なかなか知られていないプリズンドッグプログラム。その内容や効果とは?

なかなか知られていないプリズンドッグプログラム。その内容や効果とは?

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最近はいろんなところで行われているプリズンドッグプログラムですが、なかなか他では知られていません。 今回は、そんなプリズンドッグプログラムについてお話していきます。

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犬と触れ合うとこんな効果も!

Jack Russel Parson Dog Run Toward The Camera Low Angle High Speed Shot

Ammit Jack/shutterstock.com

「プリズンドッグ」もしくは「プリズンドッグ・プログラム」という言葉を聞かれたことがありますか?

数年前に世界中でヒットした、アメリカで作成されたドラマ「プリズンブレイク」でご存知の方も多いように、プリズンとは英語で、刑務所とか監獄という意味があります。

ですから、プリズンドッグを訳すなら「刑務所犬」となるわけですが、ドラマの影響で、”もしかして刑務所から脱走する犬のこと?”もしくは脱走癖のある犬の話”と想像された方もいるかもしれませんね。残念ながらそうではありません。

今日は、最近注目されているプリズンドッグとは一体なんなのか、またプリズンドッグ・プログラムによってどんな益が得られているのかについてご紹介したいと思います。

プリズンドッグ・プログラムとは

Yorkshire terrier gives paw his owner closeup with human hand

Yolya Ilyasova/shutterstock.com

「プリズンドッグ・プログラム」とは、刑務所に服役している受刑者が、犬と触れ合うことによって更生し、社会復帰を果たすことを目的として導入されているプロジェクトです。

基本的な内容は、飼育放棄や飼い主による虐待などから保護された犬を、選ばれた囚人が3ヶ月間に渡り、自分の房にゲージを設置して24時間世話をし、新たな飼い主に引き渡したり、介助犬やセラピー犬として活躍することを目指して、犬のトレーニングをします。

ユニークな里親プログラムともいうことができます。

このプロジェクトから得られるメリットや、すでに効果を実証している点については後ほど詳しくご紹介しますが、囚人に協調性が出てきたり、出所後の再犯率が下がったり、殺処分される犬が減るなど、各方面において多くの益があることがわかっています。

それで、現在アメリカでは、150箇所以上の刑務所がこのプログラムを導入しています。アメリカだけでなく、様々な国や団体が興味を示し世界中で同じようなプロジェクトが実施されるようにもなりました。

日本でも、2009年に島根あさひ社会復帰センターで、受刑者が盲導犬のトレーニングを行うプログラムが行われるようになったり、2014年には千葉県八街少年院で、保護犬のトレーニングを行うプログラムがスタートし、少年の更生をサポートしています。

このプロジェクトの始まりは、1981年に、女性の囚人であったキャシー・クイン氏が、自分と同じ悩みを持つ囚人たちの更生に役立つのではと発案し、ワシントン州立大学と提携してプログラムが組まれ、ワシントン州の女性刑務所で最初に実施されました。

「動物セラピー」や「ドッグセラピー」という言葉もありますが、動物と人が触れ合うことによって、心や体のリハビリを行い、相互に精神的、情緒的安定を測ったり、運動機能の回復をするプログラムは、以前から様々な病院や施設で用いられてきました。

高齢者や認知症、自閉症、不登校や引きこもり児童などを対象にしていることが多く、その人の中にあるストレスを軽減させたり、失っていた自信を回復させたり、警戒心をといて人間関係を築きやすくするなど、多くのメリットあることが注目されてきました。

もちろん動物嫌いの人やある種の恐怖症、衛生面での環境づくり、動物への負担など配慮しなければいけないことは多いですが、動物と触れ合うことによって、生活の質が向上することが確証されています。

「プリズンドッグ・プログラム」は、刑務所という特定の場所で、何かしらの罪を犯した受刑者が犬を世話することによって、問題行動を改め、社会復帰して健康的に暮らすことを目的にプログラムされた、ドッグセラピーともいうことができるでしょう。

このプログラムが構築されるまでには、何度もパブリックヒアリングが行われて、「反省する目的で刑務所に収容されているのに、受刑者が犬と楽しむことは相応しくないのでは」「受刑者が動物虐待をするのでは」と言う不安の声も上がりました。

しかし、「行き場のない保護犬達が殺処分されるよりも良いのでは」「受刑者が再犯する確率が下がるなら導入するべき」などとのポジティブな意見も多く、「過去の反省よりも、未来の改善を」との思いで実現に踏み切ったそうです。

プリズンドッグ・プログラムに参加する受刑者には、クリアしているべき四つの条件があります。一つ目は、過去に動物や人に危害を加えた犯罪歴がないこと。二つ目は、収監部屋内で二人一組で飼育することに同意できること。

三つ目は、動物行動学や心理学、基本的なしつけや健康管理を継続的に学ぶこと。四つ目は、定期的に専門家のカウンセリングやストレスチェック、インタビューを受けること。が義務付けられています。

さらに、受刑者の生活態度や言動なども評価されたり、動物虐待の可能性を予防するためのスクリーニングもあります。

実施している施設によって、さらに詳細な条件を儲けている場合もあり、動物と受刑者の安全を確保し、全てにおいて最善の結果が出せるように、徹底した配慮が取られています。

#プリズンドッグとは もうおわかりだと思いますが「プリズンドッグ」もしくは「ジェイルドッグ」とは、「プリズンドッグ・プログラム」に起用されている犬のことをさしています。

先ほども少し触れましたが、、プリズンドッグ・プログラムに起用される犬達は、何らかの理由で保護された犬達です。飼い主からの虐待、飼育放棄を経験し、人間への不信感や恐怖感を抱いていることが多く、人間に対して心を閉ざしている犬がほとんどです。

中には、過去のトラウマや苦い経験から、心と体両方に傷を負っていることもあり、非常に凶暴であったり、全く人の言うことを聞こうとしない犬もいるようです。

非行に走り刑務所に収監されている多くの人も、愛のない家庭環境で育ったり、虐待や無関心などを経験していることが多く、ある意味、囚人達と似たような境遇を経験している犬達と言うことができるのです。

同じような生い立ちであったり生活環境であったことから、お互いを理解し合え、心に寄り添い合えることが多く、犬も受刑者も社会復帰のためのパートナーとなることができるのです。

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