災害救助犬って知ってる?その仕事内容や適した犬種まで解説!

災害救助犬って知ってる?その仕事内容や適した犬種まで解説!

update

近年、自然災害による被害が急増している日本。被災地で人命救助のために働いている、動物たちの存在をご存知でしょうか。今回は、「災害救助犬」または「レスキュードッグ」と呼ばれる彼らの仕事内容や、災害救助犬に適した犬種についてもご紹介します。

update

活躍している災害救助犬の種類

では、実際にどんな犬種が災害救助犬として多く活躍しているのでしょうか。

そのいくつかをご紹介致します。

山岳救助にはセントバーナードが多い

山岳救助犬の代表犬種といえば、セントバーナードです。

セントバーナードは、災害救助犬の発祥地であるスイスの国犬として認定されています。

災害救助犬として最も有名なバリーは、このセントバーナードの祖先である「アルペン・マスティフ」という犬種です。

バリーは、スイスの広大な雪山という過酷な状況で、沢山の遭難者を救助しました。

その子孫であるセントバーナードが現在では山岳救助で活躍しています。

セントバーナードは嗅覚に優れているうえに、深い雪の中を進む体力や勇気を兼ね備えています。

また災害救助犬として必要な、温厚でおっとりした、辛抱強く優しい性格ももっています。

大きな体とふさふさした被毛で遭難者に寄り添い、温かい毛布としての役割も果たせます。

セントバーナードは、山岳救助に適した特性を沢山持っています。

水難救助にはニューファンドランド

水難救助には、ニューファンドランドが多く活躍しています。

ニューファンドランドは、がっちりした胴体とたくましい手足をもつ超大型犬です。

その足には水かき用に発達した膜が付いており、泳ぎがとても上手な犬種です。

被毛はダブルコートで、下毛は皮脂をたっぷり含んでいるおかげで水をはじくため、極寒の海でも長時間泳ぎ続けることが出来ます。

体力と耐寒性に優れ、泳ぎを得意としているので、ニューファンドランドは水難救助犬として活躍しています。

ゴールデンレトリバー

Golden Retriever puppy head shot

everydoghasastory/shutterstock.com

警察犬や介助犬としても多く活躍しているゴールデンレトリバー。

実は、災害救助犬としても活躍しています。

ゴールデンレトリバーは、とても賢く、訓練性に優れ、温和で、とても友好的な性格をもっています。

人間に従順に従い行動するため、災害現場において優秀な働きをしてくれます。

また、人間が大好きなゴールデンレトリバーは、被災者の心を癒し、明るく支えてくれるという面でも被災地で大きな活躍をしています。

実際の救助や、アフターケアまで行えるゴールデンレトリバーは、災害現場で沢山の働きをしてくれます。

ジャーマン・シェパード・ドッグ

German Shepherd

Nicinka Studio/shutterstock.com

警察犬の代表ともいえるジャーマン・シェパード・ドッグは、災害救助の場でも活躍しています。

大型で筋肉質な体格をもっているので、過酷な災害現場でもパワフルに働きます。

また、とても勇敢で大胆に行動できることや、人間に対して従順に行動できるため、災害救助に向いている性格も持っています。

軍用犬としても用いられることが多いため、災害救助犬としての訓練にも耐えられる忍耐強さや知性も兼ね備えています。

そのため、災害時にパニックに陥らずに冷静に行動することができ、指示に従順に従い、自分の仕事をきちんと果たすことが出来るので、災害現場において優秀な働きをしてくれます。

