【獣医師監修】猫に冷たい水はNG?猫が飲みやすい水と水に関係する猫の病気【2023年版】

【獣医師監修】猫に冷たい水はNG?猫が飲みやすい水と水に関係する猫の病気【2023年版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

猫の体内の60~70%は水分で占めているほど、猫にとって水は欠かせないものですが、猫はあまり水を飲まない習性を持っています。水を全く飲まないのも困りますし、逆に飲み過ぎるのも何か病気があるのではないかと心配になりますよね。今回は、猫が飲みやすい水について、また水に関係する猫の病気について解説します。

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水を飲む量が減ってしまうことで発症しやすくなる病気

水飲み器の前に座る猫

Impact Photography/shutterstock.com

わたしたち人間の場合、夏の暑い時期は喉が渇くため身体が自然と水分を欲し、たくさん摂取します。一方、冬になるとあまり水分をとらなくなります。

それと同様、猫も冬になると温かい場所で寝る時間が増え、運動量も減るので夏よりも水分量が減ります。

猫の場合は水を飲む量が減ってしまうことで、病気を発症しやすくなります。それには尿路結石や膀胱炎などの泌尿器系トラブルが挙げられます。これらの病気は一度発症すると、再発しやすことでも知られています。

病気を予防するためにも、冷たい水ではなく、ぬるま湯を与えて、愛猫に水を飲んでもらうようにしましょう。では水に関りがある猫の病気をいくつかあげてみたいと思います。

腎不全

腎不全は、猫がかかりやすい病気のひとつです。腎臓の病気は一度発症してしまうと、腎臓の機能を回復させることはできません。猫が水を飲まなくなったり、いつもと様子が異なるようなら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

膀胱炎

水を飲まなくなったら、膀胱炎の可能性もあります。膀胱炎はブドウ球菌や大腸菌などの細菌が繁殖し、炎症を起こすことで発症します。

また、トイレを我慢することでも膀胱炎になります。猫はとても清潔好きなので、トイレが汚いと我慢します。ですから、いつもキレイで清潔なトイレ環境を整えてあげましょう。

尿結石

硬水の水を猫に与えると、尿結石の発症リスクを高めます。尿結石は、尿の中にマグネシウムやカルシウム、リンなどのミネラル類が増えることが原因となり、結石ができやすくなってしまいます。

ですから、硬水の水は猫に与えないようにしましょう。もし愛猫がおしっこをする時に痛がっているようなら、尿結石の疑いがありますので早めに動物病院を受診しましょう。

水を飲み過ぎることで発症するかもしれない病気

病院で診察を受ける猫

PRESSLAB/shutterstock.com

愛猫が水を飲まなくても心配ですが、たくさん飲みすぎることも心配です。猫が水を飲み過ぎる場合、次のような病気の可能性があります。

腎不全

水を飲まなくなると腎不全の疑いがありますが、水をたくさん飲むときも腎不全の可能性があります。腎臓の病気が発症すると、嘔吐が増えたり、食欲不振などの症状があらわれます。愛猫がいつも以上に水を飲んでいるなどの違和感を感じるなら、すぐに動物病院へ行きましょう。

糖尿病

猫も人間同様、糖尿病などの生活習慣病にかかります。血中の糖が増えることで尿も増え、必然的に水を飲む量も増えてきます。糖尿病は年齢を重ねるにつれて発症リスクも高くなるので、特にシニア期に入ってからは注意することをおすすめします。

対処法としてキャットフードを見直したり、適切な運動をすることができるでしょう。

クッシング症候群

クッシング症候群とは、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで発症する病気です。症状として食欲増進や多飲多尿、腹部が膨らむなどがあらわれます。クッシング症候群になると、糖尿病も併発する可能性が高いので注意が必要です。

猫の水飲みの種類とは?

ペット用の給水器を眺める猫

Lightspruch/shutterstock.com

猫の水飲みには、3タイプの種類があります。それは水を入れておくだけのタイプ、自動で水が補充されるタイプ、そして、自動給水タイプです。どのタイプが愛猫に合うか知るために、それぞれの特徴をみていきましょう。

水を入れておくだけのタイプ

水を入れるだけのタイプは、いわゆる一般的な水飲み器です。猫が飲んで汚れたり、一定の時間が経過したら水飲み器を洗って、新しい水に交換してあげます。

器の素材はさまざまなものがあり、ステンレス製、プラスチック製、陶器製などがあります。水を入れるだけなので簡単に使えることはもちろん、お手入れも簡単で壊れることもほとんどないのがメリットです。

水飲みに脚が付いているデザインのものや、水飲みを置く台が別に付いていて高さを出せるデザインなどがあり、猫が飲みやすいように工夫されています。豊富な種類が用意されているので、愛猫好みの水飲みを見つけることができるでしょう。

デメリットは、水飲みを猫がひっくり返してしまったり、水をこぼしてしまった場合、飼い主さんが気付くまでしばらく水が飲めなくなってしまう可能性があります。また、猫が水で遊んでいたずらすることもあります。

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水が自動的に補充されるタイプ

水が自動で補充されるタイプの水飲みは、ペットボトルなどに水を入れておくことができ、飲んだ分だけ水が補充されます。電気などを使用せずに、いつでも新鮮な水を飲めるのが一番のメリットです。

猫がよく水を飲む、多頭飼いをしているのですぐに水がなくなる、長時間家を留守にするなど、水の交換や補充がすぐにできないときにとても便利な水飲みとなっています。

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自動給水タイプ

自動給水タイプの水飲みは、猫が水を飲んだ時に自動的に補充してくれます。また、ろ過装置が付いている自動給水タイプであれば、水に入ってしまったホコリやゴミなどを取り除いてくれるので、いつでも綺麗な水を飲むことが可能です。

さらに循環式タイプであれば、常に水が流れている状態をキープできるので、流れている水が大好きな子や好奇心が強い猫は興味を持ってたくさん水を飲んでくれるようになるでしょう。

このようにメリットが多い自動給水タイプですが、停電があると流水機能が使えなくなってしまうという問題があります。また、定期的にフィルターの交換や水垢の掃除をする必要があるので手間がかかります。

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まとめ

猫と水について詳しくみてきましたが、いかがでしたか?

「猫舌」という言葉から、猫は熱いものよりも冷たい方を好むようなイメージがありますが、猫は冷たい水を苦手とし、与えることはNGです。もし冷たい水を猫に与えるならお腹を壊し、下痢などになるリスクを高めるでしょう。暑い日には氷が役立つこともありますが、可能であれば常温の水道水を与えるようにしましょう。

また、猫が積極的に水を飲んでくれるように、愛猫の好みの水飲みを用意してあげることも大切です。水を意識的に与えることで、泌尿器系トラブルを予防し、健康を維持していきましょう。水の飲み過ぎも病気の疑いがあるので、毎日愛猫を観察することを心がけるようにしましょう。

もし愛猫があまり水を飲まないなら、好みの水ではないのかもしれません。冷たいお水をあげることはNGですが、ぬるま湯に変えてみるのはどうでしょうか?また水道水ではなく、ペット用のミネラルウォーターを与えることができるかもしれません。猫にも水に関して好みや個体差があります。愛猫の好みの水を見つけて、健康的な暮らしをサポートしてあげましょう。

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