【獣医師監修】犬にししゃもはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【2023年版】

【獣医師監修】犬にししゃもはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【2023年版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

犬にししゃもを与えても問題はありません。頭も内臓も丸ごと食べられるししゃもにはたくさんの栄養が含まれていて、犬にも効果を期待できる食べ物です。しかし気になるのはししゃもの塩分量かもしれません。ここでは、ししゃもを犬に与える時の注意点やメリットを中心に詳しく解説します。

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犬にししゃもを与えても問題ない?

ししゃも

funny face/shutterstock.com

ししゃもと聞くと、お腹に卵が入った小さな魚を思い浮かべる方は多いことでしょう。スーパーなどでも比較的安価で手に入れることができて、焼いて食べると卵のプツプツとした食感が合わさってとても美味しく感じられます。

犬にししゃもを与えても良いか調べてみると「与えない方がいい」という情報が多いですが、それはししゃもそのものに問題があるというのではなく、製造過程で塩分量が多く含まれることで犬の体に負担をかけてしまうことを懸念してのことのようです。

実は、スーパーなどで多く販売されているししゃもは本物のししゃもではありません。本来ししゃもは北海道太平洋沿岸だけに生息する日本固有の魚で、キュウリウオ科シシャモ属に分類される魚です。この本物のししゃもは身の付きが良く、脂もよく乗った魚ですが、秋の時期の1ヶ月の間でしか穫れない希少な魚です。

そのため、現在スーパーなどに置いてある、いわゆるししゃもと呼ばれる魚のほとんどは「カペリン」「カラフトししゃも」と呼ばれる魚で、輸入されたししゃもの代用魚なのです。生物学的には「ししゃもとカラフトししゃもは全く別の種」です。

本ししゃもは天日干ししたものを生の状態で販売していることが多いですが、カラフトししゃもの場合は大量の塩を使用して干していることが多いので、与え過ぎると塩分過多で腎臓などに負担をかけてしまいます。

しかし、製造過程で塩を使用していない生のししゃもであれば、量にさえ気を付ければ与えても何の問題もありません。

犬にししゃもを与えてもいい量

塩

HandmadePictures/shutterstock.com

犬にししゃもを与える際はやはり塩分量が一番気になるところだと思うので、本ししゃもに含まれる塩分量と、犬が一日に摂取して良い塩分量を比較しながら、どれくらいであればししゃもを与えていいのかを見ていくことにします。

生干しされた本ししゃも1尾の重さはおよそ12~30g程度で、含まれる塩分量は1尾約0.19~0.48g程度です。これに対し、犬が一日に摂取するといい塩分量は体重1kgあたり0.127gです。では、犬の体重や大きさ別に与えていいししゃもの量を取り上げましょう。

超小型犬の場合

超小型犬とは体重が4kg未満の犬種のことで、チワワやトイプードル、ポメラニアン、ヨークシャーテリアなどが含まれます。

体重1kg~3kgの超小型犬が摂取できる1日の塩分量は0.127g~0.381gです。犬はししゃも以外にもドッグフードなどでも塩分を摂取します。本ししゃも1/4尾与えただけでも塩分は多くて0.12g程度と、体重1kgの犬の1日の摂取塩分量になってしまうことを考えると、ししゃもを与えるとしても「ほんの少し」で十分と言えそうです。

小型犬の場合

小型犬とは体重が10kg以下の犬のことで、シーズーやパグ、ミニチュアダックスフンド、ボストンテリアといった犬種が含まれます。

小型犬(体重5~10kg)の摂取できる塩分量は0.635g~1.27gが適量です。本ししゃもの塩分量だけで考えると1~2尾程度与えられる計算になりますが、他の食事でも犬は塩分を摂るので、さらに少ない量を与えるようにしてください。

中型犬の場合

中型犬は体重が25kg以下の犬を指します。ビーグルやパセンジー、ブルドッグやボーダーコリーといった犬種が含まれます。

中型犬(体重10~25kg)が摂取する塩分は1.27g~3.175gが適量です。犬の体重に合わせて本ししゃも2~6尾が目安になりますが、やはり他の食事の塩分も考えてもっと少ない量を与えるようにしてください。

大型犬の場合

大型犬は体重が25kg以上の犬のことです。レトリーバーやドーベルマン、シベリアンハスキー、セントバーナードといった犬種がいます。

大型犬(体重25~40kg)は3.175g~5.08gが1日に摂取できる塩分量です。本ししゃもだけで考えると6~10尾にはなりますが、やはり他の食事から摂る塩分のことも考えてもっと少ない量を与えるようにしましょう。

子犬の場合は注意が必要

子犬にししゃもを与える時は体重に関わらず注意が必要です。子犬は消化器官が大人のように発達していないので、消化不良を起こしやすい状態にあります。絶対にダメというわけではありませんが、塩分による負担を考えると、子犬にわざわざししゃもを与える必要はないと言えるでしょう。

犬にししゃもを与えることで期待できる効果

ご飯を食べる犬

LightField Studios/shutterstock.com

頭や内臓も丸ごと食べられるししゃもには、カルシウムが豊富に含まれています。内臓にはビタミンDも含まれており、ビタミンDはカルシウムの吸収しやすくするのに役立ちます。

たんぱく質やマグネシウム、鉄分、葉酸といった栄養素も含まれていて、体作りに欠かせない多様な栄養を効果的に摂れる食べ物といえます。

犬にししゃもを与えるときの注意点

犬にししゃもを与える時は塩分量はもちろんですが、に注意が必要です。犬は丸飲みしてしまう習性があるため、ししゃもを丸ごと与えてしまうと骨が喉に引っかかってしまう危険があります。与える時は小骨を取るか、もしくは細かくしたものを与えるようにしましょう。

また、ししゃもは内臓や卵など、頭からしっぽまですべて食べられる魚です。そのため、他の魚と比べるとコレステロール値がどうしても高くなってしまいます。やはり与え過ぎには注意しましょう。

犬の中には、魚介類も含め特定の食材にアレルギー反応を示す犬もいます。ししゃもを食べた後で愛犬の体調に異変が見られるような時は、すぐに獣医師に相談するようになさってください。

ししゃもの干物は与えても問題ない?

ししゃもは魚そのものではなく、製造工程がポイントであることをお伝えしました。本ししゃもを丸ごとそのまま干したものであれば量に注意して与えられますが、スーパーなどで販売されるししゃもの干物にはたくさんの塩が使用されている場合がほとんどです。

塩分の摂り過ぎは犬の腎臓や心臓に負担をかけてしまう恐れがあるので、与えないでください。

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