TNRって何?その意味や猫に関係するTNRの活動について詳しく解説!

TNRって何?その意味や猫に関係するTNRの活動について詳しく解説!

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野良猫に関係する話題の中で「TNR」という言葉を聞くことがあります。TNRは「地域猫活動」ともいわれており、人間と野良猫が上手に共存することを目的として始められた活動です。この記事では、TNRの意味や実際にどんな活動をしているかを詳しく解説します。

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TNRの意味

猫

pixabay.com

TNRは、「Trap(捕獲)、Neuter(不妊手術)、Return(元の場所に戻す)」の頭文字で「地域猫活動」ともいわれています。

地域猫とは、特定の地域において人間によってお世話がされている野良猫のことです。

TNRは、「猫の命を大切にし、一代かぎりの猫の命を守る」という目的をもって活動されています。

では、野良猫を捕獲する方法、不妊手術をする理由、元の場所に戻す理由をこれから詳しく解説していきます。

1.Trap(捕獲)

野良猫を捕獲し保護する際、まず決まった時間や場所にエサを与えて餌付けをし、その後捕獲器を置いて捕獲します。捕獲器を置いている間はその場所を離れません。

野良猫が捕獲器の中に入ったなら、すぐ捕獲器全体を布で包みます。なぜなら、布で覆ってあげることで、野良猫は中で暴れたりせず落ち着くことができるからです。

捕獲器は、猫の保護団体や動物病院などから借りることができます。

2.Neuter(不妊手術)

猫

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猫は繁殖力が高く、1年に2~3回出産でき、一度の出産で5匹ほどの子猫を産みます。そして、子猫は生まれてから半年ほどで子どもを産むことができます。メス猫一匹によって1年間に何十匹もの猫が増えていくのです。

猫に不妊手術をしなければ、子猫はどんどん増加してしまいます。ゆえに、不要な繁殖を抑え、野良猫が地域で増えないようにするためには、不妊手術が必要なのです。

不妊手術をした猫は、処置したことが分かるように、耳の先をカットし目印をつけます。カットされた耳がさくらの花びらに見えることから、「さくら猫」と呼ばれることもあります。

耳の先をカットするのは、「目印をつけることで、何度も捕獲器で捕獲され麻酔をかけられてしまうのを防ぐため」、「首輪やピアスなどの目印では取れてしまうことがあるから」といった理由によります。

耳の先をカットするなんて痛そう、と感じるかもしれません。しかし、最初に捕獲された際に全身麻酔の状態でカットされるので、痛みは最小限に抑えられています。また、猫にとって一番負担が少ない方法で行われるので安心です。

不妊手術をした後は、マーキングや発情期の鳴き声を抑制する効果も期待できます。避妊手術や去勢手術は、初回の発情前にするのが望ましいとされています。なぜなら、早めに手術を受けさせることで、病気になるリスクが低くなるからです。

不妊手術の費用を心配される人もいることでしょう。住まいの市区町村によっては、不妊手術の費用の助成金を出してくれるところがあります。自分が住んでいる地区に助成金があるかどうか、市役所などに確認することをおすすめします。

3.Return(元の場所に戻す)

捕獲された猫は、不妊手術後の経過観察を経て経過が良ければ、元々住んでいた地域に戻されます。

元の場所に猫を戻す理由には、「野良猫のすべてを保護することはできないから」ということが挙げられます。すべての野良猫をお世話することは不可能です。また、警戒心が強い野良猫の場合、かえってストレスを与えてしまい、病気になってしまうことにも繋がりかねません。

そのため、地域住民と地域猫が共に生きていく方法として、地域猫に特定の場所でエサを与えることや、トイレをさせる「地域猫活動」が推奨されているのです。

TNR活動が「今」必要なのはなぜ?

母猫と子猫

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平成30年度における猫の殺処分の数は、30,757頭です。そのうち、生まれたばかりの子猫は20,234頭です。このように、生まれてもすぐに殺されてしまう子猫がとても多いことが分かります。しかし、TNRの活動によって、子猫の殺処分の数を減らし、殺される必要のない命を守ることができます。

また、TNRによる地域猫の取り組みによって、野良猫の発情期の夜鳴きもなくなりますし、繁殖を抑えることができます。さらに、避妊手術や去勢手術することによって野良猫の性格が穏やかになり、闘争心が抑えられ、ケンカすることも少なくなります。

他にも、野良猫がエサ欲しさにゴミを荒らすこともなくなりますし、うんちやおしっこに悩まされることも減るため、地域環境が改善されることでしょう。

地域住民の中には猫が嫌いという方もおられますが、TNR活動の取り組みを知り理解するなら、地域猫と安心して暮らしていくことができるのです。

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