実際、2017年4月1日付のJKC公認災害救助犬頭数では、出動可能頭数が58頭で、災害救助犬の中で二番目に多い犬種となっています。

柴犬

Redhead dog Japanese Shiba Inu breed with a cheerful muzzle

Akbudak Rimma/shutterstock.com

意外に思われるかもしれませんが、柴犬も災害救助犬として活躍しています。

古くから、番犬や猟犬として活躍している柴犬は、災害救助犬にも向いている性格をもっています。

勇敢さや知性があり、忍耐強さを兼ね備えています。

自分のリーダーにはとても忠節なため、指示にしっかり従って行動することが出来ます。

猟犬として山々を歩き回る体力をもっていますし、小柄な体格をいかして狭所にはいることも出来ますので、災害救助犬に適した性質を兼ね備えていると言えます。

災害救助犬になるには

では、災害救助犬となるためにはどのようなことを行なう必要があるでしょうか。

災害救助犬になるために必要な行程をご紹介致します。

訓練を受けた後試験に合格が必須

A group of dogs listen to the commands of the dog trainer

mezzotint/shutterstock.com

災害救助犬として認定されるためには、まず訓練を受けてから試験を受ける必要があります。

生後半年までは、排便のしつけなど、一般的なしつけを行い愛情深く犬と接していきます。

専門的な訓練は、生後半年頃から行っていきます。

その訓練の中には以下の訓練が含まれます。

犬と人がお互い信頼できる関係を築く、スキンシップの訓練。

指導手に従うように訓練する、服従訓練。

特殊な環境や様々な現場で、状況に応じた捜索作業を行うための、環境訓練。

生存者を正確に発見して、発見後に指導手へ吠えて知らせることができるように訓練する、救助訓練。

このような基礎訓練をおよそ1年半ほど行い、認定試験を受けます。

犬の能力や性格によって異なりますが、一歳半~二歳くらいで救助犬としての資格を取ることが可能です。

災害救助犬の認定を受けた後も訓練

一度試験を合格したら訓練は終わり、というわけではありません。

実は災害救助犬の認定には2年という期間が定められています。

定期的に再認定試験を行うことにより、救助犬の能力維持を図る目的があるのです。

そのため、1度災害救助犬として認定を受けた後も、継続した訓練が必要です。

災害救助犬の活躍がわかる動画

では、災害救助犬は実際どのように災害現場において活動しているのでしょうか。

災害救助犬の活躍が分かる動画を幾つかご紹介致します。

「災害救助犬」 命を探す犬たち

この動画は、災害救助犬が実際にどのような訓練を行っているのかを紹介しています。

人命救助のために、日々訓練を行っている災害救助犬の様子がよく分かりますよ。

人命救助のプロ! 災害救助犬検定試験

災害救助犬認定試験の様子を紹介した動画です。

厳しい試験を受けて、災害救助犬となる様子を見ることが出来ます。

20160416 熊本地震・PWJレスキュー活動

熊本で起きた大震災において、実際に災害救助犬が出動しているときの様子が紹介されています。

過酷な状況の中で、生存者を探そうと懸命に働く災害救助犬の様子を見ることが出来ます。

人命救助のために沢山の努力を払ってくれている災害救助犬とその指導手の方に心から感謝出来ますね。

今後ますます活躍の場が広がる災害救助犬

The dogs in a row are being trained to rescue.

hxdbzxy/shutterstock.com

地震や台風などの自然災害がますます多くなっている今、災害救助犬は本当に沢山の活躍をしてくれています。

また、実際の災害時だけでなく、認知症患者による行方不明者の捜索なども災害救助犬は行っています。

今後ますます災害救助犬の活躍の場が広がっていきそうです。

災害救助犬の育成活動を行っているNPO団体もありますので、興味をお持ちの方は、ぜひボランティアに応募してみてはいかがでしょうか。

ご意見、ご感想ありましたらコチラ! この記事のコメントへ (5件)
桜 フォトコンテスト 全国のドッグラン一覧
編集部PICKUP
関連する記事

mofmo掲示板

5 名無しさん
通報

レスキュードックのワンちゃんたちには本当に頭が上がりません。震災が起きた時にもすぐに最前線の被災地へ行って、任務をこなしている姿をテレビで拝見したことがありました。彼らの犬生が幸せであることを祈るばかりです。

4 名無しさん
通報

大きな災害があった時にニュースなどで働いている災害救助犬を目にしたことがありますが、本当にたくましく素晴らしいワンちゃんたちだと思います。犬種によって向き不向きもありますが、犬としての幸せも感じて欲しいと思っちゃいますね。

3 名無しさん
通報

勉強になります。賢いワンちゃん達に人間は助けられてますよね!人間も困っている行き場のない動物たちを助けていきたいです。

2 ハーフカット
通報

災害救助犬は、名前だけは少し前から知っています。ですが、どういう任務をこなしているのか、など詳しいことはほとんどと言って良いほど無知でしたので、勉強になるなと思うことが多かったです。

1 ウォーキングゾンビランド
通報

災害救助犬ってスイスが発祥なんですね。以前スイスに住んでいた時には山にいくと樽をつけた山岳救助犬がいました。山まで運行しているバスにもセントバーナードの犬の絵が印刷されていましたよ。それにしても40人もの遭難者を救助したのって凄いな。