない点がいくつかあります。

猫にさんまを与えてもいい量

カメラをじっと見ている猫

pixabay.com

少量であれば、猫にさんまを与えても問題ありません。さんまを食べることで、健康を維持するのに必要な栄養素を摂取することができますが、食べ過ぎには注意が必要です。

なぜなら、さんまを食べ過ぎるとビタミンE不足により、猫の体の脂肪が酸化されて炎症が起き、イエローファットとも呼ばれる「黄色脂肪症」になる可能性があるからです。特に、肥満の猫や老猫にさんまを与える際は量に注意しましょう。

子猫の場合

生後12カ月未満、体重が1kg未満の子猫の場合、身体も小さく消化器官の機能が未発達なので注意が必要です。

さんまには豊富な栄養素がたくさん含まれていますが、与えすぎると腎臓などに障害が出る可能性があります。リスクを上げないためにも、子猫にさんまを与えることはやめた方が良いかもしれません。

成猫の場合

生後12カ月から7歳、体重が3~5kgの成猫の場合、一日に必要な摂取カロリーは、体重1キロあたり70~80キロカロリー程度です。

さんま1匹のカロリーは250キロカロリー前後と言われています。意外とカロリーが高い食材なので、与えすぎには注意が必要です。ですから、成猫に鮭を与えるときは少量だけ与え、おやつ程度に与えるようにしましょう。

老猫場合

高齢期になると消化器官が弱ってくるため、子猫同様注意が必要です。老猫の一日に必要な摂取カロリーは、体重1キロあたり60~70キロカロリー程度と言われています。そのため、老猫にさんまをたくさん与えてしまうと、摂取カロリーが多く肥満になってしまう可能性があります。

老化に伴って内臓機能も低下しているので、猫の身体に負担をかけてしまいかねません。ゆえに、老猫にわざわざさんまを与えることはやめた方が良いでしょう。

猫にさんまを与えることで期待できる効果

水揚げされた大量のさんま

pixabay.com

さんまには、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」という物質が含まれています。この物質は、血液をサラサラにして血流をよくするだけでなく、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす働きをしてくれます。

また、「EPA(エイコサペンタエン酸)」と呼ばれる脂肪酸も、DHAと同じく血液をサラサラにしてくれる効果があります。この物質は、動脈硬化を防ぐ働きをしてくれるので、心筋症や血管が詰まる病気の予防にも効果が期待できます。

さらに、ミネラルの一つでもある「鉄分」が、さんまには多く含まれています。鉄分は、筋肉の収縮や免疫機能の維持を助ける働きがあります。

猫にさんまを与えるときの注意点

焼かれたさんま

pixabay.com

さんまはカロリーが高く、脂ものっているため、猫が食べ過ぎると肥満の原因になります。また、先ほども述べたように、さんまを食べ過ぎるとビタミンE不足により、猫の体の脂肪が酸化されて炎症が起き「黄色脂肪症」になる可能性があるので、注意が必要です。

さらに、さんまには骨があるので、猫の喉などに骨が刺さってしまうことがあります。骨が刺さってしまうと、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があるので、猫にさんまを与えるときは、なるべく骨を取り除いてから与えるようにしてください。

加えて、塩などで味付けされたものを猫に与えるのはNGです。人間用に味付けされたさんまは、猫にとっては塩分が高く、塩分を多く摂り過ぎてしまうと腎臓に負担がかかってしまい、腎臓病の原因となってしまう可能性があります。猫にさんまを与えるときは、何も味付けせずに与えるようにしましょう。

猫によってはアレルギー反応を起こすこともあります。もし、さんまを食べた後に愛猫が体調を崩した場合は、すぐに病院に連れて行って獣医師の指示に従ってください。

サバやイワシは与えても問題ない?

新鮮なサバ

pixabay.com

さんまと同じ青魚のサバやイワシなども、猫に与えて大丈夫なのでしょうか。

少量であれば、基本的には与えても問題ありません。しかし、さんまと同じようにサバやイワシにも不飽和脂肪酸がたくさん含まれているため、食べ過ぎるとビタミンE不足により、黄色脂肪症になる可能性があるので、注意が必要です。

また、サバやイワシを使った缶詰などの加工品は、人間用に味付けされたものが多いので、与えないようにしましょう。人間と猫の腎臓の働きかたは違うので、人間用に味付けされたものを猫が食べると、塩分の取り過ぎで腎臓に負担がかかってしまいます。

ご意見、ご感想ありましたらコチラ! この記事のコメントへ (0件)
桜 フォトコンテスト 全国のドッグラン一覧
編集部PICKUP
関連する記事

mofmo掲示板